♪ トゥッティにアパッシオナート、メゾフォルテ真夏を穿つ蝉の合唱
「今年(2024年)は、221年ぶりに13年ゼミと17年ゼミが同時発生する年に当っている。3~6月に数十億匹の「素数ゼミ(周期ゼミ)」がアメリカのイリノイ州中部の台地を覆う。」というニュースが早くから流されていたが、実際に蝉が大量発生ているというニュースはまだのようだ。
この図からすると、二種類がかぶって「W繁殖」する場所はあまり無いということになる。だったらそんなに騒ぐこともないだろうに。厳密にはイリノイ州中央部の一部で重なるところがあるらしい。そうなると、とにかくその騒音たるや100㏈以上もあるらしく、とても外に出てはいられない。
過去にも13年ゼミとか17年ゼミのニュースを見たことがある。大概は死んだセミの亡骸の写真ばかりで、なぜか鳴いているところの音は流されない。
わが近所の緑地帯では、毎年熊蝉が大量発生してその騒音がすさまじい。猛暑の中で、この抑揚のない無機質な金属的な騒音が脳みそを撹乱する。しかしそれでも音圧は90㏈程度。それが10㏈上がるとなると、耳が感じる騒音はその2倍になるというから、もう想像を絶する世界だ。
音圧レベル
音圧レベルは、10㏈上がるごとに人の耳では音の大きさが2倍になったように感じる。
つまり、30㏈が40㏈に上がった時の差と100㏈が110㏈に上がった時の差は、数字の上では同じ10㏈でも体感上ではもっと差があるように聞こえるという。
だいたい100㏈を超えたあたりから、痛みなど、聴覚機能に異常があらわれ始め、苦痛を我慢できる限界がだいたい130㏈だと言われているとか。周期ゼミは「ジェットエンジン並み」の騒々しさと言われる。
ちなみに、地球上の大気の中で出すことのできる音の限界は194㏈だそうで、それ以上の音は空気を通り抜けることができず、「衝撃波」となるのだそう。(sound zoneより)
周期ゼミは、13年または17年の一生の99%を、地中で幼虫のまま、木の根から養分を吸って過ごす。特定の年の夏がくると、周期ゼミの幼虫はいっせいに地面から這い出す。1本の木の根もとから、数日間に最大4万匹もの幼虫が出てくることがあるとか。素数ゼミの生息地域では、サッカーグラウンド1つぶんの面積(1エーカー)当たり、150万匹の素数セミが眠っているという。
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何年も地下に閉じこもっていた分が一気に地上に出てくるわけで、それによってもたらされる恵みは計り知れない。多くの捕食動物が豊富なエサにありつける(口がある動物はみな、周期ゼミを取って食べる。)鳥などあらゆる捕食動物にとって、今年はエサが豊富なうれしい年になる。
そればかりか、セミが地上に出てくることで生態系の栄養が循環され、土に空気が送り込まれ、さらにセミ以外の昆虫は、いつもの年よりも捕食動物に狙われる心配をしなくても済む(逆に言えば、害虫被害がふえるということ)。(NationalGeogaphicより)
「中川翔子は夏になると蝉のぬけがらを身に着けている」というのをブログに書いたことがある。今でもやってるんだろうか。
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