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音楽雑記帳＋　クラシック・ジャズ・吹奏楽

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2007年05月の記事

全29件 (29件中 1-29件目)

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ＧＯＡＬ２！

　ニューカッスルから電撃移籍したサンティアゴ（クノ・ベッカー）は先に移籍していたガバン・ハリス（アレッサンドロ・ニヴォラ）と再び一緒になる。それは恋人ロズ（アンナ・フリエル）との結婚を控えたときでもあり、ロズは仕事と試験のためイギリスに留まる。何週間かに1度スペインに滞在することになるが、移籍に関して相談がなかったことなどから二人の関係に軋みが出てくる。　莫大な契約金を得たサンティは（サンティアゴ）はデザイナーが所有していた寝室が7つもある家を買い、ロズを驚かす。　サンティは最初、サブ組みの試合で調整するが、なかなか試合に出してもらえない。やっと試合に出してもらうが、それはチャンピオンズ・リーグのオリンピアコスとの一戦だった。不調のハリスの交代要員としてだった。しかし、試合に出るたびに得点を上げ、監督は何時スタメンで出すのか上層部から圧力をかけられる。　一方サンティの活躍を知ったスペインに住む母親ロサ（エリザベス・ペーニャ）は、自分の息子エンリケ（ホルヘ・ガルシア・フラド）にサンティは兄だと告げる。メキシコ時代、彼女は父とサンティを捨てたのだった。エンリケは、帰宅するサンティの車の前に急に飛び出して、自分は弟だと告げる。驚くサンティ。　ニューヨークの祖母メルセデス（ミリアム・コロン）にこのことを話すと、祖母はこのことを予想していたと話す。　エンリケは兄が何もしてくれないと不満を漏らすが、母親は住む世界が違うといって会わないようにさせようとする。　ハリスが不調なため、監督サンティを先発させる。しかし、開始早々レッドカードを食らってしまいます。おまけに次の日の試合のための飛行機に乗り遅れ、監督の怒りを買う。借金で家を差し押さえられたハリスはサンティの家に転がり込む。サンティは家のガレージでハリスとボールで遊んでいるとき、転んで自転車にぶつかり、足を捻挫してしまう。サンティはリハビリを余儀なくされる。　ある日、バーにいると、同僚から「お前から変な電話が来る。これで3回目だと。」いわれ携帯の画面を見て、車に置いた自分の携帯からの連絡だということに気が付く。車に急行すると、急発進した車が逃げていくのを目撃する。あわててタクシーにのり、後を追いかける。エンリケの運転しているランボルギーニは、スピードの出しすぎでクラッシュしてしまう。　それを目撃したカメラマンは写真をとり、彼らの後をつける。病院にエンリケを運んだサンティは、連絡を受けた母親を目撃しますが、言葉は交わさない。そこに、件のカメラマンが現れ写真を撮るために、激高したサンティはカメラマンを殴ってしまう。このためサンティは牢屋に入れられてしまいます。　監督は、この件でクリスマスも大晦日も家に帰るなと命じる。自虐的になったサンティは大晦日のパーティで前から自分の番組に出て欲しいといわれていた女性キャスタージョルダナ（レオノア・ヴァレラ）とキスをしてしまう。ところが、この現場を写真に取られ、掲載された雑誌をロズの同僚に見つけられてしまう。ロズとの仲はますます離れていく。。。■ストーリー的にはあリきたり　前回と同じようなパターンです。家族と恋人との関係、そこに起こる出来事、パーティ、試合が主な内容のため、あまり新鮮味がありません。特に、ハリスとの遊興の場面はワンパターン化して、またかと思ってしまいます。これだと、サッカー選手は、サッカー以外は酒ばっかり飲んでいるという印象を持つ子供が増えそうで、あまりよろしくないです。　今回登場した義理の弟と母親の描写もあまりよく描けているとは思えません。大体、小さな子供がランボルギーニを運転するなんて考えられません。母親との邂逅にしてもあまり盛り上がりません。そもそも会うなといっておきながら、店にサンティが来るとすぐあって事情を話すというのも安直すぎます。　試合の場面では、サンティが苦しむ場面が少なく、すんなりと活躍するので、あまり面白くありません。それに、ＣＬL決勝での活躍にもあまりわくわくしませんでした。■エンリケがうまい　エンリケがサッカーをする場面がたびたび出てきます。とてもうまいです。それに、サンティがベッカムやラウル等と遊ぶ場面も吹き替えなしの様に見えます。彼も相当うまいです。　本当の選手たちはほとんどせりふがありませんが、ベッカムが慣れた感じで出番が多く、ＣＬの決勝でも活躍します。ジダンは何か鈍い大男の様に見えたのは幻滅。ロナウドはロッカールームでは姿が見えますが、試合では全く姿を現しません。■賞味期限切れ？？　レアル・マドリーのピッチが何面もある豪華な施設や、スペインのサポーターの熱狂的な応援などドラマよりはそちらのほうに目を見張りました。　レアル・マドリーの選手達は今となっては、賞味期限が切れそうか、既にいなくなった選手もいて、気の抜けたビールのような感じになっていました。これが昨年の秋に上演されていたらまた違っていたんでしょうけれども。。。　それに、ちょろっと日本でのシーンもありましたが、わざわざ入れるほどのものでもないと思います。制作費の無駄使いとみました。■次回作もあります？？　エンドロール後、次作の予告が出ます。ドイツＷ杯の模様を描いた物ですが、どうなることやら。今回の入り次第でぽしゃる可能性もないとはいえない感じです。公式サイト

2007年05月31日

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出会い系サイトのメールに学べ

　船井総研のビジネス人財道場黒帯への道VOL.283に小平勝也氏がとても面白いことを書いていましたのでご紹介いたします。要するに出会い系サイトのメールに学べという大胆な意見です。でも、中身を読むとなるほどと頷く内容です。（引用開始）■エモーショナル・マーケティングは出会い系に学べ！？（）　エモーショナル・マーケティングとは、潜在顧客のエモーション（感情）を知り、相手の反応を誘発させるマーケティング手法のことです。簡単に言うと、「買って下さい」「入会して下さい」とアプローチするのではなく、「買いたい！」「入会したい！」とお客様に自ら手を上げてもらうようにしかけていくことです。　　では、「出会い系」の何が最先端か・・・。（１）高い個別性　誰かれ構わず送っているのではなく、「あなたに送っていますよ」と感じさせる、個別性のあるメッセージ。　（２）エモーショナルな内容　誰もが思う恋愛の悩みへの、相談＆解決型などの情報を送ってくる。隣で見ていた某女性社員は、読みながら、「これ見たい！クリックしていいですか？」と３回ぐらい言っていました。（３）３段階くらいの、ステップアップ型である　最初は空メール送信、続いてアンケートへの回答、そこまでやって、やっと出会い系のお誘い画面が登場する。要は、早い段階で「なんだ出会い系じゃん」と逃げられないようにしているのです。●最新版の例です

