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HASIRA

HASIRA

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2005/11/08
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カテゴリ:HASIRA生活日誌
第一話

僕はもう助からないだろう。
そう思っていた。あながち間違いでもないようだ。
僕はKに懇願する。「僕が生きていく上で、君の力が必要なんだ」と。
でも思い返して、意地を張る。弱い力で突っぱねてみる。「僕と君は分岐点に辿り着いた。そろそろパートナーをチェンジするときなんじゃあないのかね。」
そんな支離滅裂に、彼女はじっと僕の目を見て、僕の欲しい言葉を与える。
「あなたは余計なことを考えなくてもいいの。」
眉のたれた飼い犬が窓に映る。なんだこのユーウツは。
こっそりと、ポケットの中の薬を飲む。少し気分が晴れる。
僕はいま先の見えない仕事を、ただ黙々とこなしている。
こなさなければ生きていけない。こなしていても生きていけない。
逃げようか?いつもそう思う。ただ逃げたとしても、いつもKに見つかり、そして捕まってしまう。捕まりたいのか?僕は。自分に問う。その通りだと僕は答える。そして生きながら死んで腐乱していく様にぞっとする。そしてまたいつもの夜が来る。
えみりから「不安だ」と電子郵便が届く。ライムから「また温泉に行こうとお誘いがかかる。僕はその二つとも返事をしない。
もうだめだ。







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Last updated  2005/11/09 12:33:08 AM
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