068667 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

HASIRA

HASIRA

Freepage List

2005/11/26
XML
カテゴリ:HASIRA生活日誌
第十六話

電話が止まっているので、見聞きできない。やれやれいい言い訳ができた。と思っていたら、そんなことはない。神の御加護…というよりは、もはやお節介としかいいようのないそれは、パソコンの電子郵便を残しておいたので、相変わらず仕事の連絡は入ってくる。
とうとう諦めて、友人たちをかきあつめ電話代を手にした僕は、電話代を払いに車を飛ばす。
そして見事開通した暁には、僕はいの一番に彼女へと電話をかける。
「君の声が聞きたかったからに決まっているじゃあないか」
国道沿いで僕は本音まじりの冗談を言う。神様。どうか僕の真意に気づきませんように。

今日は某俳優さんのシャンソンショーがあるので、節野とともに訪れる。
彼女は「怪しい」を連発していたが、僕の気持ちはそれどころではない。

ショーが終わってから、僕は節野を連れて彼女の職場へと訪れる。
なんでそんなことをしているのかよく判らない。
ただ彼女に近付き過ぎた僕は、必死にそこから抜け出そうとしていることは事実である。
とにかく僕は彼女とこれ以上深くなることを望んではいない、と思う。
いや望んでいるからこそ、望んではいけない。
我ながら判らない論理だ。
判らない。そもそも判りたくない。狂人の思考なんて。

節野は、そんな僕を年老いたと言う。
「昔のあなたはそんな人じゃあなかったでしょう?」
そうだな…と僕はグチる。
テレビ塔が頷くように何度も瞬いている。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2005/11/27 01:08:24 AM
コメント(0) | コメントを書く
[HASIRA生活日誌] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.
X