2007年05月30日

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盗撮防止法成立

ＣＮＥＴ－ＪＡＰＡＮに５月２５に付けで盗撮防止法が成立したという記事が載っていました。（以下引用）　参議院で、映画の盗撮の防止に関する法律案」が本会議で可決、成立した。同法案は、映画館などで盗撮された動画や音声が海賊版DVDとして違法に販売されたり、ネット上で配布されるのを防止するのを目的に発案されたもの。　　これまで、映画館での盗撮をめぐっては、著作権法の定める“私的使用目的”にあたり、盗撮行為そのものを取り締まることができなかった。　これを受け、自民党の「コンテンツ産業振興議員連盟」が同法の素案を作成し、5月9日に議員立法として衆議院経済産業委員長から今国会に提出した。　成立した法案では、上映開始から8カ月以内の映画を盗撮した場合には、10年以下の懲役や1000万円以下の罰金を科すことを規定している。　（引用終わり）　　映画を見るといつも海賊版撲滅運動の広告？を見ていたので、盗撮防止法が成立したことは誠に喜ばしいことだと思います。しかし、今まで映画館で撮影しても罪にならないとは知りませんでした。とすると、海賊版撲滅キャンペーンで「そういう行為をしている人を見たら係員にお知らせ下さい」と呼びかけていたのは一体何だったんでしょうか。　　もしそういう行為をして係員に取り押さえられても、罪にはならないのでそのまま放置するしかなかったのではないでしょうか。逆に、訴えられたかもしれませんね。　　そういう変な状況が無くなることだけでも良いことだと思います。しかしそれを今まで放置していた政治家の怠慢は非難を免れることは出来ないでしょう。　　今回の内容だと上映から８ヶ月以上たった映画では撮影はＯＫということになり、これも悪用する余地を残していて問題だと思います。映画館で上映中の映画を盗撮した場合には罪になるというように何故できなかったんでしょうか。理由を知りたいところです。この甘い表記が将来に禍根を残さなければ良いんですが。。。

2007年05月29日

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しゃべれども　しゃべれども

　少し気になっていた映画ではありました。でも、キャストを見て聞くかどうか迷っていました。金曜日の新聞に好意的な批評が載っていたので見に行きました。結果は大正解。素晴らしい傑作でした。　映画で説明されていましたが、噺家は東京で４５０人、大阪をあわせると６００人だそうです。東京の寄席はたったの４軒しかなく、なかなかまともに食うことは難しいようです。それでも噺家志望は減らないそうです。それだけ魅力があるんでしょうね。　この映画は、二つ目の落語家今昔亭三つ葉（国分太一）がひょんなことから始めた落語教室に集う学校でいじめられている少年村林優（森永悠希）、無愛想で無口な若い女性十河五月（香里奈）、毒舌なのに放送になるとからっきしだめな元プロ野球選手湯河原太一（松里豊）、そして周りの人達が織りなすドラマです。■あらすじ　うだつの上がらない三つ葉。祖母が主催している茶道教室に通っている実川郁子（占部房子）の姉が大阪からやってきて、その子供松林優が学校でいじめられているという。理由は大阪弁を話すからです。この大阪弁を直すために、落語を習わせたいというのです。　一方、師匠今昔亭小三文（伊東四朗）のお供をしてカルチャーセンターの「話し方教室」に行った三つ葉。話の途中に中座した若い女性十河を追いかけていって、何故中座するのかを問うのでした。そこで言い合いになりますが、言葉の弾みで次の休みに落語をやるから見に来いと言ってしまいます。　その落語の日。舞台に出ていった三つ葉は十河が最前列にいるのを発見してすっかり上がり、枕をすっ飛ばし、さんざんな出来となってしまいます。　　そんなこんなで、村林と十河に自宅で稽古を付けることになった三つ葉。彼らに「まんじゅうこわい」を教えることにした。十河は記憶力が抜群で、落語をすぐ覚えてしまう。　　落語教室があることを伝え聞いた元プロ野球選手で今は兄の焼鳥屋の手伝いと、野球の解説をしている湯河原が三つ葉の家にやってくる。湯河原の解説はどうにもならないほど酷く、それをなやんで尋ねて来たのだった。　　サングラスとマスクの出で立ちの湯河原を見た村林は、すぐ湯河原であることを見破ってしまう。村林は大の阪神ファンで、湯河原は阪神に在籍していたことがあるのだ。そして、彼の解説ぶりをぼろくそにけなしてしまう。始めたばっかりなのに、前途に暗雲が漂い始める。。。　■森永悠希の演技が素晴らしい　村林役の森永悠希の演技が実に素晴らしいです。とても生き生きとした演技ですし、大阪弁の台詞も立て板に水のごとく流ちょうです。この子が登場すると、場がぱっと明るくなるのをみていると、希有な才能を感じさせます。将来がとても楽しみです。「まんじゅうこわい」もとても上手かったと思います。　　十河役の香里奈は無愛想なところは地でしょうか。「オーラの泉」に出たときも、無愛想でしたから、間違いのないところかと思います。三つ葉との出会いから、次第に心を通わせていく辺りの演技はなかなか良かったと思います。それに笑顔も印象的でしたね。「火焔太鼓」も良かったです。　　松里豊も湯河原のぶっきらぼうなところを表現していたと思います。　　国分の演技はとても上手かったと思います。落語も最初の頃のうだつの上がらない状態でのぶっきらぼうな落語と、一門会での「火焔太鼓」の見事な出来とのコントラストの付け方は見事でした。　　脇を固める役者の芸達者を揃えていました。師匠役の伊東四朗の落語もちょっと堅いところはありましたが、なかなか上手かったですね。また、三つ葉の祖母役の八千草薫がいい味だしていました。家事をしながら「まんじゅうこわい」をしゃべるところは笑ってしまいます。　■丹念な下町の描写が印象的　時折出てくる都電が、その場所がどこであるかを暗示していて、なかなか凝った表現だと思いました。寄席の楽屋や、舞台裏の丹念な描写、浅草の「ほおずき市」などの描写もとても味わい深く、この映画に落ち着きと厚みを与えていたと思います。映像的には三つ葉が一門会で「火焔太鼓」を演ずる前の、光と影のコントラストの強い深みのあるショットが印象的でした。　　ということで、大変面白く、落語の楽しさ、浅草あたりの人情の機微を味わえるとても良い映画だと思います。多くの方々に是非ご覧になっていただきたい素晴らしい映画です。公式サイト

