春花 in USA：博士号の後。

　私のフィアンセは、家がとても貧しくて、中学生になるまでパンツ（下着）を穿いていなくって、身体検査が恐怖だったらしい。中学生になってからは自分のお小遣いで下着を買って自分で洗濯ができるようになったから、身体検査の恐怖から開放されたらしい。

　洋服や靴もあんまり持っていなくって、冬でも半パンに穴の開いた靴を履いていて、学校の先生の子どものお下がりなどをもらっていたんだって。今はその反動でか、フォーマルな服を着るのが好き。

　家が酪農をしていたフィアンセは、小さい頃、夕御飯が家で収穫された牛乳と交換してきたアイスクリームだけだったことが頻繁だったそう。

　フィアンセの家にはお湯がなく、冬も水でシャワーなどを浴びなくてはいけなかったため、小さい頃はシャワーが嫌いだったそう。冬は極寒。

　冬、暖かい毛布や布団がなかったから、家で飼っている馬に冬かける硬い重いブランケットで寒さをしのいでいたんだそう。

　貧しいといっても、都会のゲットー出身ではないけど、田舎にはこういった個人で経営している貧しい酪農家のお家がいくつもある。こういう生活を抜け出した今だからフィアンセはこういったことを気軽に話を出来るけど、フィアンセの一番下の弟は未だにこういった生活をしている。日本で、何の不自由もなく育った私には、同年代のフィアンセが育った環境が想像できにくい。