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愛し殿御の心のうちは 雲にお聞きと言うのかえ 意気揚々と江戸屋に帰って来た吉三や子分達は残っていた子分が斬られているのを見て急いで奥へ行きます。 吉兵衛は息も絶え絶えの状態のなか、吉三に扇山へ帰るように言います。そして、 吉兵衛「若殿さん、お墨付きを盗まれた、・・稲垣と永山だ。奴らは扇山の身代を 狙っている・・・お殿様、吉三を、吉三を返します。お願いします」 又之丞「吉兵衛殿」 吉兵衛は又之丞に吉三を頼みこと切れます。 吉三と又之丞は、吉兵衛の仇を討つためと扇山藩を乗っ取ろうとしている馬場兵部の陰謀を暴くために旅立ちます。 吉兵衛が亡くなった翌日、但馬国扇山藩に向かう又之丞と、娘姿の吉三の姿があります。又之丞に送れないように歩いて行く可愛らしい吉三を見ていて、金八が何かぶつぶつと言っています。 金八 「ちえっ、人間なんて妙なもんだな、つい昨日まで男の格好をしてたのが、 女の着物を着たら途端になよなよとしてきやがら、コケッコウ、器用な もんでござんすよ。あーあーもうくたびれちゃった」 とぶすくれています。金八が吉三を呼びます。「兄貴ぃ、吉三兄貴ぃ、若親分」・・・大きな声で呼んでいる金八に対して、(女とは思えないように) 「なんでぇ」と言う吉三を見て、又之丞は呆気に取られる様子です。 吉三 「あっ、いけねえ。言葉とか作法というやつは、なかなかなおらねえもんで すね」 又之丞「それがいかん、それが」(あきれた顔つきです) 吉三 「あっ、そうか」 二人に笑みがこぼれます。 こんな調子の道中のなか、吉三は女として又之丞にどんどん心惹かれていたのです。 仲の良い二人の間に金八が割り込んで来ます。 金八 「ちょいちょいちょい、ちょっ、ねえ、この辺で一休みしていきましょう や」 又之丞「おい、金八」 金八 「えっ」 又之丞「だいたい、その方が悪いぞ。兄貴とか若親分はいかん」 (この時、吉三は水際の方へ降りていきます) 金八 「じゃ、どうです。これから、お吉っちゃんと呼ぶようにしちゃ」 又之丞「お吉っちゃんか・・、扇山に着くまでは、まあそんなところかな」 と楽しそうに話していましたが、お吉っちゃんはどうしたのか、二人は水際の方に目をやります。 お吉っちゃんは、又之丞との扇山までの道中が嬉しいようです。 (ここで「花笠若衆」の1番を歌うお吉っちゃんが) ♪ これこれ石の地蔵さん 西へ行くのはこっちかへ 黙っていては分からない ♪ぽっかり浮かんだ白い雲 何やら淋しい旅の空 愛し殿御の心のうちは 雲にお聞きと言うのかえ 金八がお吉っちゃんのところまで降りてきて、耳打ちをします。 金八 「兄貴、やけに嬉しそうだけど、若殿様にほの字じゃねえんですかい」 お吉 「なに言ってんだい。あの又之丞様には、お国表にりっぱな許婚があるじゃ ないか」 金八 「あっ、そうかあ、・・いやだけどね・・」 と言った金八の手をきつく叩くお吉です。 その頃、江戸家老田島も娘早苗と一緒に扇山へ向かっていました。早苗は楽しみにしていた扇山への旅でしたが、このまま扇山に行くと、何か恐ろしいことが待ち受けているような気がしてならないのでした。田島は心配をせず黙って雪姫になっていればよいと言います。 高見が、江戸から田島一行をずっとつけていて、又之丞達が泊まっている宿に報告に来ています。偽の雪姫をしたて国表へ乗り込む魂胆と思われる、との高見の報告から、 又之丞「お墨付きを証拠にお家乗っ取りの一芝居を打つつもりだ。黒幕は馬場兵部 だ。はっはっ、奴らの考えそうな筋がきじゃ」 吉三の仇の稲垣と永山も一緒だとわかります。 又之丞「敵に気取られぬよう、なお十分注意の上、動静を探ってくれ。次の連絡を 待っているぞ」」 高見が部屋を出て行った後、又之丞は思いを巡らしている表情をし、吉三も心配そうにしています。 そうそう、その夜は旅に出ての第一夜、屏風を隔てた相部屋での吉三はなかなか眠りにつけない様子です。金八はいびきをかいてぐっすりと、又之丞は身動き一つせず眠っています。 (リハーサルの時、監督からひばりさんに、もっと悩ましそうにやって、との注文がありました) やっと寝入った吉三は・・・夢をみているようです、嬉しそうな微笑みを浮かべます。どんな夢をみているのでしょう。 次回は吉三の嬉しい楽しい夢の中を覗いてみましょう。
続きます。
花笠若衆・・・(6) 2018年08月28日 コメント(5)
花笠若衆・・・(5) 2018年08月25日 コメント(9)
花笠若衆・・・(4) 2018年08月20日 コメント(2)
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