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カテゴリ:HASIRA生活日誌
第四話
また、会議室にて同じことの繰り返し。 「あなたはあなたの好きなように生きるべきなの。」 そんなことは君に言われるまでもない。勘違いしてはいけない。確かに僕は君にぞっこんだが、だからと言ってすべてを委ねる気は毛頭ないよ。 だが僕の左眉が動く。それに気づいた彼女は「ほらね」と言わんばかりの笑みを浮かべる。 確かに僕はもうダメになっている。そしてここからさらに事態は悪化するだろう。 それを君に見せたくない。ただそれだけなんだ。何故それが解らない…こんなことは口が裂けても言えない。 彼女は僕の顔をじっと見つめている。 僕は彼女の顔を見ることが出来ない。 これ以上ここには無用と、僕は鞄を掴んで車に乗り込んだ。 彼女から逃げるのは何度目だろう。 そして後何回彼女から逃げなくてはならないのだろう。 ワイパーが、大粒の雨をなぎ払う。 僕は風に吹かれて行方をくらます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/11/11 10:37:48 PM
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