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カテゴリ:紅影オリジナル詩!!
いつか彼は、彼女に言った。 ”愛は言葉じゃなくて、行動で示すものじゃないかな” どれほど伝わるかなんて分からなかったけれど、 じゃあ、行動で表してみるよ、って素直に受け入れてくれた君が、 凄く愛しくて、嬉しくて、 彼は彼女を本気で愛したいって、 そう願ったんだ。 彼女を迎え入れるために整頓された部屋の本棚には、 哲学を気取ったものや、成功する術を説いたもの、学問の概論ようなもの、 そんな書物がたくさん並んでいて、 彼はそのほとんどに目を通していた。 けれど、彼は、出版されたその書物達に関しては、 自己の愚かさやちっぽけさについて説いた書物があまりにも少ないことを、 何か間違っていることのように思っていた。 生きてゆくための過ちこそ心に深く残るものだろう。 だからこそ悲しみの記憶は、雪のように降り積もってゆく。 君のピンク色の携帯電話をこっそりと覗き見た日。 君の嘘が書かれてあった。 彼女を責めるつもりなんて、もうないんだ。 君にとっても同じなんだろうね。 君が背負う俺の過ち。 俺が背負う君の過ち。 それを二人で溶かしながら進んでいけたらいい。 俺は、きっとね…、 君を幸せにするために生まれてきたんだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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