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昨日の世界揉み合い選手権ではありません
6日土曜に後楽園ホールで行われた 日本スーパーフェザー級タイトルマッチ 王者・三浦隆司(横浜光)vs挑戦者1位・岡田誠一(大橋) 元アマエリート、破格の強打者という共通点を持つふたりの激突 序盤、サウスポー三浦が細かく右ジャブを突いて距離を取りつつ時折良いタイミングで得意の左ストレートが決まる 一方岡田の左右フックもタイミング良く決まる 熱くなって振り回す悪癖のある三浦だが、丁寧に距離を保ち主導権を握る 岡田がバランスを崩す場面が目立ち、三浦ペース しかし中盤偶然のバッティングで三浦が瞼をカット・・流血は酷い キャリア初のカットで焦ったか、視界が塞がれた中での中間距離に危険を感じたか 距離を詰める三浦、しかし接近戦では岡田の距離。フックと得意のボディブローが突き刺さる 「ボフ!ボフ!」とエゲツナイ音がホールに響く 効いてないわけがないはずだが、三浦は手を止めない。岡田のいいパンチのすぐ後に打ち返す 微妙なラウンド・・ここらで採点は割れたと思われる 終盤、岡田の強烈ボディブローの影響か、何度と無くマウスピースを吐き出す三浦。苦しい しかし左右アッパーを決め主導権は渡さない 白熱の打撃戦。しかし、三浦のボディブローが低いと減点1・・ 採点では三浦有利だったがこれで微妙になってきた 最後まで気の抜けない打ち合いが続き終了のゴング。終盤は岡田が取ったか・・ 採点は 96-94(三浦) 96-94(岡田) 96-93(三浦) 2-1で割れたが三浦勝利 『どっちもナイスファイト!!』そんな声が飛び交う実に素晴らしい試合 岡田は今回初めて観たが噂通りの良い選手。ディフェンスに難があるが、大橋会長直伝のボディブローの切れ味は凄い。終盤もパンチのキレが落ちないでスタミナも十分。スロースターター気味な印象だが、改善すれば王座は近い。同僚の細野にも感じたがフッカーで、もう少しストレートを使い距離をコントロールできれば良いように思う。あのパンチの割りにKOが少ない(10勝6KO。あのパンチなら全部KOでも良いように思う)のは噛み合わない相手には手を焼くのかも知れない。今後にも注目 三浦はボクシングの幅を見せ、評価があがるだろう。元々ジャブが良い選手。使い方が上手くなればさらに伸びる。 今回コンパクトなパンチのバリエーションも豊富なのも披露したが、個人的にはここで小さくまとまらずに最大の武器である強打に磨きをかけて、大振りも相手に与える心理的ダメージは大きいので上手く使っていきたい。熱くなって大振りではなく、冷静に大振り。大小、強弱、押し引きが出来るセンスは十分にある。そうすれば綺麗に伸びる左ストレートがより生きてくる様に思う。それがボクシングの「幅」だと思う。 評論家やファンの評価はテクニックを見せた今回の戦い方が受けるだろうが、世界を目指すなら才能を薄く伸ばすより尖らせた方が良い。三浦のパンチはもっと磨けば世界に通用する。 世界を視野に大きく育って欲しい 有望選手の多い横浜光だが、伸び白の多さは三浦が一番あるように思う。まだ未完成。 今回のボクシングと持ち前のボクシングとの融合が進めば楽しみ。 それと、彼の良さは『間』にある。これは教えられるものでは無いし、自分で持ってるか経験で会得していくものだが、パンチとパンチの一瞬の『間』、距離の『間』、空け方詰め方に非凡なセンスを感じる。雑誌等での評価は彼を過小評価している様に感じる。 試合後インタヴューで「矢代選手との経験が生きた」と語ったが、確かにそう思う。以前なら苦しかった9Rあたりでダウンする可能性もあったかも知れない。しかし効いた素振りを見せずに果敢に打ち合ったのは矢代との第1戦での終盤気迫に押されて金星をドローで逃した苦い経験の克服だろう。 苦しかった今回の試合で彼はまた多くを学んだだろう。アスリートではなくボクサー、そう感じさせてくれる最近稀な存在である 素晴らしい試合を魅せてくれたふたりの最大級の賞賛を贈りたい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.02.08 19:35:55
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