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やっと二人きりになれたわね 眠に入った吉三は、ほのかに抱く又之丞への恋心がいつの間にか夢にまで現われるようになっていたのです。そして、夢の中で晴れて又之丞と結ばれるのですが、どんなことになるのでしょう。 ・・・それでは吉三のあま~い夢の中へ一緒に入ってみましょう・・・ 江戸屋の奥座敷で、又之丞と吉三の婚礼の式の三々九度の最中です。
又之丞が盃を飲みほし吉三の方に目をやりますと、吉三も又之丞に色っぽい笑顔を見せ注がれた盃を飲みほし、二人は夫婦になりました。お互いに顔を見合わせとても幸せそうです。 外には、花嫁花婿を見ようと町内の人々が集まっていて二人を祝福します。又之丞は町人姿の旅支度になっています。 さあ、駕籠に乗り新婚旅行に出発です。 「エイホッ、エイホッ」という掛け声で二挺の駕籠が街道を進んで行きます。 ここで、「花笠道中」の歌と共に、駕籠に揺られながら街道を行く二人の様子が映し出されます。 ♫もしもし野田の案山子さん 西へ行くのはこっちかへ 黙っていてはわからない ♫蓮華たんぽぽ花ざかり 何やら悲しい旅の空 愛し殿御の心のうちは 風にお聞きと言うのかえ ◇ここで🙇 余談ですが・・・この道行のロケに関してお話しておきましょう。 前にも書いたように、ここは瀬田大橋の近くの川沿いでのロケでした。人が絶えることのない景勝地のところを少しはずした場所での撮影になりました。五月の撮影のため桜並木も葉桜で五月晴れの下での撮影です。先ずは、二人の駕籠が並んで行くカットを遠くから取り終えると、今度は橋蔵さま、ひばりさん一人一人の顔のアップを取りました。所定のカットを取り終え、いよいよ駕籠とカメラのマラソン?の撮影になります。カメラを乗せた移動車のレールが長くひかれ、駕籠の動きに合わせてレールの上の移動車を動かして行きます。作品を見ていただくと分かるのですが、歌の長さだけ駕籠が走っているわけですので、駕籠とカメラ移動車の動きのテストが何度も繰り返されました。その間駕籠に乗ったご両人は、薫風に吹かれ道行に上機嫌です。O.Kが出ても駕籠から降りようとせず、「こんなロケだったら悪くないわ」「どうだろう、この駕籠で京都まで帰ったら」と言う始末。可哀想だったのは駕籠を担いだ大部屋さん。何回ものリハーサルで、O.Kが出たとたん倒れ込んでしまいました◇ 旅籠について、寛ぐ又之丞とお吉の新婚夫婦です。 お吉 「やっと二人きりになれたわね」 又之丞「どうやら、これで俺もほっとしたよ。お前も疲れたろう」 お吉 「いいえ」 お吉が、又之丞のお膳の前に座りますと、 お吉 「あー」 又之丞「うん?」 お吉の可愛く甘える素振りを見て、又之丞は嬉しそうな表情をして箸でお菜をつまむと、「それ」と言ってお吉の口に入れ「ぅん」とお吉の顔を見て言い、お吉も「うふ」と。 又之丞が一杯飲もうかと盃を口に持っていった時、今度はお吉がお菜をつまんで又之丞の口へ持っていき、お熱い二人です。 急にお吉が身体をモジモジさせます。又之丞がそれを見て 又之丞「どうしたんだい」 お吉 「なんだか、背中がかゆいのよ」 又之丞「えー・・かゆい・・どれ、うん」 お吉「すみません」 と言うと、お吉の背中に手を入れます。 又之丞「このへんかい?」 お吉 「もちょっと上」 又之丞「じゃ、このへんかな」 お吉 「少し右」 又之丞「じゃあ、ここか」 お吉 「そうそう、そこ」 ◇またまた🙇余談ですが・・・ここのシーンはリハーサルから大変だったようです。というのは、ひばりさんは大のゲラ子で可笑しいと笑いが止まらないのです、そこにくすぐったがりやなので背中に手を入れられ我慢が出来ないのは当然。「くすぐったい、助けてぇ」と甘いラブシーンになりません。「マミイ我慢しなくちゃだめじゃないか」と橋蔵さまに言われ、やっとのことでO.Kが出たようです。そうそう、ひばりさんの背中をかくところで、こんな具合でよいかどうか、一応原作者に聞いてみようか?と、意地悪くひばりさんと橋蔵さまは、「ママ、こんな具合でよろしいでしょうか」とやって見せると、ママは二人の甘い演技を見せつけられ飽きれたように「あなた達の好きなようにやりなさいよ」と言ったそうです◇ お吉「ああいい気持ち」 又之丞のかいてくれるのが気持ちがよいのでうっとりした表情を見せているお吉。その様子を見て、又之丞があきれた?ようにお吉の顔を覗きこみます。 お吉は恥ずかしそうにすると又之丞の胸に、又之丞もお吉を抱き寄せます。 その時、襖が開いて金八が顔を出し、嬉しそうに抱きあっている二人に水を差します。「コケッコウ」 お吉「あら、金八」 金八 「お邪魔様で」 お吉 「何しに来たの、こんな旅先へ。何かよう?」 又之丞は、あきれ返った様子で窓際にいきます。 金八が「いや別に」と言いながらお銚子から酒を注いで飲んでいるところを、「用がないなら、さっさとお帰りよ・・・金八の馬鹿、馬鹿っ」と言って、お吉は又之丞がいる窓際の方へ金八を突き飛ばします。 又之丞のところに飛ばされた金八は「鶏が鳴くのはまだ早い」と又之丞につかれ、金八「コケッコウ」と鳴き、お吉にも突き飛ばされます。邪魔されたお吉は「バカバカバカ」と悔しさいっぱい・・・ここで、夢は終りになったようです。 金八の出現で、にこやかに夢を見ていたお吉が夢の最後でうなされ「バカ」と言い、間を仕切っていた屏風を倒してしまいます。 驚いて飛び起きたのは又之丞と金八です。どうしたのかと、お吉を見ますと何事もないようにすやすやと寝ています。二人は顔を見合わせ、また眠りにつこうとします。 その時、又之丞が殺気を感じます。 覆面をした者達が庭から侵入してきました。 これからどうなるのでしょう・・又之丞が気がついたので大丈夫とは思いますが、相手は大勢です。 続きます。
花笠若衆・・・(6) 2018年08月28日 コメント(5)
花笠若衆・・・(5) 2018年08月25日 コメント(9)
花笠若衆・・・(3) 2018年08月14日
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