カテゴリ:デバイス
菊池誠さんの本を読んで、恥ずかしながら初めてトランジスタのベースの名前の由来がわかった。
点接触型トランジスタにおいて、針を半導体に立てるが、その半導体が針を立てる土台のようになっているからそれをベースというようだ。学生時代からなんでベースというんだろうと思っていたが、この年になってやっとわかった。遅すぎか? まあ、物事に遅すぎるということはないということで。 一般的な接合型のバイポーラ・トランジスタのベースはコレクタとエミッタの間に挟まれていて、さらに厚さが数μmととても薄いので、ベースという雰囲気はまったくしない。点接触型から接合型に切り替わるときに、各部分の名称も変更しようという動きはなかったのかな。動作原理が同じだから、形がちょっと違うけどそのままでいこうという話になったのだろうか。 バイポーラトランジスタの記号の形も、点接触型の形からきていることがわかった。だれも教えてくれなかったよなあ。あの矢印はどこからくるのかとずっと思っていた。 接合型トランジスタの構造を見せつけられて、あんな薄い部分がベースだと言われても、ぼくみたいになんでよって思うのが普通だろうなあ。でもそこから色んなことを考えるからいいのかもしれないけど。 他にもMOSトランジスタのソース・ドレイン部を“拡散層”とたぶん今でもいうと思うが、なんでイオン打ち込みで作っているのに拡散層というのだろう思っていた。これはもともと、イオン打ち込みの技術が確立する前のやり方で作ったときの名前がそのまま流用されているようだ。 不純物を半導体に注入するやり方は、最初は不純物の固体を半導体の上にのせて、高温にして染み込ませるやり方を使っていて、しばらくして固体から気体雰囲気に切り替わったようだ。一番最初からイオン打ち込みで作られていていたら、拡散層ではなく“打ち込み層”とかいった名前になっていたかもしれない。 まだ名前についてはいろいろわからないところがたくさんある。コレクタやエミッタの由来も知りたい。大体検討はつくが。トランジスタもショックレイあたりが作った造語らしいが、それももっと詳細に知りたい。語源をたどっていけばいろいろなことがわかって面白い。もうちょっと早くそれをやればよかったが、そんなことをいってもしょうがないことだな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年04月19日 09時04分20秒
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