2007年05月28日

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花巻北高校吹奏楽部第４３回定期演奏会

　ほぼ満員の盛況で、開演１０分前に到着しましたが前の方しか空いておらず、やむなく前列５番目くらいのところでの鑑賞となりました。１部にオリジナル、編曲、２部でアンサンブル、３部でポップスでした。この高校は、近年演奏力がアップしてきています。しかし、個人の力量が十分でなく、ソロになると貧弱な音色にガッカリという場面が多く聞かれました。今年は、個人の力量という面では確実に向上が見られた思います。しかし、上の大会へ進むためにはさらなる演奏力の向上が望まれると思いました。　第一部の聞き物は三善晃の交響３章の最終楽章と伊福部昭の「シンフォニア・タプカーラ」第３楽章の２曲。　この高校では「交響３章」のような、シリアスな音楽は体質的に向かないと思っていました。指揮者（大槻先生）の好みなんでしょうが、なかなかそれらしく鳴っていたと思います。ただ打楽器の音量が少し大きくバランスが乱れていたと思います。それに打楽器の音色が汚いように感じられました。　個人的には、緊迫感が殆ど感じられなかったのが残念です。それに、音の出ない間をもう少し丁寧に扱えばずっと良い演奏になると思います。コンクールまでにどのくらい磨きが掛かるか楽しみな演奏だったと思います。　「シンフォニア・タプカーラ」は比較的響きが整理されていた演奏だったと思います。ソロ楽器の受け渡しはスムーズで、オーボエやソプラノサックスの音色も美しかったと思います。　　この曲を聞くといつもホルンの高い音のソロが気になります。今回は、途中破綻しかけたのですが、何とか立て直していました。すこし冷や冷やものでしたね。（＾＾；　　最後の畳み込むような迫力はあまりなく、物足りませんでした。リズムをもう少し強調しても良かったかなと思います。土俗的な側面はあまり感じられない演奏だったと思います。　　その他、プッチーニの歌劇「トゥーランドット」からの接続曲と今年の課題曲２曲が演奏されました。課題曲はまったくつまらなかったです。　２部はアンサンブル。フルート４重奏、サックスにユーフォニュームを加えた７重奏、それにクラリネット３重奏の３曲。　　この中では、７重奏によるピアソラの「ブエノスアイレスの四季」から「春」が面白かったです。ピアソラ特有の激しいパッションのほとばしりと叙情的な旋律の対比がなかなか良く、ピアソラを聞いたという気にさせてくれました。　　　三浦真理の「思い出は銀の笛」もキュートでスピーディーな進行が楽しかったです。速いテンポのため、フレーズの終わりがきちんと処理されていなかったのが惜しまれます。　　　　クラリネット３重奏は安定した演奏ぶりだったと思います。さらに表現を考えれば、もっと良くなると思いました。　　第３部も楽しかったですね。女性２人組の調子の良い司会と何回か出てくる１年生の踊りが楽しかったです。とくに、「ちびまるえ」とその仲間のコントは笑えました。　　部員の編曲による楽器紹介もいつもながら面白いものでした。また、すべての曲で生徒が指揮をしていましたが、生硬な表現もなくそれなりに楽しめたと思います。　　アンコールはＪ－ＰＯＰ風の軽快な曲とスパニッシュムード溢れる曲。　　スパニッシュムードの曲は、冒頭のサックスアンサンブルが美しいです。曲の旋律も哀愁を感じさせとても心地よかったです。何の曲か分かりませんが、一変に好きになってしまいました。　中間部でのオーボエ・ソロとそれにもう一本のオーボエが加わっての２重奏もとても素晴らしかったですね。それにトランペットによるハイノートもなかなか頑張っていたと思います。最後の曲にしてはまだ余裕があり、この面でも改善が見られていたように感じました。　　　いつも思うのですが、ソロの時に立つのは長いフレーズだけにしてもらえないものですかね。あんまり短いとなんか聞いているほうが気恥ずかしくなってしまいます。花巻北高校吹奏楽部第４３回定期演奏会第１部　高木登古：マーチ「ブルースカイ」　プッチーニ（佐藤学編）：歌劇「トゥーランドット」より　　　「わたしの勝利が」　　「誰も寝てはならぬ」　　「砥石よ回れ！」　　「第１幕の終曲」　南俊男：憧れの街　三善晃（小澤俊郎編）：「交響三章」より第３楽章　伊福部昭（松本敏晃編）：「シンフォニア・タプカーラ」より第３楽章第２部　三浦真理：思い出は銀の笛　　ピアソラ：「ブエノスアイレスの春」　Ｍ・ポート：「テルツェット」よりll、lll第３部　Music Gift　pretty woman 　楽器紹介　ジャパニーズ・グラフィティＸ　踊るポンポコリン　オレンジ　サザンサザンサザンアンコール　２曲　曲名不詳指揮：大槻英樹（第１部）　　　佐藤尚（アンコール）2007.5.26　花巻市文化会館大ホール

2007年05月27日

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大村あつし　「エブリ　リトル　シング」

　大村あつし氏と言えば、テクニカル・ライターとして名をはせた方です。私もＶＢ、Ｅｘｃｅｌなどで氏のサイトを何度か利用させていただいたことがあります。氏はご自身のサイトで小説なども発表していたそうです。　一言で言うと青春小説の類ですが、絵本的な要素（クワガタと少年）もあり、なかなか爽やかな連作小説です。プロットが巧みで、個々のエピソードが脈絡無く並んでいると思うと最後にそれらが繋がっていることが分かります。個人的には、海老沢泰久の小説を読んでいるような爽やかさを感じました。とても処女作とは思えない巧みさで、さすがに長年小説を書いてきた経験がモノをいっていると思います。　文章は平易で内容がわかりやすく、子供でも読めると思います。　　この連作小説は６つの短編から構成されています。最初は「クワガタと少年」。右足を交通事故で失った少年が、クワガタを買いにデパートの昆虫売り場にやってきます。そこには他のクワガタが３０００円するのにその十分の一３００円で売られている２匹のクワガタがいました。そこで立ち止まっていた少年に店員はちゃんとしたクワガタの所に連れて行こうとします。ところが少年は転んでしまいます。転んだときに「かきーん」という金属音がしたので、店員が何の音か少年に聞くと、少年は、事故で義足になったことを説明します。　　少年は何故そのクワガタが良いかを説明します。その理由はその２匹のクワガタには足が５本しかないからなのです。人気がないと店員が言うと、少年は学校では人気者で、学級委員をしていると答えます。しかし、少年は敢えてその２匹のうちの２匹を買い求めます。お金がないのではなくそのクワガタが気に入ったからです。いぶかしがる店員に少年は説明します。少年の足を通分すると３／６、クワガタは５／６でクワガタのほうが多いと言います。　　店員は少年の話に感激して、７００円の餌をおまけします。そして、残った５本足のクワガタの値段を３０００円に戻します。　　次のお話は、この店員を父親に持つ星野菜々美という少女の物語。数年前に母親を亡くした菜々美は、ペットショップに勤める父と二人暮らしです。父はデパートの昆虫売り場での仕事を終えた後、力仕事をして、帰宅するのはいつも深夜です。お弁当の日に菜々美と仲良しの亜紀がご飯を食べているところに先生（純也）が来て一緒に食べようとするが、菜々美は弁当を開けない。先生が尋ねると「お腹が痛い」と言って食べるのを止めてしまう。このことで先生はあることを思いついて次の日に実行する。　　早めに家を出た先生はコンビニの近くの路地を覗き込んでいると、菜々美がコンビニの弁当を弁当箱に移し替えている現場を目撃。菜々美と先生は喫茶店に入る。そこで先生はコンビニ弁当は恥ずかしくないという。そして、白い紙の真ん中にぽつんと黒い丸を描いた。黒い丸が存在するのは周りが白いから。つまり世の中には一人として同じ人間はいないということを教えたかったのだ。　　次は「アフター・ザ・ブロム」とある高校の夏休みの登校日の前日に行われるダンス・パーティでの出来事。目立たないため「地味子」と呼ばれている京香と「ベンチウォーマー」と呼ばれている野球部員、清明の「ブロム」での出来事を通して生まれた清純な恋を描いています。　４つ目は「ハーティー」という名前のワイン＆カクテルバーでバーテンダーをしている大学生の玲奈とそこの常連銀行マンの伸介の恋を描いた「彼女はいつもハーティーに」。伸介は映画「Breakfast at Hearty's」が好きで、ここを偶然通りかかった時主人公のレイチェルのような女性が働いていないかと思って入ったのだった。次は「ビジネスカード」。アメリカの大学を卒業した星野菜々美は広告代理店に勤めている。島田部長が投げ出したタッチリンクとの契約を見事に纏め、マネージャー昇格かと思いきや、何故か同僚の道塚がマネージャーに。島田部長は菜々美を推薦するという約束を反故にし、道塚を推薦したのだった。彼女の狙いはイケ面の道塚と男女の関係を結ぶことにあった。菜々美は会社を辞め、英会話学校を設立することを決心する。それを聞いた道塚はある行動に出る。。。最後は「ボクは薬指」。これは先生（純也）が娘に読み聞かせている絵本の話。それに「クワガタと少年」に登場した少年と菜々美の関係と、純也と「ハーティー」で登場した玲奈との関係が明かされます。最後に見事に締めくくられたとても上手い構成がなかなか洒落ています。この中では「クワガタと少年」の心温まる話に惹かれました。大村あつし氏のブログこのサイトでは「ドラゴンボールのベジータ（堀川りょうさん）が「クワガタと少年」を朗読しています。是非お聞き下さい。

