壮烈新選組 幕末の動乱・・(5)
君は友情に熱い男だね祇園ばやしが響くなか、幾松は倉原を呼び出し、千恵菊が近藤から預かった手紙を書いた当人を突き止めてほしいと頼み、橋の下にいる変装した桂小五郎と会わせます。長州の藩論は討幕に一致、薩摩との連合も土佐の坂本龍馬を通じてすすめている、そこで在京の同志を奮起さすために、今夜四つ三条小橋の池田屋で会合をする、と桂は倉原に伝えます。倉原の家で織之助が待っていました。幾松からの呼び出しは、鴨の河原で桂小五郎に会ったこと、それからもう一つ、といい織之助に読んでみるようにと手紙を渡します。倉原「押し込みの下手人は、君だと書いてあるんだ」織之助は、どういうことかというような顔をし、手紙を開け読み始めます。 織之助は手紙を読んていて、何かに気がついたように動揺したとき、倉原が聞いてきたことに心が乱れます。 倉原 「同志の間を聞いて回ったのだが、誰も心当たりがないんだ。どうだ、その 筆跡に見覚えはないかね」織之助「いや、ありません。・・・全く見たこともない字体です」 倉原は、織之助が言った言葉に念を押します。倉原 「確かにないんだね」織之助「確かに」その様子を見ていて、倉原がいいます、倉原 「そうか・・・但馬君、・・・君は友情に熱い男だね。見あげたもんだよ」そう言った倉原に織之助が何かをいおうとしたとき、「まあ、いい」万事引受けるからと、織之助には池田屋に行くようにいい、倉原が席を立っていなくなると、織之助は心で呟きます。織之助「あの前畑が、拙者を裏切るとは」少しの間そのままじっとしていたが、自分が今思ったことを打ち消すように、織之助「・・・そんな、・・・そんなはずはない」 前畑に会うため同士の集まるところを訪れた倉原でしたが、前畑は留守、池田屋に行く前に一度戻ってくるというので帰りを待つと話しているのを、帰って来て外で聞いた前畑は、倉原が感ずいていることを知り、新選組へ情報を流しに走ります。勤皇派の動きについて耳に入れたいことがある、と近藤に面会します。今夜桂小五郎一派のものが、長州藩と申して幕府に反旗を翻すための会合を催す予定と話します。場所は三条小橋の池田屋、時刻は四つ、と聞いた近藤は、真偽のほどを確かめるため、藤堂平助を走らせ、伊東甲子太郎には手勢を集めこの界隈をお願いし、土方達にも抜かりないよう指示をだします。織之助も池田屋にやってきます。勤王派の同志が集まっているところへ、桂小五郎に取り急ぎ薩摩屋敷へ桂に来てほしいという連絡がきます。藤堂は池田屋へ勤皇派の出入りをものかげから見ています。 前畑の姿がないので聞くと、倉原と一緒に来るはずだと聞き、織之助は倉原は前畑と気づいていたことを察知します。 倉原は帰ってくるはずの前畑が戻ってこないことに、「ひょっとすると・・・」と、不信を持ちます。その頃、街は警備でうめつくされ、池田屋での会合が行われようとする時刻が迫ったとき、藤堂は新選組が待機する場所に報告に、警備の方も万端整ったとの報告があり、近藤の「よし、出発」で”誠”の旗が動きます。倉原が池田屋へ行く途中、新選組の伊東に声をかけられ、所司代屋敷へ同行するよういわれます。同じころ、池田屋の戸を叩く音が響きます。 「倉原さまで」という池田屋惣兵衛問いに「いかにも倉原です」という返事が帰って来たので、戸を開けると近藤を先頭に新選組が入って来ました。惣兵衛の「皆様、新選組のお調べでございますぞ」という声に、灯りを消し一同動き、織之助と宮部は証拠となる物を燃やします。 新選組が取り囲み、二階にも押し寄せ、修羅場と化します。 織之助も一階へと階段を降りたところで土方と沖田にそして二階からも阻まれてしまいます。 土方 「但馬織之助、今度こそ逃さんぞ」織之助「黙れ」織之助は下には降りられず、二階へと引き返し応戦するのです。 倉原も河原まで追い込まれていました。池田屋では近藤の剣が次々に志士達を斬り、織之助に近づいていました。 続きます。