テーマ:華麗・大川橋蔵の時代劇(449)
カテゴリ:大川橋蔵 映画 (主演)
何だ、そのポーンは
鶴姫に長屋までついてこられ千代三郎とおたみは、どうするのでしょう。 (これからの場面は、私がこの作品で第一に好きなところとなります。気をつけていないと、聞き逃すような見過ごすような何気ないセリフと動きもあり、この場面は是非作品を見て、感じとってほしいところです。 千代三郎とおたみ、千代三郎と浅吉、の絡みが絶妙で面白い。特に乳母のおたみに甘える千代三郎は可愛いそのものです。千代三郎の仕草にご注目いただきたい) その夜、いただき長屋のおたみのところでは、千代三郎とおたみがそれぞれ困った様子でいます。土間の方で千代三郎がどうしたものかと、頬杖をついて・・・すると、おたみが千代三郎に、お泊めするのかと尋ねますと、 千代三郎「まあ、そういうことになるな」 と言ったから大変、おたみは千代三郎の袂を掴んでひっぱり おたみ 「無分別にも程がありますよ」 千代三郎「ついてきちゃったもの、しょうがないじゃないか」 おたみは、千代三郎に屋敷に帰るようにお願いします。 千代三郎「今からかぁ」 (可愛いの、この言い方いいですよ) おたみ 「第一、布団がないじゃありませんか」 その時、入口で聞き耳をたて様子をうかがっていた浅吉、お松達が土間になだれ込んで来ます。お松がおたみに「布団ならあります」と、・・・そう言うことでお松に呼ばれた千代三郎がやってきました・・そこは、浅吉の家でした。 お松はさぶ旦那(千代三郎のこと)と二人っきりになりたいので、浅吉に一両渡し何処かへ行くように言います。 お松が汚いところだがどうぞと中へすすめます。 浅吉 「だんな、どうぞ、これでごゆっくり。・・ちょっといかれていますけれど ね、わりと干してありますから暖っかいです」 (浅吉が見せた布団は??・・布団とは言えません、ぼろぼろになってきたない綿だけのものでした。それを見た千代三郎の表情が本当にきたないなぁ、と表しています) お松 「なあに?、これぇ・・(お松も飽きれて観ています) ・・ねえ、さぶ 旦那、これじゃあんまりだから、あた しの布団に寝てくださいよ」 千代三郎「えぇ? おまえの・・」 (さっぱりした言い方です) お松 「ええ」 千代三郎「いやぁ、この綿でいいよ」 と言って浅吉の部屋に上がったのはいいが、落ち着かない様子でいます。お松と浅吉が一両を「返す」「あげるよ」と言いあっている間、千代三郎は、部屋を見回しています。(このような部屋をみたらびっくりしてしまうのは当たり前、酷すぎですもの) お松が浅吉に一両持っていきなというと、浅吉が「お宝が欲しけりゃ、ポーンと・・」と言った浅吉に、千代三郎「何だ、そのポーンは」 千代三郎が「面白そうだな、そのポーン」と興味を示したので、お松は浅吉に早く出て行くように言い、さぶ旦那を自分の家へ連れて行こうと外へ出たところ、ちょうど 浅吉が目明しに引き留められているのを見て、「浅吉は一緒に出かけるところだ、さあ、行こう行こう」と言って、上手い具合にお松を振りきることができます。 浅吉が、夜明かしだから、橋のところに出ている屋台の蕎麦を食べて行こうといいます。 (ここでの、千代三郎と浅吉の自然な感じのセリフがいいですね) お松も追いかけてやって来ます。 お松 「夕方のこと、怒ってんの?」 千代三郎「お前たちともおわかれだな」 お嫁さん、鶴姫のようにべっぴんだといいけれど、と言いますと、 千代三郎「なにしろ養子だすらなぁ、目と鼻がついてりゃ文句は言えんよ」 そんなのやめて、「迷子のお姫さんをもらったらどうです」と浅吉が言うのを 聞いて、千代三郎は複雑な心境になります。 かけ蕎麦が出来上がってきました。美味しそうに食べます。 (本当にお蕎麦の食べ方が上手い、食べるのにも品があるの・・見ていてこちらも食べたくなってしまいます) (千代三郎は屋台の蕎麦は初めてなのでしょうね・・出来上がったと聞いて、うれしそうに待っています。そして、本当に美味しそうに食べるの。お松がその間に、少しでも私を好きだと思ったことはあるか、と聞いて来るのですが、蕎麦に夢中だから、適当な返事をするのです) 食べ終わり浅吉と行こうとした時、芝居小屋で鶴姫を追っていた浪人達が通り過ぎようとしていましたが、石倉角之進が千代三郎に気がつきます。 「姫をこっちに渡せ」という石倉に「断る」という千代三郎。 石倉 「邪魔建てしたら、ぶった切るぞ」 千代三郎「性懲りもないやつ、ここは奥山の舞台とは違うぞ。腰の刀は竹光では ないわ」 石倉の「問答無用」で立回りになります。 千代三郎は刀を抜きますが、刃の向きを変えます。浪人達には刃が立ちません。 怖気付く浪人達をみて、ニタッと笑うと 千代三郎「浅吉、行くぞ」と言い、その場を立ち去って、浪人達を撒いていきました。 鶴姫とはぐれてしまった腰元お照が鶴姫を見つけるために町をさまよっています。馬場三十郎たちは、石倉の住家を根城にして、鶴姫を探しています。石倉の女房が経営する”江戸勘”の奥の座敷に。石倉と浪人達が帰ってくると馬場三十郎が来て、三十郎は鶴姫も千代三郎も見つけ次第斬れと言います。浪人達はまた出かけるのかとぶつぶつ言いながら出かけて行きます。 その”江戸勘”の二階では、賭場が開かれています。 浅吉が「ポーン」と言っていたのは博打のことでした。 (ポーン・・この言い方楽しいですね) 千代三郎と浅吉の姿があるではありませんか。さっき交えていた石倉の家の二階に来ているとは・・・。 続きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年04月12日 09時44分51秒
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