2007年05月26日

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空白の１ヶ月

専大北上高校の不祥事に端を発した特待生問題。専大北上高校の高野連への再加盟でひとまず収束しようとしています。特待生制度で揺れた学校も来月からは元通り野球が出来ることになりそうです。結局この騒ぎは一体何だったんでしょうね。個人的には高野連の馬鹿さ加減が明らかになっただけに過ぎなかったと思っていました。　ところがこの５月の謹慎がいろいろな波紋を呼んでいるようです。この問題について今週出た「ナンバー」に渡辺勘郎氏が寄稿しています。　ある学校では経済的に恵まれない生徒を対象とした特待生制度を使っていいますが、その詳細は学校と親しか知らないそうです。ところが、特待生を外すと、特待生が誰であるか分かってしまいます。その中には野球があまり上手くない生徒もいるため、それが明らかになると生徒達だけでなく親まで巻き込んだ騒ぎになり信頼関係が崩れてしまう。これを恐れた監督は全部の練習試合をキャンセルせざるを得なかったそうです。　この時期に行われる春の大会や練習試合では、秋の新メンバー結成時には漏れていたメンバーが冬の練習でどれほど延びているかをテストする大事な時期です。特にレギュラーでない３年生にとってとても重要です。ところが、この機会を奪われるということは、もう高校ではレギュラーになれないようなものです。　まったく、頭に来ます。犠牲になった生徒たちに心からの同情を禁じ得ません。これらの出来事を見るにつけ、高野連のでたらめぶりに怒りを覚えます。「子供にも責任がある」なんて、本当によく言えたものだと思います。思慮が足りないというか、野球のことも知らない人間の集まりだったみたいですね高野連は。。。

2007年05月25日

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白鵬の八百長相撲

　今週の週刊現代に白鵬の八百長相撲について武田頼政氏が寄稿しています。それによると、白鵬が初優勝した昨年の名古屋場所で宮城野親方が勝負を金で買ったという事です。　情報源は宮城野親方が現役（金親）時代から交際している小川直子氏がホテルで会ったとき９時間録音していたテープを武田氏に提供。それを元にした寄稿です。宮城野親方は小川氏と結構するところだったのに何故か宮城野親方が角界の関係の女性と結婚して裏切られ、最近は自宅に監視カメラまでつけられて、携帯電話で監視されていたといいます。そのため、小川氏はいつも会話を録音するようにしていたとか。多分嫌気がさしてテープを提供したと推測されます。　それによると昨年の名古屋場所、優勝のかかった千秋楽、朝青龍に３００万円払って勝負を買ったそうです。その時付けられた条件は、背中に砂がつくのはだめ、投げもだめというものです。結局寄り倒しで白鵬が勝ちました。しかし横綱への昇進は見送られました。原因として朝青龍の負け方が下手だった（おまけに笑っていた）ため印象が悪かったようです。何しろ注射（負けてもらう方）を頼むばっかりで、負けること慣れていないものですから。。。因みに印象が良いのは「投げ」だそうです。　その時は、栃東を除く３大関にも一人頭２００万円で八百長をお願いしていたそうです、３大関とは、琴欧州、千代大海、魁皇の３人です。彼らは慣れているので、よく飛んでくれたそうです。とくに魁皇は上手かったようです。ただ、千代大海と魁皇は少し突っ張らせろと言って断られたとか。お金は、場所後の巡業で払ったそうです。　今場所後、白鵬の昇進は決まっていて、八百長の手はずも整っているとか。宮城野親方は白鵬に、「（手はずが整っているのだから）あとはしっかりやれ」とハッパをかけているそうです。　いやはや、こんなテープが出てしまっては相撲協会も申し開きが出来ません。北の湖理事長の記者会見でも「コメントは控える」とか言うし、宮城野親方も白鵬も黙りを決め込んでいます。何しろ物的証拠があるので、どうしようもないのかもしれません。今後どのような経過を辿るか見物です。願わくは、証拠隠滅を図るために、関係者の殺害や証拠の隠滅がされないように、警戒をした方がいいと思います。

2007年05月24日

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今宵フィッツジェラルド劇場で

　ロバート・アルトマン監督の遺作となった群衆劇です。原題は「A Prairie Home Companion」というラジオ番組の名前です。かなり期待して見に行ったのですが、それほど感銘は受けませんでした。評判の映画ですので、お客さんは結構入っていたのはとても良いことだったのですが。。。■あらすじ　毎週「プレーリー・ホーム・コンパニオン」というラジオ番組の生中継があるフィッツジェラルド劇場。この番組を中継しているＷＬＴが買収されたため、フィッツジェラルド劇場は今夜が最後の日。出演者がぞくぞくと集まって来ます。若い人は皆無で中年から老人が主な出演者です。　　そこに、白いトレンチコートを着たブロンド美人が現れます。その人物が誰であるか分かりません。　　いよいよ、放送が開始され、何組かの出演者が出番をこなしていきます。ここはカントリーのメッカのようです。しかし、リスナーは５００人程度しかいないため、放送がうち切られるだけでなく、劇場も取り壊されて駐車場になってしまう運命が待っています。　司会者のギャリソン・キラー（本人）はジョンソン・ファミリーの妹ヨランダから今日で終わりだということを言えと言われても言い出せないまま、ショーはとくに盛り上がることもなくたんたんと過ぎていきます。ところが、出番を終えたチャックの様子が変。。。■ショーの様子が生き生きと描かれている　バックステージの様子がとても楽しく、生放送のハプニングなども交えて、生き生きとした様子が描かれていたと思います。さすがに長年この劇場で司会を務めている方（ギャリソン・キーラー）の実体験に裏打ちされた脚本であることを感じました。　　それから、司会者や出演者がコマーシャルをやったり、歌まで歌ってしまう場面も楽しいですね。これは実際の舞台でも行われていることなんでしょうか。行われているとしたら結構面白そうです。でも、スポンサーの名前が何かちょっと変な名前だったりして、名前だけは少なくとも実在の会社ではないようです。その中では××テープという補修などに使うテープの宣伝、次から次へとアドリブを交えて発展していくお話、がとてもお面白かったです。　■芸達者を揃えた大人の映画　芸達者が揃っていて、キャストの人物になりきっています。それが映画に落ち着きとゆとりを与えていると思います。　　主演のメリル・ストリープ（ヨランダ）の歌が上手くてビックリ。カントリーに完全にフィットしているとは言えませんが、かなりの出来だったと思います。　　姉のロンダを演ずるリリー・トムリンの歌のうまさと演技のうまさが光っていました。個人的にはこの映画最高の演技だったと思います。　　ショーの保安官ガイ・ノワールを演ずるケビン・クラインはさすがの演技でした。最初トレーラーで食事を済ませて出てくるシーンはバックのジャズと共にこれから素敵なお話が始まるようでとてもかっこよかったです。　　デンジャラス・ウーマン（死の天使）役のヴァージニア・マドセンの意表をついたールな佇まいも良かったです。この役大変難しいと思いますが感情を抑えた演技がかえってリアリティを生み出していると思います。この存在が映画にアクセントを与える効果がありました。　　ステージ・マネージャー助手のモリー役のマヤ・ルドルフのちょっととぼけた味もなかなか良かったです。特に子供が産まれそうだと言ってみんなを混乱に陥れる場面は傑作でした。　トミー・リー・ジョーンズの首切り役人は特徴があまりはっきりしていなくて、印象が薄かったです。最後もあっけないですし。。。　　ヨランダが架空の話を次々するときに出てくるゴリラ、犬、ヘリコプター、電動鋸などの物まねをする老人が笑えました。それにしても上手いもんです。ヘリコプターの音はどうやって出すんしょう。■本人の演技と歌が素晴らしい　　本名で出演された方々も大勢います。司会者のギャリソン・キーラー、この方はミネソタ州セントポールのフィッツジェラルド劇場！を本拠にしています。ジェアリン・スティールのゴスペルは貫禄十分でした。それにロビン＆リンダ・ウィリアムスのブルーグラスも楽しかったですね。リチャード・ドヴォスキをリーダーとするバンドも勿論本職です。　　このようにカントリー、ブルーグラス、ゴスペル、ウエスタンと一見節操のない組み合わせがごった煮のように登場する番組ですが、何か、アメリカ南部の人々の心のルーツを垣間見たような気がしました。　なお、「A Prairie Home Companion」は実在するラジオ番組で今も放送されています。また、私立探偵ガイ・ノワールやカウボーイのダスティ&レフティが主人公のドラマ劇が番組内で放送されている。■後味の良い映画　数年後にメンバーが集まる場面もなかなか洒落ていました。殆ど日常の出来事だけの映画でしたが、人物が生き生きと描かれていて、ユーモアもあり気持ちよく見ることのできる映画でした。何かほのぼのとした気持ちになって映画館を後にしました。　実在するフィッツジェラルド劇場　A Prairie Home CompanionのHP　現在も放送中です。　公式サイト

