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2004年05月03日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
みなさん、書き込みありがとうございます。
イジメの加害者、被害者の経験をされた方のご意見もお聞きでき、心強い限りです。長男には精一杯フォローしてゆきたいと思います。

4/26(月)
6年の担任の先生と特殊学級の先生が自宅まで来てくれて、今日の1、2限目に時間をかけてクラス全員と話し合ったとのこと。

S君の障害のこと、友達になりたい時にちょっかいをだしてしまう方法しかできなかったこと、「死ね、バカ」と書かれた紙がロッカーに入っていてとても悩んでいたこと、などを皆で話し合って、謝らなければいけないと思う子はその場で謝り、S君ももちろんちょっかいを出したことはいけない事と認識し謝ったとのこと。

クラスメイトから「冷たくしたかもしれない・・・」という素直な反省の言
葉が聞けたことは先生も「一歩前進したかな」という想いだそうです。
でも、まだ紙を書いた人は自己申告してこないのでわからないとのこと。

これからS君の家に行って説明してきますとおっしゃるので、前日の理不尽さが納得できない私は思わず、
「長男から聞いた話によると、『10日前に謝りに行った7人』についてはいずれもS君が先に手を出したために皆が怒ったり、追いかけたりしたらしい。つまり7対1のひきょうな状態でなかったこと、またイジメではなかったという事実を、S君の親にはきちんと説明してくれますか?」と聞いた。

すると、特殊学級の先生が
「それは現段階ではできないのです。確かに7人のお子さんはいじめたわけではないことは私達もよくわかっています。そもそも全て子供のささいなケンカなのです。
ただ、今の段階で7人の子がいじめたわけではなくて原因はS君にあったと説明してもあのお父さんは必ず『紙』のことを持ち出してきて、話が堂々巡りになるのです。もう少し時間をおいてからと考えています」

がっかり・・・。

でも、先生方が『紙』のこと以外はイジメではないことを理解してくれただけでもよかったのだけれど。。。

担任の先生に「今日のクラスの話し合いで皆が納得してくれたなら、一から出直すつもりで頑張りましょう。」そう言うのが精一杯で、やりきれない気持の私。

夜、出張から帰ってきた夫に一部始終を話すと
「とばっちり受けたなあ。自分の子の前でよその子供を脅すなんて最低な父親だけど、きっと孤独なんだよ、その人。」

意外に落ち着いた反応だったので、拍子抜けしたが、なんだか私の心が軽くなった。それは話したから楽になったというわけではなくて、
「孤独だからなのか・・・」と理由付けができたからかもしれない。

それからちょっと冷静になってみた。
ロッカーの『紙』のこと、どうしてS君はすぐにお母さんに言わなかったのかなあ?思春期で親に話せないというような感じの子には見えなかったし、軽い障害があるから6年というより4年くらいの雰囲気なのでまだお母さんべったりというかんじだったし。

もしかして親に相談できない雰囲気だったとか、親との信頼関係になにかヒビが入っていたとか・・・。
なぜ親に遠慮していたのだろう・・・

そういえば、S君には1年の妹と生まれたての弟がいる。
昨年秋に引っ越してきてすぐ冬になったから雪があってどこにも遊びにいけず、近所にも馴染めず、親子で煮詰まった状態だったのかもしれない。
そして弟が産まれ、妹の卒園、入学と親の関心は95%くらい下の子供たちにゆき、S君は不安と戦い、本人なりに親に負担をかけないようにと思っていたのかもしれない。

ふと、「放っておけない」と思った自分に驚いた。

友人がいない、近所に馴染めない・・・というのは、地域の中で家族ますます孤立してしまうことになる。
そしてあの父親があのままだったら、3人の子供はとうてい自立できないだろう。いつも親が(間違った方法で)かばってくれることを覚えたら、最悪な大人になってしまう。
幸い、S母はまだ話が分かりそうな人だし、ゆっくり時間をかけて話し合いたい。

そうだ、公園に誘おう!狭い家の中で話をするから感情のぶつかりあいになる。大きな公園に行って子供たちを遊ばせながらだったら少~し心を開いてくれるかな?と全く呆れるほど単純にそう思った。

というのも、私も子供たちが0歳、2歳、5歳の手がかかる時、ママ友に助けてもらったことがあるから。
その人は2歳、5歳、9歳の子供がいて、時々私が煮詰まったような顔をしていると2歳、5歳の子供たちを半日遊びに連れて行ってくれて、虐待に走りそうな心を救ってくれました。お蔭で一人抱え込まずに子育てができたと思っているわ。
その事は今でもとても感謝している。そしてしてもらった親切はまた誰かに・・・って思うから。

