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歌 と こころ と 心 の さんぽ

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2024.08.11
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カテゴリ:懐かしいもの

♪ 人頼みあなた任せの風となりヒッチハイクにさすらいし日よ





 9日の「中日春秋」の谷崎潤一郎の「旅のいろいろ」(昭和初期)について書かれていることは私もまったくの同感で、あまり観光地を巡る旅行をしたいとは思わない。

 若い時に放浪していたときも観光地は避けていたし、たまたま行ってもそこから外れて人のいかない場所を選んで散策していた。人混みが嫌いということもあるが、みんなと同じことをしていることに抵抗がある。天邪鬼。


拡大します

 今や観光地は外国人が日本人より多く、大きな顔をして歩き回っている。特にアジア系のマナーの悪い人が大きな声で歩き回っている。辺鄙なところでも、SNSで知ったという外国人が多数訪れて、鄙びた閑静な本来の姿を失いかねない状況にある。

 ヒッチハイクで体験した、偶然の出会いや発見がいかにこころを豊かにしてくれたことか。旅は予想が付かないから面白いのであって、予約した宿に泊まって、雑誌やSNSで知った景色や料理を確認するためのような旅行は、本来の旅とはあまりにもかけ離れている。
 たまたまYHで一緒になった女子大生が一人旅をしていて、心配だからと予約した宿にただ泊まるだけの日々だという。
 父親には嘘をつき母親は一人旅と言って出て来たものの、一人旅が初めてでどうすればいいのかが分からないようだった。

「ぜんぜん旅行している気がしない」という。それで、翌日は一緒にヒッチハイクをしようと持ち掛けた。アベック(今はカップルか)でのヒッチハイクは、かなりハードルが高いと思ったが、彼女に旅とはこういうものだと、教えてやりたかった。

 ヒッチハイクには自信があった。どうすれば車が停まってくれるか。止まってくれれば成功したようなもの。その経験で何とかなるだろうと・・。
 1970年、秋田県のどの辺りだったか覚えていないが、国道でもやけに狭い砂利道だったことを覚えている。道幅が狭いので、車を止めるのはわりと楽とはいえ、男女二人連れを乗せてもらうには、やはり工夫が要る。

 踏切で一旦停車した車や、信号で止まった車に声をかけるという手を使った。声を掛けられて断る人ほとんどいない。運転手に、「東京から仕事で来てるのに、アベックを乗せるなんて・・」とぶつぶつ言われたり、別の車ではうらやましがられたり・・。
 
 1日ヒッチハイクをやって、彼女は東京へ、私は岩手の方へと分れることに。汽車で帰る彼女が「やっと旅行らしい旅行が出て、とても楽しかった。」といたく感謝された。私もちょっと鼻が高かった。
 ヒッチハイクで、秋田市から宮古まで国道を東北を横断することに。田沢湖へ立ち寄って、湖畔の店で食べたラーメンがソーメンみたいなものだった。

 当時は、これが国道?と思うような道で、東北はずいぶん取り残されている感じがしたものだ。
 どの辺だったか素掘りのトンネルがあった。その暗いトンネルで、中をリヤカーを引いている旅行者らしき人を追い越した。これには驚いた。
 その後、何人かのリヤカーマンが話題になったが、これはまさに先駆者だったと思う。
 書き出したら書くことがいくらでもあって、止まらなくなるのでこの辺で止めておきます。 
 とにかく、「旅は一人に限るし、予定など立てないで行き当たりばったりが一番いい」ということが言いたかった。
 情報に基づいてそれを確認に行くようなのは旅行でもなんでもない。ただの時間と金の浪費をしているだけに過ぎない。

 こんなことを書くと異端者扱いされかねないが、大多数の人は「時間と金の浪費」のような旅行をせざるを得ない。融通の利かない、時代遅れの、企業優先の、忖度と自己抑制の社会であることが問題だと思う。
 
 私がウォーキングが好きなのは、谷崎が書くように、“狭い範囲を時間をかけて回るのがよく「今まで平気で通り過ぎていた土地に、意外な興味を見い出すことがある」” からだ。

「富士には月見草がよく似合う」と書いたのは太宰治。「富嶽百景」(昭和13年)にある一節だ。



 人心も社会も、諸行無常に移ろいゆく。変わらないのは富士山の雄姿だけかもしれない。





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最終更新日  2024.08.11 11:53:08
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◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。
◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題しました。
◆2014年10月23日から「一日一首」と改題しました。
◆2016年5月8日より「気まぐれ短歌」と改題しました。
◆2017年10月10日より つれずれにつづる「みそひともじ」と心のさんぽに改題しました。
◆2019年6月6日より 「歌とこころと心のさんぽ」に改題しました。
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