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カテゴリ:詩
いつからだったろう、この見慣れていて、毎日のように通った家に来なくなったのは。
満ちかけた朧月の下、なかなか現れない親友の、その家の前でふと思う。 いつだったか。 なかなか攻略できないゲームをみんなで幼いながら考えた。 雨が降って親に迎えにきてもらった。 家の中を探検したり、二人だけでゲームをしたり。 いつだったのだろう、当たり前じゃなくなったのは。 ランドセルを背負った日ではないだろう。 人を好み、嫌う意味が分かり始めたあたりだろうか。 それともまた、別の日か。 いつなのだろう。 無邪気な心と童心を忘れ始めた日は。 桜舞う日。 買ってもらったばかりのランドセルを背負い、胸を張って紅い絨毯の上を歩いた。 夏はカブトムシをみんなで穫った。 虫を見つけては大はしゃぎだった。 秋はとても涼しかった。 運動場でいろいろ遊んで怪我をした。 勲章を体に刻み付けた。 雪の降る日に外に出て、雪だるまを作った。 とても小さくイビツだけど、一生懸命作った雪だるま。 いつから童心を忘れ、引きこもりがちになったのか。 いつから邪な考えを吐くようになったのか。 知るよしもない事実。 真実は『当たり前を失った日』にある。 今度、今の当たり前を失うのはいつなのか。 誰も知らない真実を、いつか知る真実を、俺は今度も受け止める。 いつかまた、懐かしい日々が一瞬でも蘇る事を信じて・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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