2007年05月23日

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好事魔多し

今日、仕事で基板に部品を半田付けする事になりました。家では時々電気製品が故障したときにコードなどの半田付けは一年に１回くらいはやってきましたが、本格的にやるのは約１０年ぶりくらいです。　最初は勝手が分からずなかなか進みませんでした。何しろ抵抗のカラーコード（色で抵抗値を表した物です）さえすっかり忘れていて、ネットで調べる始末。おまけにＬＥＤの極性も忘れていました。　徐々に、昔のやり方を思い出しながら進めていきましたが、何しろ明日までに完成させなければなりません。久々に残業を敢行しました。ところが、半田ブリッジ（端子同士がくっついてしまうこと）をとろうと、半田吸い取り（銅をメッシュ状に平に織った物）を使っていて、半田が左目に入ってしまいました。　暫く目が開けられなくて、涙が出てくるのを待っていました。そのうち半田の固まりが落ちてきました。直径１センチの半円のような形状をした固まりです。目を洗おうとトイレに行き鏡を見たら、何と黒目が円形に白くなっているではないですか。すっかりやけどしたようでした。　総務から眼科に連絡してもらい、眼科の診断を受けました。おきまりの視力などを検査した後、やっと先生の診断。焼けていますねと言って見せてくれた写真には、先ほど見た半田の形状そっくりのやけどが目薬？に染まって緑色になって現れていました。　軟膏を塗って、点眼薬を２種類もらいました。３，４日で治ると言われたので一安心。そのまま会社に戻り、仕事を続けました。やはり、影響があり、つらくなって途中で止めました。　帰宅後すぐ冷やして何とか少し良くなりましたが、結構つらいので、用意していた題材は止めて、これを書いています。忙しいときに限ってこんな事になるなんて、全く運がありません。半田の空気式の半田吸い取りを使いたかったのですが、それを探すことをしなかったことが、このようなことを招いてしまった原因と思います。頭の中では、考えていたのですが実行に移さなかったことが悔やまれます。　それにしても、半田を吸い取っていて、半田が飛散する確率と目に入る確率を考えるととても小さい確率だと思います。それが当たってしまって本当に痛い経験になってしまいました。　ということで、目を開けているのがつらいので、今日はこれでお終い。寝ます。

2007年05月21日

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キーピング・スコア　「春の祭典」

　マイケル・ティルソン・トーマス（ＭＴＴ）とサンフランシスコ交響楽団による「キーピング・スコア」のシリーズの１枚。ストラビンスキーと師リムスキー＝コルサコフ、ディアギレフとの関わり合いと「春の祭典」初演の模様などを綴ったドキュメンタリー、「火の鳥」の原典版からの最後の場面、それに「春の祭典」のコンサート・ライブから構成されています。ドキュメンタリーではサンクトペテルスブルクの帝国劇場の内部やアーカイブ、「春の祭典」初演のパリのシャンゼリゼ劇場のロケなどがふんだんに、盛り込まれたかなり贅沢な仕上がりになっています。　日本語字幕はありませんが、英語の字幕があるため助かりました。それにしても、最近は中文の字幕もあるというのに、日本語がないということが多く、現在の政治・経済界での勢力を表しているようで、あまり面白くありません。実際の購買力から言えば、中文では無く日本語を入れるべきだと思います。　　曲のアナリーゼと曲の誕生した背景、演奏者の意見、が初演時の様子を交えて繰り広げられます。とくに初演時の混乱した様子が語られているところは楽しかったですね。知っていたつもりの事柄の中にも初めて知った事もあり、とても興味深かったです。■丁寧な解説で曲の成り立ちと背景がよく分かる　ペテルスブルクの様子、例えば上流階級の人達はフランス語を話していたとか、ストラヴィンスキーの父フョードルは帝国劇場の「basso profundo」（低く深い響きを声質とするバス」）で、リムスキーコルサコフの歌劇「ムラダ」ではムスティウォイ王を演じていることと。帝国劇場のアーカイブに彼が初演時に着ていた衣装をＭＴＴが紹介してくれたりと、実に詳しい説明がなされています。ペテルスブルクの美しい風景がとても印象的でした。ロケの映像のバックでも充実した響きが聞かれます。これも多分ＳＦＳが演奏していると思います。■初演時の様子がビビッドに伝わってくる　初演の時ストラビンスキーが客席で聴いていて、聴衆が騒ぎ出し、いたたまれず舞台裏に行きます。ところが、舞台裏では騒ぎのためにダンサーには音が聞こえなくなっていて、踊りも混乱してしまっています。そのとき、振り付けのニジンスキーが梯子に乗って大きなラケットを振り回しながら、ロシア語で１９，２０、２１と大声で統制をとったそうです。ここいらへんの話はその場にいるような臨場感が味わえました。ニジンスキーが梯子から落ちないように、ストラビンスキーが彼の服の裾を必至になって握っていたというのも愉快なエピソードです。　初演時のエピソードも面白いです。冒頭のバスーンの音は何の楽器か分かりませんでした。そのうち誰かがバスーンの音だと言ったのを聞いたサン＝サーンスは、これがバスーンなら私はヒヒ(baboon)だと言ったというのです。この状況から考えて、プレミエを見た観客が上流階級の方たちであったための騒ぎであることがよく分かります。これが普通の市民が対象であったならば、こんな騒ぎにはならなかったのではないでしょうか。　■演奏者のコメントが面白い　このＤＶＤで特徴的なのは、指揮者の解説だけでなく、演奏者のインタビューが多く含まれていて、それがなかなか思いもかけないユニークな意見が聞かれとても面白い聞き物でした。　　全体的な印象を表して、「洗練されているけれど野蛮」、「以前の作品と比べると粗野」、「原始的だけれどアーシーだ」、「巨大でワイルドなパーティ」、「刺激的」、「セクシーだ」、「大量のロックンロールだ」、など中にはユニークな意見もありました。　第１部最初のアルトフルートがアラビア風のスケールを奏しているときに聞こえるEsクラの「パン・パン・パラー　パラリラリ」という甲高いソロ・フレーズは、地面から成長しているアスパラガスの芽のように聞こえて欲しかったのだそうです。（Esクラリネット奏者　Luis Baez）　■深い知識に裏打ちされたＭＴＴの解説が面白い　ＭＴＴの解説は堂に入っています。そのスマートさとピアノを引きながら解説するところはかつてのバーンスタインを彷彿させます。また、最初のファゴットの元になった民謡を自分で歌ったりと大サービスです。■やりすぎと思えるほど凝った解説　ＭＴＴのの解説はスタジオでピアノを弾きながらのものとファミリーコンサートでの解説の二つを使っていました。また映像はコンサート本番での物も使われています。また、バレエのシーンも所々取り入れられていて、大変凝った作りになっています。　その中では、「春の祭典」と民族音楽の関係が指摘されている部分がとても興味を引きました。その音楽は、ストラビンスキーが小さい頃家族で避暑に行ったウスティウグ、そこで聞いた民族音楽がルーツでありました。中央アジア系の民族が民族衣装を着て歌っていました。その音楽は明るいものでした。バラライカとお手製の小さい打楽器というシンプルな伴奏で、歌を歌うというか旋律の抑揚があまり感じられず、どちらかというと奇声を上げているような感じでした。小さな長い木片を繋いで音を出す楽器（ギロのような音が出ます）を演奏しているところと、「春の祭典」第１部の終結部とをうまくシンクロさせて、その影響を伝えていました。なかなか考えられた構成だと思います。■ムラダと火の鳥の関係にビックリ　解説ではリムスキーの「ムラーダ」(1892)の「Rond Infernal」との関係も語られていてとても興味深い物がありました。この旋律は「火の鳥」の「カスチェイ王の踊り」の主題そのものであることをファミリーコンサートで説明していましたが、大変興味深かったです。■充実した実演　本番では「火の鳥」「春の祭典」ともに大変充実した演奏でした。余分な力の全く入っていない、スマートな物ですが、迫力は十分に感じさせる演奏だったと思います。終わった後ＭＴＴが汗一つかいていないことにもビックリしてしまいました。　また、細かいところでは従来の演奏では聞き取れなかった様なからくりを明らかにしてくれたりと、曲を知る上で、大変参考になる演奏だったと思います。■従来のコンサートＤＶＤでは見られないアングル　コンサートでのアングルにもとても興味深い物がありました。ズーミングしながら、映像が回転していくのですが、不思議な感覚を味わえました。カメラのショットの切り替えが頻繁に行われるのですが、そ解説を踏まえた上での切り替えのため煩わしさは感じませんでした。画像はとても鮮明です。　ということで、贅を凝らした解説と新しい視点を持った演奏、そして安価な価格、３拍子揃ったＤＶＤとして強くお勧めしたいと思います。これで、シリーズの他のＤＶＤも見たくなりました。Keeping Score:Stravinsky's The Rite of Spring (San francisco Symphony)1.Stravinsky's The Rite of Spring 2.Stravinsky in Concert　Music from The Firebird(1910)　　l.King Kashchei's Infernal Dance　　ll.Lulaby　　lll.Finale　　The Rite of Spring

