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2013年07月23日
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ゆーりっくさんの入院生活 二か月 【その3】

二回目の抗がん剤治療を終えて

からの つづきです。




 7月17日 熱が治まったかな

この何日か毎日出ていた熱が今日は今のところ平熱です。
身体がラク!

昨日は先生が三人!
朝は病棟の担当医の先生が二人。
「少し元気になってきたみたい」
と言われました。

午後は主治医の先生の診察。
胸の腫瘤はさらに小さくなりました。
「厳しくて辛い治療ですが、一つ言えることは良い方向に向かっていること」
と言われました。

今朝は先生から
「声に張りが戻ってきましたね!」
と言われました。

まだ好中球はゼロですが、少しずつ回復しているようです。

20代の私は、熱が一週間近く続くだけでも辛いのに、よくがんばったなぁと思います。
新卒で入った会社では入社翌日から、二年間熱が出ていました。
病院で精密検査を受けても異常なし。
会社を辞める頃は、朝は微熱、夕方から38〜39度の熱の毎日。
それでも負けたくなくて毎日営業に出かけていました。
時代の波にのって結果もついてきて、それなりに面白くもありました。
結局、身体が持たなくて退職。
バカでしたね。
キャリアウーマンの言葉に踊らされていました。

首のカテーテルを抜いたので、今は腕に点滴用のチューブがあります。
3日に一度針を差し替えています。
まだ交換は昨日の一度だけ。
抗生剤の点滴が今日を合わせてあと3日。
うまくいけば、それでチューブが終わりになります。
手首のそばに針が入っているので、ちょっと不便です。チクチクもします。
血球が戻ったら再びカテーテルを入れなくちゃいけないので、今からドキドキ。





 7月18日 栄養士さんの配慮

入院生活も二ヶ月が終わろうとしています。

治療が始まる前は美味しいと思った病院食でしたが、いつの間にか感じ方が変わってしまいました。
薬の点滴をすると口の中は荒れるし、味覚障害も起きます。
においがいつも以上に気になります。
熱が出たり等、身体の具合が悪いと食欲が落ちたり食べたいものが変わってきます。

今までもご飯をおにぎりにしてもらったり、牛乳をジュースに変えてもらったり、朝食を和食にしたり洋食にしたりと工夫してもらってきましたが、もっとリクエストができることがわかりました。

栄養士さんに病院食の相談をしました。

治療が始まって長い間、油やバターで炒めたものが食べられませんでした。
においも味も気持ち悪くなるのです。
揚げ物はオッケーですが、野菜に絡めてあるのはだめ。
禁止にしてもらいました。
澄まし汁もダメ。生臭い。これも禁止に。

通常のメニューは三種類あり、料金追加でチョイスできますが、私はクリーン食なので一つの決まったメニューしかありません。
禁止にしたら品数が減るのかと思ったのですが、そうではなくて他のメニューからクリーンでも可能なものが来るそうです。
例えば、澄まし汁の代わりに味噌汁とかスープとか。

洋食屋さんに出てくるようなものも食べたいとリクエストもしました。
あまり期待はしていないけど、メニューの見直しの時期らしいので意見が反映されるといいな。

いろんな場面で、この病院は患者の気持ちに沿ってくれることを感じます。
食事もここまで相談できるなんて思っていませんでした。
ありがたいです。





 7月19日 昨日嬉しかったこと

熱が出なかったこと。

病院食に変化が見られたこと。

名古屋に住んでいる友達から、お菓子の詰め合わせが届いたこと。

お試しのアイスをもらったこと。
(病気の人向け?亜鉛がとれるアイス)

ホスピタルコンサートに行けたこと。
ダメもとで行ってもいいか聞いたら、血球が上昇傾向だからマスクを三枚重ねして行くようにとのこと。
後で熱が出ないかなとドキドキしましたが、車イスではなく自分の足でホスピタルストリートまで聴きに行きました。

ウクライナ出身のカテリーナさんのコンサート。
ウクライナの民族楽器バンドゥーラを弾きながらの歌。
透き通った美しい歌声でした。
生の音楽はいいわ〜。
残念ながら私はすぐに疲れてしまったので、最後までは聴かずに病室に戻りました。
ふらつくので途中見つけたイスに何度か座りながら。

27、28日の週末に外泊してもいいそうです。
(次の抗がん剤は週明けからスタート)
カテーテルやチューブが身体に入っていない状態で、血球が回復している頃だろうから。
嬉しいのですが、迷っています。

昨日歩いてすごく疲れたので、暑い中を片道二時間かけて自宅に戻る自信がなくなりました。
すごく疲れそうだし、ウィッグなしでは外には出たくないかも。
ケア帽子は病院では違和感ないけど、外ではギョッとされそう。





 7月22 パンフレット作成に関しても矛盾

先月の三者協議会において伝達されたことの一つに、医療機関向けに厚労省の科学研究費補助金を受けている研究班(九州大学医学部)がカネミ油症パンフレットを作成中である、というものがありました。

