♪ ジャンジャンの竹山を収めたLPの津軽三味線懐かしきかな
「吉田兄弟 デビュー25周年47+1都道府県ツアー」
ー 極生ー
開場13時30分、開演が14時というのに、家を出たのが13時。間に合ったはいいが、駐車場は一杯で駐車できない。そのまま外へスルーすることに。どこかの路地にでも停めようかと、裏通りへ。路地の奥の方の草ぼうぼうの空き地で何やら車の誘導をしている人がいる。
“こういう日を狙って民家が有料駐車場にしてるのか?しょうがない、行ってみるか”
ところがここは、ホールの臨時駐車場だった。係員が「ここは出口です。ここからは入れません」というが、もう入ってしまっている。しょうがないと思ったらしく、奥の1台分空いている場所に誘導してくれた。
車から降りて向こうをみると、係員が二人いて反対側の入り口に何台もの車が並んでいる。
ありゃあ、悪いことしちまったなぁ。でもラッキーだった。入場したら開演5分前だった。
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いきなり演奏が始まって、荒々しい津軽三味線を想像していたので最初はちょっと戸惑った。繊細な旋律と演奏に、抱いていたイメージが追い付かず、自作の曲の出来を疑い、二人の演奏レベルを訝るような感覚があった。
しかし曲が進むにつれて、巧妙なテクニックと津軽三味線の別の面─リリカルな側面─を表現を追求していることに気づく。
ただ曲の展開にパターンがあってもう少しデュオの多様性が出るといいと思ったりもする。掛け合いの醍醐味は見せ場でもあるが、片方の音程が不安定だった感じがあり、今一つ乗り切れない。
やはり最後の「津軽じょんがら節」が最高だった。これは素人の言うことで、通の人が言うことではないのかもしれない。パイプオルガンでも、素人は「トッカータとフーガ イ短調」を聞きたがるのと同じで、そういう耳なじみのものを聴くと安心するのだ。
この曲は演奏し慣れているし、そのジャズと同じ即興演奏は奏者によって変わるのが「じょんがら節」の特徴でもあり、それを延々15分ほどもやって見せたのだから聴衆も大満足だったろう。間に拍手も起り(MCで催促した)、奏者、聴衆ともに一つになって大いに盛り上がった。
アンコールでは “カメラ撮影OK” として、「SNSにどんどん載せてください」とまで言うあたり、今風の乗りでPRも忘れない。1時間半ほどで途中休憩もなかった。
全国ツアーの最中で、前日は群馬県、翌日は和歌山県への移動があり、このくらいが限度なのだろう。
吉田兄弟(吉田 良一郎 / 吉田 健一)プロフィール
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最大キャパ1000人で、ほぼ満席だった。指定席 前売3,000円はちょうどいい料金だったのだろう。大ホールの「もちのきホール」は複合施設の一画にあって、身近な感じがして入りやすいのも良い。
午後3時半には終わって、主婦でも知人とゆっくりお茶して帰ることができる。
能登で大雨。地震での被害の癒えぬ間に水害という悲しい日でもあった。津軽の方も大雨だったのだろう。こっちはは大した雨も降らず、何の問題もなかった。
津軽三味線の楽曲の原型は瞽女のの三味線と言われ、門付などで生計を立てていた歴史が背景にある。厳しい過酷な音楽でもある。高橋竹山のレコードを聴きたくなった。
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