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テーマ:世界遺産紀行(1093)
カテゴリ:レレレのレ
この連載紀行文もしばらく空いてしまっていた。
何度も言うようだが、屋久島は雨が多いことで知られている。 そこで旅程はかなり余裕を持って行った。 ウミガメ、白谷雲水峡、そして縄文杉。 これが三大目的だったので、雨が降らない限りは前倒しで観る予定だった。 山に入ろうとすると、朝が早い。 だから宿泊先は前半を民宿、後半をリゾートホテルと緩急付けて予約してあった。 そして日ごろの行いがいい私達は、晴天に恵まれ、4日目にして三大目的を制覇してしまった。 安房にある民宿「ひまわり」を後にし、その夜からはリゾートホテルの「屋久島いわさきホテル」に3連泊と贅沢をすることになっている。 ただし貧乏性の二人。 三日間もじっとできないだろうし、前からやりたかったカヌーと沢登りのエコツアーに申し込んでいる。 ひまわりに大きな荷物を預かってもらい、路線バスで屋久杉自然館へ向った。 安房から少し山側へ登ったところにある。 私はお出かけをしたら、博物館とか郷土資料館とかに入ってしまう。 けっこうじっくり見て、その土地の歴史や文化に触れるのが好きだ。 ここ屋久杉自然館では、杉に限らず、屋久島の歴史に触れることができた。 バスを降りると、朝にひと雨あったのか、自然館の前はしっとりと濡れていた。 自然館の駐車場の前に降ろされた私たちは、自然館の入口につながる道を歩き始めた。 すると、突然でびっくりした。 ヤクシマザルが一頭、こちらに尻を向け、振り返るようにこちらを見ているではないか! 思わず、足が止まった。 西部林道でヤクシマザルに会った時は、クルマの中だった。 子供を抱いているサルや、互いに毛づくろいをしているサルがかわいく見えたものだ。 ところが、今目の前にいるサルは違う。 怪訝にこちらの動きを察している。 サルとにらみ合うこと15秒・・・、道を下るように小走りで去っていった。 ふぅ・・・(^-^; 緊張したぁ。 自然館では屋久杉の特徴と他の樹木との比較、屋久島の植生や気候、地質、そして歴史が学べる。 歴史と言えば、縄文杉へ向う途中、森林軌道を歩き始めて一時間足らずのところに小杉谷集落跡があった。 江戸時代、薩摩藩の頃から屋久杉の伐採を始めていたが、本格的に伐採が行われたのは明治に入ってからだ。 時代が進むにつれて伐採の勢いは激しくなる。 森林軌道が轢かれ、チェーンソーが導入されると、伐採地に近い小杉谷には集落ができ、小中学校や商店街まであったらしい。 一時はこんな山奥なのに、屋久島最大の人口を誇る集落にまでなったとか。 大きな丸太を小さなトロッコに縛りつけ、その丸太にまたがり、ブレーキだけで続々と降りてくる男たち。 そんな猛々しい白黒の映像が一番印象的だった。 また屋久島の地質についてのパネルを見ると、島全体が花崗岩できていることが分かる。 花崗岩は他の石に比べ、軽いらしい。 長ーい年月を経て、地中から浮かび上がった花崗岩が、屋久島となって現在に至るとか。 隣の種子島は山すらなく、ぺたーっとしているのに。 この対照的なところもおもしろい。 山を歩いていると誰もが気付くのが、岩にへばりつくようにある長方形の白い結晶。 花崗岩の石英分が長時間かけて冷やされ、結晶が大きくなっているらしい。 あまり学術的なことばかり書いてもつまらないですね(^-^; 自然館を後にし、路線バスで民宿ひまわりに戻る。 荷物を引き揚げて、ふたたび路線バスで今夜の宿泊地、屋久島いわさきホテルへ向う。 屋久島一のリゾートホテルだ。 案内された部屋は海側だった。 バルコニーも付いていて、いい眺めだ。 スコールのような夕立の後、現れたのが虹。 しかも二重に虹がかかっていた! 今夜から3連泊。 贅沢にゆっくり流れる時間をむさぼりたい。 すると・・・、携帯電話が鳴った。 カヌーを申し込んだエコツアーの人からだった。 『すいません、明日のカヌーなんですが、担当が体調を崩しまして・・・。中止にさせて戴きたいのですが・・・。』 仕方がありません (_ _。)・・・シュン 「明後日ならカヌーできますか?」 『分かりました。また明日連絡するようにします。』 だけど、どうしよう。 すっかりカヌーをやる気分になっていたのに。 そこでフタマタをかけることにした。 別のエコツアーでカヌーを申し込んだのだ。 だけど、そのツアーは安房川だ。 安房川のカヌーは、自転車で大汗掻いて登った松峰大橋から見えていたやつだ。 中止になりそうなツアーは栗生川で、何となくこちらのほうが水がきれいそうで行ってみたい。 ひとまず明日はゆっくりとして、明後日にどちらかのカヌーをやろうということになった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/08/27 09:47:36 AM
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