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カテゴリ:プチ小説
それは、ヒトに感染する病。
どの生き物よりも、きっと大切が重いから。 記憶が重いから、きっと美味しいのかも知れない。 知らぬ間に、ヒトからヒトへと感染する。 苦痛も違和感もなく、本人すら気が付かない。 そして、ヒトの脳へと。心へと容易く浸入する。 誰も、自分すら気が付かぬまま。 きっと、気が付いた時には。すでに、手遅れ。 もう、記憶を食べれられてしまった後。 自分にとって、もっとも大切な記憶。 それを、蟲は選りすぐって。たったひとつだけ、食べる。 誰かの思い出、何かの思い出、いつかの思い出を。 ヒトもモノも時間も、なんの基準もなく。 その蟲は、そのヒトの一番大切なひとつを食べ尽くす。 そして、目覚めて。それを見て、問うのだ。 『このヒト、誰?』『ここは、どこ?』『それは、いつ?』 正式名称は知らないけれど、みんなこう呼ぶ。 『記憶喰』、きおくぐい。『記憶蟲』、きおくむし。 でも、この呼び名が一番みんな知っているかも知れない。 『他虐蟲』、たぎゃくむし…。 忘れてしまった本人には、それで傷付くことのない蟲。 記憶を喰われることで、他の誰かを傷付ける蟲。 だから、知らず知らずの間に広まった呼び名。 あなたの大切な記憶、まだ大丈夫ですか? ***************************************************** 夢で見たものの物語・予告って感じです。 予告と言うか、ちょっと説明みたいな感じですね。 これから、ぽつぽつ書いて行こうと思ってます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 16, 2005 02:00:19 AM
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