2007年05月20日

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思いを強くする

５月９日の成功への道しるべ (247)に「思いを強くする」ということが書かれていました。（引用開始）ここに小さな簡単な犬小屋があります。簡単な犬小屋だから勝手にできたというようなことは絶対にありません。どんな簡単な犬小屋であっても、誰かが必要な材料を集めたり、それを加工したり、組み立てたりして出来上がったのです。作業をした手足は勝手に動いたのではありません。このような犬小屋を作ろうという“思い”が犬小屋を想像させ、頭脳を通じて、体のそれぞれの部署に出された指示によって動いたのです。犬小屋であろうと、邸宅であろうと、壮大な宮殿であろうと、同じです。頭の中に想像されたことが目に見える形となったのです。（中略）すべて、始めに思いありきです。私達は普段そんなことを意識して行動してはいませんが、高い目標、困難な目標の達成には強い思いの持続が不可欠です。何故ならその思いが高い目標達成のために必要な行動の源であるからです。成功するためには思いを強くし持続する事を意識してやるべきなのです。思いを強くすればする程、目標達成が確実なものとなる訳ですから、自分に合った独自の方法を考え、実践する事はワクワクする楽しい事でもあります。（中略）松虫中学の元陸上部監督の原田隆史先生は、選手達に家で食事の後の食器を洗うことを１日も欠かさずやることを指導されていました。簡単なことでいいから、とくに何か良い事を休まず継続する事は“心”を強くします。全国大会の砲丸投げで男女ダブル優勝という快挙は女子選手の最後の最後の奇跡の逆転の一投によってなされました。その女子選手はインタビューで何故あんな凄いことが出来たのかと尋ねられて“私は食器を洗うことを1日もサボった事がないから絶対最後は勝てると思っていた”と答えていますが、尋ねた方は何のことかさっぱり理解できなかったでしょう。選手達は子供だから暗示にかかっているだけだといわれるかもしれませんが、暗示であっても効果があれば良いのです。（中略）こういう事をやる時の一番の障害は身近な周りの人です。周りの人から少しおかしくなったのではないかと思われるくらいでないと、大成功は期待できないと思い、そこで挫折せず、他人が何を言おうが構わず信じてやり続ける事です。（引用終わり）ただ思うだけではだめなんですね。たとえ人から見ればつまらないことでも愚直にやり続けなければ。しかし、その愚直にやり続けるということが本人の自信につながるんですね。最近の子供達は根気がないとよく言われます。それは、小さい頃から親が何でもやってしまって、子供に何もさせない事に原因があると思います。私の家も私はなんやかやと仕事を言いつけるんですが、長続きしません。妻もあまり仕事をやらせたがりません。そういうところから何かをやり続けるという習慣がないままに育ってしまったようです。そのためか、最近子供が傲慢化して手を焼いています。昔引用にも出てきた松虫中学の原田先生の本を読ませたことがあります。その時感じたことを忘れなければこんな事になってはいなかったと思います。ヤンキースの松井選手は人の悪口を言ったことがないそうです、それに人知れずベトナムの孤児達１０人の里親もしています。やはり一流と呼ばれる方々は本業だけでなく人間性、社会貢献とも素晴らしい方が多いです。新しく出た松井選手のルポルタージュ「Modesty」がとても良い内容のようですので、子供に読ませて少しは考えを変えてもらおうかと思っていますが甘いでしょうか？？

