テーマ:華麗・大川橋蔵の時代劇(449)
カテゴリ:大川橋蔵 映画 (主演)
今、自由にこの世の中の息を吸っているんだあ
居酒屋に城太郎と伊佐の姿があります。珍しいところで再会をした二人は積もる話で盛り上がり、城太郎が見合いの前にいなくなったことで大騒ぎになっている・・・養子に行けば、勤番になり一緒に仕事ができると張り切っていた城太郎が、どうして逃げたのかと伊佐が聞きます。城太郎が逃げ出した訳を話し始めます。 城太郎「あの晩の前祝い、俺は損をしたぞ。じつはな・・・あの帰り道・・」 と言って、あの日にあったことを話し始めます。(映像はその時の様子が流れます) 長の部屋住み生活ともお別れかと気分よくして伊佐と別れ歩いていた夜道で、突如斬りかかってきたのは有村丈太郎です。有村は城太郎が見合いをする相手の許婚だと言うのです。許嫁のある女と養子縁組をするとは理不尽なと言われ、城太郎は「俺は知らぬことだ」と・・・。聞いていた伊佐が、有村と岩間の娘を一緒にさせるために家出をしたのかと聞いてきますと、 城太郎「冗談いうな、一緒になるがなるまいが、そんなこと俺の知ったこっちゃ ない・・・俺はそうまでしなきゃ、自分を生かす道のない武士の生活がい やになったんだ」 伊佐が「お前ならそうだろうな」と言いますと、 城太郎「俺は今、自由にこの世の中の息を吸っているんだあ」 と大きく両手を広げてみせるのです。 城太郎「その俺のいる料亭へお前が来て酒を飲んでいたとは、皮肉なもんだなあ」 伊佐 「助かったよ」 伊佐がまわりを気にしてから、「実はな」と真面目な表情で城太郎に話し始めます。 琉球から将軍家へ使節が来る、琉球使節と案内役の薩摩藩に怪しい動きがあり、薩摩藩の者達をつけていたといいます。 そして、今ごろは、料亭の板前見習いとして働いていた新吉が旗本本田家の次男坊と身分が分かり料亭では大騒ぎをしているぞ、と伊佐がいいますと、 城太郎「ふーむ、もうあの店にも帰れんな」 伊佐 「本田」 城太郎「うーん」 伊佐 「思い切って、わしの仕事を手伝わんか」 城太郎「伊佐、俺は俺のために働くよ」 伊佐 「こいつ」 そこへ、易者の如仙がやって来ます。「人生五十年にしてますますお盛んなお人だ」と伊佐に紹介します。如仙が「もうおだてには乗らんぞ」と、そこまではよかったがその後がいけない。 城太郎「惜しむらくは時世ををしらん」といったから、伊佐は聞こえなかったような顔をするし、如仙からは「無礼者め」との言葉が飛んできます。 さて、場面は上総屋の座敷になります。 「 えっ、逃げ出した?全くがっかりだわ」とおかんむりのお春に、城太郎は「へえ」としか言えません。惣兵衛は、お侍相手の喧嘩じゃ新吉が言う通り暇を取ったほうが両方キズがつかなくていいんだと、新吉に別のところを世話するといってくれたのです。 城太郎「ありがとうございやす、今度はどんなとこでしょうかね」 楽しみにしている城太郎です。 庭に出ている城太郎のところにお春がやって来ます。 お春 「元気出しなさいよ」 城太郎「元気あるよー」 お春 「あたしもね、よーく考えて見たの。新さんがお店を飛び出してきた原因に ついて」 城太郎「また、お説教かい」 お春 「ううん、やっぱり新さんは板前には向かないわ」 城太郎「じゃ、何がいいんだい」 お春 「それを決めるのはあんたよ」 城太郎「俺は今、何もかもやってみたいんだあ」 お春 「随分欲張りだわね、それでお侍にもなってみたの?」 城太郎「あはっはっは、・・女ってうるさいもんだ」 「うるさい」っていえば、今度行くお店にはとってもやかましい旦那がいるというのです。 お春 「うふふ、新さんはうーんと締めてもらった方がいいのよ」 城太郎「なあに⤴・・こら、生意気・・」 お春「うふふふ、しっかりね」 城太郎「わかってらい」 翌日、城太郎(新吉)は新しい仕事場へ・・海産物問屋松前屋で下男奉公をすることになります。 続きます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年09月25日 01時03分40秒
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