壮烈新選組 幕末の動乱・・(2)
近藤勇は手ごわい相手だよ京の街にある長古堂に、町人姿の男、前畑三十朗が、但馬織之助を訪ねてやってきます。お客さんにお茶を出すようにいわれ、娘のお香代が二階へ行きますと、先ほどまでいた千恵菊の話を聞いていた前畑三十郎は、織之助がいないことをいいことにお香代にいいより、手籠めにしようとしているとき、父彦兵衛の「お香代、但馬様のお帰りやで」という声に助けられます。五条の新町に行っていた織之助が帰ってきました。急いで二階から降りて来たお香代の取り乱し方を見て、織之助は彦兵衛に織之助「客は誰だ」と聞くと、前畑だと聞いて、お香代の様子が気がかりながらも二階に上っていきます。 前畑は何事もなかったかのようにして、織之助に祇園にでも行っていたのかという前畑に織之助「その祇園だが、当分の間、幾松さんの館には近づかんことだ。桂さんは 昨夜、反論をまとめるために長州へお発ちになったよ」前畑 「長州へ?」織之助「うん、ところで用件は?」前畑は、我々の間で、新選組本陣の焼打ちが決まったのだと。それを聞いて、織之助は驚きの表情をみせます。そして前畑は、織之助にも仲間に入ってほしいということのようでしたが、織之助はきっぱりと、織之助「断る」といいます。 前畑 「なに、断る」織之助「桂さんの留守中に、そんな無鉄砲なことは出来ん」前畑は、新選組の行状を見ていて、織之助に前畑 「おぬしは、悔しいと思わないのか」それに対し、織之助「では、君たちは、そのことのために、新選組に挑もうというのか」前畑 「別に、そう言う訳じゃないが」織之助「ならば、止めることだ。町家の娘さんと違って、近藤勇は手ごわい相手 だよ」そういうと、織之助はどぎまぎする前畑の様子をじっと見つめるのです。 料亭で飲んでいた芹沢はお梅を見て気に入ったのか、家まで押しかけていきます。新選組隊員の山本仙之助と村上常右衛門は、芹沢の行先をつけていました。一方、近藤勇も料亭山清で、呼びにやった誰かを待っているようです。千恵菊と話しているところへやって来たのは、新選組の近藤からの使いと分かって来た幾松です。近藤が、幾松に「あんたの色はどうしておいでだ」と聞いてきたので、幾松が「色っておいいやすと」と返すと、土方が「長州の桂小五郎だ」。桂が幾松のところに匿われていることは分かっている、といってきます。隠し立てするとためにならんといわれ、幾松は「行って家探しでも何でも」と、早速土方と沖田が向かおうとするのを、近藤は「新選組の任務は市中取締り、行き過ぎは禁物、といって止めます。そして、近藤は幾松に「折があったら、あんたの色に伝えてもらいたい。勤皇佐幕と主張は違えど、国を思う心は一つ、出来ることなら、血を流さず済ませたい」と。隣の座敷で倉原新兵衛がそれを聞いていました。お梅の家から帰る芹沢の悪党ぶりを見ていた、山本と村上は、自分たちも小さくなっていないで「今夜早速」と、和泉屋押し込み強盗に入り「拙者どもは、天朝様のために働いている勤皇派の者だ」と言い残したのです。翌日、前畑は仲間に、昨夜勤皇派の者が押し込みをはたらいたという高札が立ったことを話すと、誰かということで仲間同士の争いが起ころうとしたところを、そこにやって来た倉原が止めに入ります。そして、倉原は自分の考えで間違っているかもしれないが・・と仲間を言い含めるのです・・・諸君は、苦肉の策について考えたことはあるか、(苦肉の策)謀略つまり落とし穴だ、少なくとも在京の同志のなかには、押し込みをはたらくような不心得者はいない、それにも関わらず、あのような高札が立ったところをみると、裏には何かがあるはず、(下手人は)ただの盗賊か、所司代のおとり、幕府はこれを口実にして勤皇派を根こそぎにする魂胆、とにかく自嘲し、ことの成り行きをみよう・・・。 続きます。