2007年05月19日

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ＮＨＫ日曜美術館３０年展

　ＮＨＫの日曜夜の番組「日曜美術館」が開始から３０年たったということで、お祝いの展覧会が開催されていました。私はこの情報をテレビで見た覚えがあるのですが、本物の美術作品が展示されているとは思わず、無視していました。　最終日に父から電話が来て、この展覧会に連れて行ってくれないかと言われ同行しました。行く前は、送ったら見終わるまで車の中で寝ていようかと思いました。でも雨が降っていて、父は傘を持っていなかったのと、高齢なものですから付き添いの意味で、一緒に展覧会を見ました。　ところが私の勝手な思いこみとは違って、日本人作品を中心にピカソ、モネ、ルノワール、ロダンなど外国人の作品も出品されています。最終日の夕方で、駐車場はかなり混んでいました。しかし、館内はそれほどでもなく、あまりストレスを感じることなく鑑賞できました。■日本の伝統工芸の素晴らしさを体感　今回面見張ったのは、絵画、彫刻ではなく日本の伝統工芸でした。特に藤田喬平のガラスに金箔や銀箔を巻き付ける芸術が結構衝撃でした。この技法そのものは藤田が開発したようですが、仕上がりは自然任せです。それでも絵も言われないほどの素晴らしい状態に仕上がっていました。その華やかで重厚感たっぷりの存在感に圧倒されてしまいました。ことに「天寿」は尾形光琳の「紅白梅図屏風」の色彩の印象を凝縮したような素晴らしい物でした。人間の力の及ばないところで作られた自然の芸術、それに名人が力を貸しているといった感じだと思います。それから芹沢ケイ（部首が金に圭）介の「木綿地藍染いろは文着物」もシンプルなんですけれどその潔さに引かれました。それに柄のデザインに何とも言えぬユーモアを感じてしまいました。こういう浴衣ほしいですね。■作家が作品について語る言葉に共感　館内では過去の日曜美術館の放送もされていました。作家や音楽家が語る芸術作品、作家が作家を語ったシリーズ、そして工房探訪という、アトリエを訪問して制作風景を撮影したシリーズ。どれも思わず引き込まれてしまうような魅力がありました。　「夢の美術案内」と題したシリーズでは手塚治虫の言葉が印象的でした。鳥羽僧正の「鳥獣戯画」を表した言葉で「ここには漫画の三要素、誇張、省略、変形がある。この時以来漫画は進歩しているのか疑問だ。この作品は今の時代に世界に出しても恥ずかしくない」と言うようなことを仰られていました。とても含蓄のある言葉だと思います。「鳥獣戯画」は本物ではなく模本で、実物よりもかなり大きな物でしたが、その当時としては世界でも類のない技術を駆使した絵の凄さが実感されました。本物はかなり小さかったと父は言っていました。私も実物を見たはずなのですが、記憶が殆どありません。たしか額縁に入っていたような気がしますが。。。　それと遠藤周作がルオーの「たそがれ　あるいはイル・ド・フランス」について語っていることも興味深かったですね。この絵を見て、キリストは「自分と一緒に行こうと言っている様に感じる」と仰っています。絵を見るとキリストらしい人物は見あたらないのですが。。。上の方にある赤い固まりがキリストを象徴しているんでしょうか？個人的にはキリストを感じませんが、絵の具を分厚く塗った力図良い筆致から独特の印象を受けました。■テレビの映像の限界と本物の凄さ　また、テレビで映された映像と実物ではさすがに絵の深みが全く違っていました。色も少し薄く明るくなっていて、美術作品の鑑賞は実物に限ると思ったものです。■アトリエ訪問に引き込まれる　「アトリエ訪問」はどれもとても興味深かったんですが、特に中川一政の制作風景が凄まじかったです。とにかく現場に行ってそこで仕上げるま頑張ると言うところが半端ではないです。それを９０歳すぎて死ぬまで続けたというののですから。　現場と言っても山ですから風は吹くは冷たいはで、さぞや大変だったと思います。その高齢にもかかわらず背筋をピンと張った制作風景には心打たれる物がありました。もちろんできあがった作品（駒ヶ岳）のど迫力にも圧倒されました。個人的に、この方の生き様には共感するところが多かったです。その他武満徹が「私とルドン」と題して「ルドン」について熱っぽく語っていたのも印象的でした。そういえば、武満に「閉じた目」というピアノの作品があッたことを今更ながら思い出しました。展示映像は１９８０～１９９０年代の物で皆さんとてもお若く懐かしかったです。■味わい深い重要文化材　重要文化財も数点ありました。その中では高橋由一の「鮭」はシンプルな中にもしみじみとした味わいがあり心地よかったです。それに加納芳崖の有名な「悲母観音」の下図もありました。完成系でないのが残念でしたが、寸分も違いのない下図に驚嘆しました。ああいうのは本番では細部で違ってこない物なんですかね。素人考えではどんどん変化していくのが当たり前の様な気がするのですが。。。■知られざる作家へのまなざし　すばらしさに感激　「知られざる作家へのまなざし」と題してマイナーは５人の作家の作品が展示されていました。とくに印象に残ったのは小泉清の不動明と田村一村の天海の杜の連作でした。「不動明」の絵の具をてんこ盛りにしたその迫力、田村のルソーを思わせる異国情緒たっぷりで繊細な絵画は今まで知らなかったものでとても素晴らしいと思いました。■日本の芸術のすばらしさを再認識　こうしてみると、日本の芸術も悪くないです。今までは外国の作品ばかりに目を奪われていましたが、これからは日本の美術にも注目していきたいです。　ということで、この展覧会は全国を巡回しているそうですので、お近くで開催される際にはご覧になっては如何でしょうか。絶対に見て損はないと思います。2007.5.13　岩手県立美術館にて鑑賞

2007年05月18日

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安倍政治への疑問

メールマガジンの「甦れ美しい日本」第118号に平河総合戦略研究所の西山弘道氏が「安倍政治への疑問」と題して寄稿しています。（引用開始）　安倍首相が靖国神社へ供え物を奉納したことが明らかとなり、例によって対中韓関係にさざ波が起きている。首相は4月21～23日の春季例大祭に、内閣総理大臣の肩書きで供物の真榊の鉢植えを奉納した。首相が靖国神社に供物を奉納したのは、中曽根首相以来20年ぶりだそうだが、一部マスコミのようにそんなに騒ぎ立てるほどの問題でもあるまい。「首相は靖国参拝について『したか、しないか、申し上げるつもりはない』とあいまいな態度を取っているが、参列の代わりに供え物を奉納することで靖国神社への配慮を示したものとみられる」（朝日新聞）　　これに対し、韓国政府は「正しい歴史認識に逆行するもので非常に遺憾だ」と例によって反発したが、中国は日本政府に対し、慎重な対応を求めたものの、直接の批判は避けた。いつもなら鬼の首でも取ったようにギャンギャン非難する両国が、今回は「一応、言っておかなければ・・・」とアリバイ証明みたいにおとなしい対応をしたのは、実はウラがあったのだ！　安倍首相は供物を奉納するに当たって、外務省の谷内次官に中国、韓国両政府への了解を取るよう指示した。谷内次官は首相の指示に基づき、両政府に伝達、「首相が参拝しないのならそれでよい」という両国の了解を得て、奉納したというのが事実である。何のことはない、安倍首相の看板である「主張する外交」どころか、中韓の顔色を伺う「顔色外交」が依然として行われているのだ。その傍証として、今回のニュースを一斉に伝えた各紙の記事には皆、「政府筋」としての同一のコメントが載っていた。「例大祭の供え物は、三権の長である河野衆議院議長も奉納している」というものだが、この「政府筋」とは言うまでもなく首相官邸の世耕弘成広報担当補佐官であり、河野議長の奉納も合わせることで、中韓に対する影響の緩和を狙ったことはミエミエである。　「主張する安倍外交」と華々しく打ち上げているが、その実態は外務省の谷内次官の差配におんぶに抱っこの「谷内外交」であり、谷内氏がすべて取り仕切っている。　１泊２日でありながら、キャンプデービッド会談まで実現できたブッシュ大統領との日米首脳会談も「谷内外交」の延長上であった。　（引用終わり）　　私は安倍首相に期待していました。しかし、最近期待がしぼんでしまうようなことが次々と起こって少々落胆しかかっています。　　まず、従軍慰安婦問題で、河野談話を継承するといったり、米国に行って謝罪と誤解されるような言い方をしたり、どうも行動が一貫していません。安倍首相は狭義の強制はなかったと言っていますが、アメリカ人にそんな話をしても知識がありませんし、分かるはずはありません。　　そこに来て、この西山氏の論文の内容が事実としたら、かなりショックが大きいです。何故、真榊を送ることまで中国に打診しなければならないのでしょうか。中国は日本の宗主国ですか？　　そんなことをすると、ますます増長するだけなことは明らかだと思うのですが。。。　それとも、自分で押し切る力がないのか、谷内外務次官に頭が上がらないのか、どうにも腑に落ちません。北朝鮮の拉致問題にしてもそうです。拉致問題では強硬姿勢が目立ちますが、最近の状況を見ると、しっかりとした戦略があるかどうか疑問に思ってしまいます。　　どうして靖国へ行けないのか、いろいろと障害があることは想像に難くありません。しかし、いまは逆にチャンスではないでしょうか。中国は日本の協力がほしい時期です。ここで靖国に行っても、デモをするほど馬鹿ではないと思います。また、韓国は大統領が末期ですので、ここで具体的な行動に移ることはありません。そうして既成事実を積み重ねるのが一番賢いやり方だと思いますって、これは中国の得意技ですね。（＾＾；　思い切って、オリンピックが始まる直前に靖国へ行ったら如何でしょうか。多分中国は何も出来ないと思います。まさか、日本人選手団を強制送還するわけにも行かないでしょうし。。。

