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カテゴリ:HASIRA生活日誌
いくつもの長い物語が、車内に滞積している。
過去の断面がまるでスクラップブックのように、足下に転がっている。 すでに時間は溶けて、川のように何処かへと消え失せた。 もうこの場所では、僕たちはすべてから開放される。 接吻が、まるで敬けんな信者たちの儀式のように幾度もくり返される。 舞い落ちる雪は、僕の車をかき消そうと躍起になっている。 僕たちは沈黙を恐れていない。 「神よ仏よ、僕は彼女を愛してる」 朔の歌を思い出してクスリと笑う。彼女はその意味が判らずに、微笑み返す。 僕は彼女に、何度も愛していると言うだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/01/24 09:56:02 PM
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