被害者代表を作成に関わらせて欲しいという要望は無視され、研究班が作成しています。
7月17日にカネミ油症五島市の会事務局長の宿輪敏子さんが厚労省に宛てて要望書を送付されましたが、そのコピーをシェアして下さいました。
被害者は辛い体調を抱えながらも、国、研究班、加害企業等に要望をずっと伝えてきました。
具体的な形で被害者の行動が公けになる機会は多くありませんので、私のブログにコピーを転載させていただきます。
残念ながらフォームはくずれてしまいましたので、文面だけをご覧下さい。
研究班は何の仕事をしているのでしょうか。
厚労省も丸投げですか?
40年以上たっても被害者の健康状態を改善する研究報告はなさそうです。

…………………………………………………

 油症パンフレット作成に関する要望書

厚生労働省医薬食品局食品安全部企画情報課長
井原和人様
             2013年7月17日

カネミ油症五島市の会事務局長 宿輪敏子


井原課長、三者協議ではお疲れ様でした。あの後、私も含め油症被害者の多くは、数日間、体
調不良を起こし、大変でした。「油症患者は、半病人じゃもんなあ。」私の父の口癖です。こんな体で、真の救済を願って必死で闘っていることをご理解ください。

会議の冒頭で、カネミ油症関東連絡会の前島太共同代表は「これだけ多くの要望を今日中に協議し終えるはずがない。そちらが説明したことで私たちが承諾したと思わないで欲しい。」という趣旨の発言をしました。貴省ももちろん承諾しました。今回の三者協議では時間が足りず、何一つ結論が得られなかったので、全ての要望はそのまま存在しています。

この中で、油症の手引き(油症パンフレット)の作成に関しましては、油症対策委員会の中で、古江班長が、「医療機関向けの最新の情報を盛り込んだパンフレットを作成中である」と言われていたので、取り急ぎ再度要望いたします。この件について、カネミ油症被害者10団体は、厚生労働省に次のように要望していました。「医療関係者がカネミ油症の症状などを理解できるよう、医療関係者向けの『油症の手引き』を作成すること。そのために油症治療研究斑内に特別チームをつくり、被害者代表も加えてよりよいものにすること。」

これに対して貴省は、三者協議の中で、「今年度の研究班で、医療従事者向けの啓発資料を作成したり相談員に寄せられるご質問などをまとめる予定と聞いており、出来上がった資料については、医師会等の関係団体や都道府県に情報提供する予定としております。」と、油症研究班の計画を単に伝えるのみので、これを回答としました。つまり、厚生労働省は、「特別チームを作り、被害者代表も加えてよりよいものにして欲しい」という、油症患者の要望をいとも簡単に無視し、要望実現のために何の努力もしてくださいませんでした。

このことは、「カネミ油症支援法(略称)」の付帯決議の前文「政府は、本法の施行及び今後の施策の実施に当たり、カネミ油症患者の要望及び意見に配慮しつつ・・」という条文に違反しています。また、本法の基本理念「カネミ油症患者に関する施策を推進するに当たっては、カネミ油症患者及びその家族の人権が尊重され・・」の条文にも反していると言わざるを得ません。

PCB及びダイオキシン類が人体にどのような症状をもたらすのか最もよく知っているのは、これを食べた被害者自身です。これらの内分泌撹乱作用や酵素誘導作用は、実に奇妙で複雑な症状をもたらします。検査結果には反映されないことも多く、通常の医師には理解されません。また、全国の被害者の症状を聞き取ってきたYSCの健康実態調査は、重視されなければなりません。従って、カネミ油症患者やYSCの意見を聞くことなく、現場に足を運ばない油症研究班によって、一方的に作られたパンフレットを全国の医療機関に配布することは、私たちの要望に著しく反します。これを認めるわけには行きません。このパンフレットは、全国に散在する油症被害者にとって、今後、非常に重要な意味を持つものになります。ですから慎重に作られなければならないのです。

どうぞ、早急に、患者の代表が、医療機関向けの油症パンフレット作りに参加できるようご尽力ください。厚生労働省が、「カネミ油症施策法」の趣旨をご理解くださり、患者の要望を無視することなく、その実現に向けて、積極的に施策を講じていただきますようお願い致します。
なお、進捗状況を今週中にメールにてお知らせいただきますようお願い致します。

宿輪 敏子

……………………………

その後で、宿輪さんの元に厚労省から次の内容の返信が届いたそうです。

……………………………
本日いただきましたご要望につきまして、対応方法について、油症治療研究班と相談したいと考えております。
対応方法が決まり次第改めてご回答させていただきたいと存じますので何卒よろしくお願いいたします。
……………………………

どんな回答が来るでしょうか。





 7月22 血液の回復

今日の血液検査で好中球実数が700、白血球数は1400。
基準値には達していなくても、どちらも500を超えていたので面会可能、常食オッケーになりました。
嬉しいな!

前回はクリーン食から常食に切り替わらなかったけど、その時の担当看護師さんが気づかなかったのかも。

クリーン食はお肉はカチカチ、フルーツは缶詰のみ。
常食はどんなものが食べられるんだろう。
一週間ちょっとだけですが楽しみです。



家


以上、ゆーりっくさんのブログからでした。


ゆーりっくさんの入院生活、二か月

【その1】  二回目の抗がん剤治療を前に

【その2】 二回目の抗がん剤治療、7日間

【その3】 二回目の抗がん剤治療を終えて






【ゆーりっくさんのこと】

ゆーりっくさんの入院生活、一か月

 







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最終更新日  2013年07月23日 10時52分40秒
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