大阪の営業所から電話があった
その女性は　最近入ったばかりだった
知らないことが多いはずなのに　がんばっていろいろとやってくれた

一通り仕事の話がおわると　
「最近　ショックなことがあって　辞めようかと思ってたんですよ」と言ってきた
「なんで？　なにかあったの？」と聞いてみる
「他の工場の　部長さんが私のことを　『危険人物だから気をつけろ』って　いいふらしてるみたいで・・・・　自分のところの所長から　それを聞いたときは　ほんとにショックで・・・」

「なんでそんな事いうんだろう？　なにかしたの？」と僕
「なにもしてないですよー　知らない人ばかりで　仕事頼みづらいから
　コミュニケーションをとろうと　いろいろ話してたぐらいで・・・・」
「そうなんだ」
「何が危険人物なのか　わからないし　影でそんな事言われてたのも
　ショックだしで　本当にこの会社が合わないなら　辞めようと　思ってたんですよ」

「そっかー　他人の言うことは気になる？」
「気になりますよー　どんどん悪いほうに考えてしまって　ズーンって
　落ちこむんですよねー」
「そんな風にはみえないけど　（笑）」
「意外と　繊細なんです！（笑）」
「あまり気にしすぎると　鬱になっちゃうよ」
「そうなんですよー」

「他人は自分の一面だけ見て　言っているだけだからねー　
　あんまりあてにならないよ　
　人の思うことなんて　千差万別だし　あー　そういう考え方もあるんだー
ぐらいに思っていれば　いいんじゃない？」
「そうですよねー」
「もうちょっと　頑張れる？」
「頑張ります！　ちゃんと製品を納期どおりに出してくれたら」　と　電話越しに彼女が笑った