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カテゴリ:HASIRA生活日誌
黄色い花のテーブルに座っている。仕事は相変わらず山積みだったが、僕は気分が落ち着かない。珈琲は三杯目。三杯目をオーダーした時にウェトレスに笑われる。そのあどけない笑みに、気の効いた話を言えない自分にチッと舌打ちをする。何枚もの報告書と何枚もの企画書に○印をつけていく。今年はこんな量の仕事をこなすのか…少し気が遠くなる。
暫くして君が現れる。スレンダーな肢体。愛らしい微笑み。僕は幸せを噛み締める。だらしないもんだ…とジョンが眉間にシワを寄せる。 彼女は、聡明だ。そしてなによりもセンスがいい。女性団体から抗議がきそうだが、上質な女性が隣に座るのは、男性として何よりも誇らしい。僕は、途端に周囲を気にしだす。 そこでの会話は…実のところあまりよく憶えていない。お互いに本質の会話ではなかっただろう。当然だ。僕はまだ彼女に慣れていない。慣れること。それが僕にどう関わってくるのかは判らない。関わってこないのかも知れない。そんなこと判らない。 本当の事をいうと、彼女が実在したのかどうかも判らない。案外僕は今日一人でずっと仕事をしていただけだったのかも知れない。 黄色い花のテーブルで。僕は一人。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/01/15 09:41:40 PM
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