【3】山の中のお医者様へ
困ったことに私の同棲相手Yが倒れてしまいました。2日間,病院で注射だけは打ってもらっていたようですが,どうみてもダメです。これはちゃんとした病院に連れて行ったほうが絶対いいということになり,日曜の朝っぱらから電話。まずは香港在住歴7年の駐在員奥様のHO太さんへ。今年8月の張学友の東京のコンサートの際に知り合った方です。ほんとによかった,張学友のコンサート行って,そして中華ポップスが好きで。だって,この方は蘇永康(大好き!)のファンクラブを運営しているんですもん。「日曜でも絶対見てもらえる病院ってどこです?」「それだったら,ハッピー・バレー近くの港安医院。ここは24時間大丈夫だし,日本語できる医者もいるから。」いろいろ調べた結果,ピークに行く途中にある港安医院しかないかなと思ってたけど,やっぱここか。我が家は九龍側なんで香港島側に行くのは面倒だけど,選んでる場合じゃない!次は通訳。私は北京語も英語もかなり不安。ひとりで病院に連れて行く自信,まったくなし。Yは北京語・英語・台湾語に広東語も少々できるものの,弱っててダメ。こんなときにはずっと仲良くしてた香港人男性のSOさんだ!「朝からごめん,今日ヒマ?」「ヒマだよ~。」「病院行くのに付き合って~!!!」ということで,通訳ゲット。彼は日本に7年いて,つい最近香港へ帰ってきたばかり。私とは6年以上の付き合い。彼が香港へ帰る前に我孫子の実家に招待しといてよかった~。後でSOさん本人から,「朝電話くれてよかったよ。昼だったら,適当に出かけてたかもしれないからさ。」と言われました。朝早くに電話して起こしてしまってごめんよ。ちなみにSOさんは池波正太郎が大好きだし,日本の扇子を持って現れるし,というサイコーの香港人です。そして料理上手。大学時代に彼らの表参道にあった日本語学校の寮に入り浸り,私は広東料理の味をおぼえたのです(作り方はおぼえてない)。さて,病院へ。香港はかなり涼しくなってきているとはいえ,どこも冷房が狂ってるんじゃないかと思うほど効きすぎてます。外は半袖でも,建物内で半袖でいることは一般の日本人だったら不可能です。出かけるときは必ず羽織れるものが必要。病院に行ってひどくなってはいけないとYも私も上着持参。でもSOさんはすでに香港用のカラダに戻ったのか,「半袖でも大丈夫!」だって。あとでよく見たら,この人Tシャツ2枚着てるよ・・・。港安医院ではやはり通訳SOさんが大活躍です。日曜で病院専属の通訳はいません。ま,簡単な日本語ならできるスタッフ多かったけどね。先生も少し日本語できたようです。私は診察のときは『AERA』を読みながら,待合室で待ってました。この病院は日本人対応完璧に近いんじゃないでしょうか。「入院だって」と言いながら,YとSOさんが戻ってきました。2,3日の入院となりそうな感じ。あらららら,入院は予想外だよ。入院手続き開始。VIPルームだと一晩で3000HK$だそうです。Yはベット数一部屋3個の一晩600HK$の部屋。デポジットで10000HK$はカード払い。これは香港のIDを持ってるYの値段。もし私が入院だったら,IDなしなんでデポジットは30000HK$なんですよー。ここは政府系でなく,私立の病院なんです。点滴セットしてくれたのはたぶん中国系,血液検査に来たのはインド系の看護婦さんと,英語堪能な看護婦さんばかり。香港に生活するには広東語と英語が必須だな。かなり憂鬱。それにしても楽しい看護婦さんばかりです。英語から北京語に切り替えてくれる看護婦さんもいて,Yも楽しんでるようです。着物式パジャマ(←看護婦談)の貸し出しあり。食事は別払いで高いものの,いろんなメニューあり。TVがついてるんで,退屈することもないかな。朝日新聞国際版の差し入れも!至れり尽せりなんですね~。私がかわりに入院してあげたいぐらいです。ということで思いもかけず,香港の医療事情がわかってしまいました。私は健康体なので留学先の上海では一度も病院に行かなかったのですが,香港生活は長くなりそうなんでいつどうなるかわかりません。初っ端に貴重な経験ができたかもしれないです。ちなみにSOさんによると,以前香港では診察料とかいまいちはっきりしてなかったらしいんですが,受付のところに「内科はいくらから」なんていう表示がされているので最近は安心だとのこと。しかし,「普通-400HK$,専門-500HK$」などとあるんで,“そりゃ,専門のほうに見てもらったほうがいいじゃん,でもちょっと高くない?どうすればいいんだ!?”なんて私は迷ってしまうぞ。普通と専門にはどんな違いがあるんでしょう!?p.s.Yの病状は,期限切れだしパックによるものではごさいません!疲れと香港のクーラー攻撃によるものです。誤解なきよう。