|
カテゴリ:HASIRA生活日誌
第十四話
決められた時間に会って、決められた話題をして、決められた挨拶で別れる。 僕は彼女に一日に何千語もの単語を喋る。不意をついて何かを言いそうになる。慌てて口を押えて地面を掘りに外へ飛び出す。 そんなことに翻弄されている。 そんなことで時間を潰している。 そんなことで一喜一憂している。 打ち合わせが終わり、部屋に戻って残ったパンひとかけらを冷たくなったスープで流しこむ。外は次第にくらくなり、窓ガラスに僕の顔が映る。 再び僕は上着をはおり、車に乗り込んだ。 もう一度彼女の顔がみたい。ただそれだけの理由で。 相変わらず青臭いことをしているな、頭の中でもう一人の僕が嘲笑う。 「イカレちまっているだけさ。」 言い訳のように呟いて、夜の街へと向かっていった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/11/24 10:35:11 PM
コメント(0) | コメントを書く
[HASIRA生活日誌] カテゴリの最新記事
|