夫にも話すと「いいんじゃない」って賛成してくれた。

「私なんかがS家を変えようと思うと偽善になるのかな。」とも悩んだ。
でも、お母さんと仲良くなってこの地に馴染んでもらうことはできるかも。
家族で引っ越してきたという共通点はある。
少しだけどできることがあるかもしれない。
「思い立ったら吉日」の性格なので、頭はもうすでにS母を誘う文句を考えることに切り替わり、心は目一杯ドキドキしていた。

4/27(火)
担任の先生に昨日はS家でどんな話をしたか聞き、自分の思いを話す。(ケンカのきっかけがS君のせいだったことも話してくれたらしい)
校長先生も一緒に話を聞いてくれ、歓迎してくれた。
「是非、よろしくお願いします。私も先日5時間話してきましたが、同じ内容の堂々巡りになってしまいました。
私どもにも『裁判』の話を持ち出してきました。今までにも同じような方を何人も見てきました。あのお父さんは自分の意見を押し通してからでないと人の話を受け入れられない方なので、その重い鎧を脱いでもらうのは難しいかもしれないです。
でも、お母さんはここ半年ほどS君にはしっかりかまってやれなかったこと反省されていたので、お話されると理解が深まるかもしれないですね。」と。

それから校長先生は、10日前の長男を含む7人は「S君に嫌な思いをさせたかも・・・という気持がある人は謝りに行きましょう」という問いかけに正直に答えてくれた子達なのだということをとても誉めてくれた。
気持ちがグッと救われました。ちゃんと子供の気持ちを見ていてくれたんだって。

帰宅した長男にお母さんはこう思う、こうしたいと、話すと「え?」ととまどい気味だったが、意外とあっさり理解してくれた。公園にも一緒に遊びに行くという。

早速S家に行き、S母に拒否されたらどうしようと思いつつ、
「自己紹介を兼ねて公園で遊ばない?」
と切り出すと、すごく嬉しそうな顔をしていた。
29日(祝・木)に決まり、迎えに行くことを約束した。

4/29(祝・木)

迎えに行くと、アパートの前で家族揃って待っていてくれた。
S父もにこやか・・・(^^;)
助手席の長男に「この前のこと、大丈夫か?」と声を掛けてくれた。
長男ひきつりながら「うん」とうなずいた。
怖かったこと思い出したろうな・・・でも、強くなれ、息子!
S父も行くのかと思ったけど、見送りだけでほっとした。

そして車で5分ほどの県立の大きな公園で遊んだ。
出身はどこ?から始まり、実はS母は隣市出身とのこと。
なーんだ、ほとんど地元じゃん!と話に弾みがつき、色々と子育てや仕事のことなど話した。

とてもほほえましかったのは、
「今日買ったばかりの服なんだから、汚さないでよね」と子供たちに言って、
「実は私のズボンも買ったばかりなんだよね~」と話してくれたこと。
S君も妹さんも上下とも新品。妹さんはズックまで!
たまたま春物を買いにいって着ていたのか、それともいい意味で緊張していたのかな?
おそらく後者と思う。

赤ちゃんがぐずってきたので帰ることにしたが、もう少し話したかった気分。
でも、結構自分のことさらけ出してしゃべれたなあと自分でも不思議に思う。

「また今度、うちにいちご狩りにおいでよ!」と次の約束をして別れた。
帰りの車内で長男がぽつりと
「今日、Sとちょっと仲良くなれたかも」
じ~~~ん。
熱いものがこみ上げてきた。
間違ってなかったんだね、きっと。

5月3日(月)

S君と妹を誘い、ショッピングセンターでやっている子供向け手品ショーに。
そして先日と違う公園に行き、3時間遊んだ。
1年生の妹さんが
「ゆき君(次男)のお母さん、この前うちのお父さんに怒られたでしょ?だから怒っているかと思ったんだ。もう、怒っていないの?」
と聞いてきた。
クスッと笑えるようになった自分が嬉しい。

子供は見ているね、聞いているね、大人の会話。

4月24日に火の粉が降りかかってきたと思った。
悔しい思いもしたし、胃も本当に痛んだ。
5~6年前の私だったら迷わず関わりを避けていたと思う。
でも、今前向きになれたのは、夫と前述のママ友のお蔭かな。
夫は頑固な人を説得するのが好きなんだよね、変な人。

今は長男も私も一皮むけたかなって気分です。
このままS家と歩み寄れるといいなと思っています。

長~い3話連続の話に付きあってくれてありがとう!





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最終更新日  2004年05月04日 22時54分43秒
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