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最果ての世界

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春時

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January 31, 2005
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テーマ:小説日記(233)
カテゴリ:プチ小説
あるところに、蜂蜜のような色をした一匹の猫がいました。
その猫は、その体の色で『蜜猫』とみんなから呼ばれていました。
蜜猫は、随分と昔からひとりで生きていました。
蜜猫に、どれくらい昔から生きているのか聞いた者がいました。
蜜猫は、『気が遠くなるくらい昔からだよ。君の何十倍も何百倍も、生きて来たんだよ。』と悲しそうに答えました。
続けて、また聞いた者がいました。
『ひとりで、淋しくないのかい?』と。
しかし、蜜猫は悲しそうな顔を見せるだけです。
そして、少し考えてから。彼らに答えました。
『他の者といる方が、淋しくて仕方ないんだよ。』
聞いた人には、その答えの意味が解りませんでした。

『じゃあ、少しだけ昔話をしてあげよう。』
蜜猫は、そう言いました。
そして、目を閉じて話を始めました。


『昔、まだ僕が若かった頃は親や兄弟たちと過ごしてしたんだ。
そして、もちろん好きになった猫もいたよ。
僕にも、飼い主がいた時もあるんだ。
みんな、僕の大切な人たちだったんだ。

だけど、僕は他のみんなと違って成長が遅かった。
だけど、僕は他のみんなと違って死ななかった。

いつも、僕は見送る側だったんだよ。
僕を産んでくれた母さんも
僕と同じ時に生まれた兄弟たちも
僕が好きになった猫も
僕を大切にしてくれた人も
僕が大切に思う人も
みんなみんな僕を遺して逝ってしまう。

だって、僕は死なない猫だから。


そして、思ったんだ。
僕は、遺される淋しさに耐えるよりも
最初から、ひとりでいる淋しさの方が
もしかしたら、良いのかも知れないって。

だから、僕はひとりでいるんだ。
これ以上、淋しさに耐えなくて良いように。』

でも、蜜猫はとても淋しそうでした。
『そうなんだ。辛かったんだね。』
『淋しかったんだね。』
話を聞いた彼らは言いました。
『だけど、僕は君に会いに来るよ。』
『僕も、また会いに来るよ。』
彼らは、そう言いました。
『確かに、遺されるのは悲しいけど。』
『遺す側は、同じだけ悲しいんだよ。』
『蜜猫、君はひとりじゃないんだ。』
『だって、君に関わった人たちがいるんだから。』
『いつだって、君の心で一緒にいるだろう?』
『いつだって、空の上から君を見てるだろう?』
『だから、君はひとりじゃないんだよ。』
『だから、僕は明日も会いに来るよ。』
そう笑顔で蜜猫に言いました。
『ありがとう。』
蜜猫は、それだけしか言えませんでした。
嬉しくて、悲しくて、
溢れる涙で言葉が出ませんでした。


あるところに、とても長く生きる猫がいました。
その猫の名前は、蜜猫と言いました。
蜜猫は、長い自分の生を
たくさんの命と触れ合いながら
たくさんの命を背負いながら
たくさんの命に見守られながら
幸せに暮らしました。

ほら、あなたの側にも
もしかしたら
やって来ていませんか?

****************************************
纏めてと言う訳では、ないのですが。
今までの事などを過去の日記として更新してみました。
タイトルに書いた日付と、日記の題を明記するようにします。
宜しければ、ご意見を聞かせて下さいねv

これは、とある童話?を読んで浮かんだ物語です。
って、何を読んだか解りそうな話の内容ですが(苦笑)
人や動物や植物、命を持つものが必ず迎える終焉。
始まりがあれば終わりがあるのは、昔からの理です。
それでも、人は永遠に憧れを抱いているのではないでしょうか。
ただ、その本当の姿を知らず。終わる事を恐れる気持ちから。
アタシは、永遠なんて存在しないものと思っています。
それは必要がないから、作られていないのではないでしょうか?
何もかもが変わることを繰り返し、より良い形へと。
そうして、進化を遂げてゆくものだと。アタシは思うからです。

最近、哲学的な考えばかりしています(苦笑)
難しいですよね。でも、だからこそ、面白いのかも知れないんですが。





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Last updated  February 1, 2005 05:15:11 PM
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