2007年05月17日

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ＮＴＴ東日本の通信障害からデザインを考える

いや～昨日はひどい目に遭いました。ブログを更新しようとしたら、ご存じのＮＴＴ東日本の通信障害によってネットにつながりません。そんなこととはつゆ知らず、ＬＡＮケーブルの接続を確かめましたが、何ともありません。次ぎに、取り説を見ようとしたらどこにあるか分からずＣＤのマニュアルを見る羽目に。モデムのWebサイトを開いたら今度はパスワードが分かりません。　取りあえず、モデムのIPアドレスにpingを飛ばしていたら、何故か起動画面に指定しているインフォシークが表示されました。動いたかなと思って、他のサイトに切り替えようとしても動きません。念のため、子供に今日ネットがつながっていたかと確認したら繋がったと言います。それで仕方なくリセットしました。しかし結果は同じでした。　マニュアルを見ていて、ネットに繋がらない場合モデムの「ＰＰＰ」というランプが点滅しているという記述に気がつき、モデムを見たらなるほど点滅しているではないですか。実は、電源を入れ直すときに点滅には気がついていたのですが、異常とは気がつきませんでした。　そこには、設定をチェックしろと書いてあり、再びパスワードを入れるところに来てしまいました。そうしたら、先に入れたＩＤが間違っていることに気がつき、設定画面にたどり着きました。　設定をチェックしたところ異常はありません。いろいろと試していると、テレビのニュースでＮＴＴ東日本で通信障害が起きていると報道がされていることを耳にしました。もしやと思いさらに取り説を見ていたら、どうやらこれが原因だと予想されました。　結局、いつまで経っても復旧しないので、昨日はそのまま寝て、今日の朝確認したら件のＬＥＤは点灯に変わっていました。どうやら復旧したと思いそのまま会社に。。。。　今回の事故に関していろいろな問題を含んでいることを考えさせられました。まず、私がニュースを聞かなかったら、今も格闘していたと思います。こういう場合の伝達手段がないというのは非常に問題があります。　個人的には、もう一つモデムの表示の問題があります。今、仕事の関係でＤ．Ａ．ノーマンの「誰のためのデザイン？」を読んでいます。それはどのようなデザインが使いやすいデザインなのかを論じているとても優れた本です。　どのようなデザインであれば、人間に適切な行為の手がかりになるかを考えた場合、その要素として２つあります。どのような操作が出来るかについての物理的な制約を持っているか、対象物にアフォーダンス（支持）があるかが重要だそうです。　物理的制約とは、何かをするときに形状の制約によって、ある方法でしか操作できないというようなことです。アフォーダンスとは「どのようにして使え、行為でき、機能しうるかのメッセージを伝えるもの」です。例えば平らな板は押すことをアフォーダンスし、空の箱は中を満たすことをアフォーダンスする、ことなどです。　これから考えると、今回のモデムはアフォーダンスの機能は全くありません。前提としてユーザーがＬＥＤの点滅は異常な状態であるという知識がなければなりません。ところが、点滅が異常だと思うとは限りません。ここに問題があります。　これが例えば、正常だと黄色だった表示が、赤色に変化するという設計であればおそらく気がつきます。しかしこれでも不十分です。モデムをユーザーが見るという前提があります。理想に近いのは例えばブザーを大音量で鳴らして知らせるということになると思います。耳が不自由な方に対してはどうか？これは私もすぐには思いつきません。ＰＣの画面に異常を表示することでしょうか。　ことほどさように設計者の思いこみで誤ったデザインになることが多いことが分かります。Ｄ．Ａ．ノーマンはラベルで知らせるのは最低のデザインだと言っています。私もその通りだと思います。　私も昔設計をしていましたのでこのモデムのデザイン（仕様）を決めた設計者の心情はよく分かります。要するに、簡単な方法で正常な状態と違う状態にすればよいという思想です。ところが、ここでは正常な状態がどのような表示なのかが認識できないという欠陥があります。それにモデムを見るという前提も間違っています。こうしてみると、そこいらへんのことがあまりよく考えられていない製品であることが分かります。これがデザインに関して言えば普通の製品のレベルです。　通常、部品点数が多くなればそれだけ操作が難しくなるはずですが、車の場合にはそうなりません。車がデザインとしては最も進んでいる所以です。　ともあれ、今回の事故はいろいろなことを考えさせられました。日本の製品もことデザイン的にはまだまだだなということを痛感させられた体験でした。

2007年05月16日

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母の日？

　本当の母親には北海道直送のラベンダーを送りましたが、こんなの近くでもっと安く買えるとばっさり。　私の妻には子供達が昼にホットドッグを作って食べさせていました。こっちの母の日は私はタッチするつもりはなかったのですが、かねてから考えていた生春巻きを作ろうと思いました。　父に美術館に連れていってほしいという話があり、少し遅くなりましたが、スーパーで食材を調達。　帰ったら、件の母？は不在でしたが、構わず製作開始。中身はアボガドと鮪と貝割れとサニーレタスと海老。　まず、具材の準備。ここでサニーレタスと貝割れ大根を洗わなかったのがあとで重大な影響をもたらしました。ここでお断りをしておきますが、私は普段殆ど料理をしません。そのため、このような常識も殆ど知らないのです。　まず、アボガドの皮むき。真ん中から包丁を入れて半分に割、種を取る。次に鮪を切る。海老を茹でて開く。ここまでは順調にいきました。　次にこの料理のキモである、生春巻きを戻す作業。これが全くうまくいきませんでした。まず、ぬるま湯に入れて戻すときにすぐ割れてしまいました。　原因を考えるとどうも、お湯を入れているボールのお湯の上面の直径よりもが生春巻きの直径のほうが大きい事に気づきました。それで一回り大きいボールに変更。　多少は改善されましたがまだうまくいきません。ホントは四角形のバットにお湯をはった物のほうがうまくいくと思いますが、ないのでこれで続行。　紆余曲折を経て、何とかうまくいくようになりました。　ところが次ぎに問題になるのが、ボールの中に入ったライスペーパーをどうやって引き上げるかです。　手しかないのですが、引き上げるときに降り曲がってしまったり、端面が割れたりしてうまくいかない。少し戻す時間を長くして、最後にはうまくいきました、　次ぎに問題なのが巻き方。濡れた布巾の上に載せてそこでライスぺーパーを剥がしながら撒きましたがうまくいかない。濡れた布巾を簀の子のように使って見ましたがうまくいかない。きっちりと巻けなくて太巻き寿司状態なんです。＠＿＠　原因は具の載せかたにあったようです。最終的にはなるべく真ん中で幅を狭くするようにレタスを折って置きました。ライスペーパーは濡れ布巾を簀の子のようにしながら少し力を入れて巻きました。最後の生春巻きは具が少ないせいもありほぼ市販の物に近い状態に出来ました。やれやれ。　すこし置いてから、食べてみました。使ったのはソフトチリソースとニョクマム＋わさび。鮪＋アボガドをニョクマム＋わさびで、海老＋アボガドをソフトチリソースにしました。チリソースは問題ありません。ニョクマムは塩っ辛すぎてだめでした。　寝る時間でしたが、子供達が食べたいと言ったので食べさせようとしたところ、うんちくさいという声が聞こえました。匂いの出所を探しましたが、どうもライスペーパーの匂いみたいです。ただ、ニョクマムも臭いし、それよりもサニーレタスと貝割れダイコンを洗わなかったためそのせいにされてしまいました。　　結局真犯人は分からず。。。。でも子供達は美味いと言ってくれたので一安心。妻も帰ってきて食べたところうまいといってくれました。但しわさび醤油は日本の醤油の方がいいみたいです。　　今回の反省は野菜を洗わなかったことと、ライスペーパーの処理方法でした。それに具の置き方、形も関係あるようですね。次回（いつになるか？？です）はこれらを踏まえて、何とか完全方法を考えたいと思います。。。　これをアップする前に、ちょこっと調べてみたら色々あるようですね。教えてgoo!には容器がフライパンか大きめのスープ皿で、ぬるま湯は温度が下がるのでまずい。水でやって浸す時間が１０数秒、戻す時間が１，２分と書いています。それに戻したライスペーパーを置くのは皿と書いてあります。う～んやはり皆さんご苦労されているんですね。次回は、もう少し研究してから挑戦したいと思います。いや～ライスペーパー一つにしても奥が深い！

2007年05月14日

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ストリング　愛と絆の旅路

　２００４年に制作されたデンマーク映画を日本用にあらたに脚色した作品。声優は勿論、主題歌も日本語版専用に用意されました。最初興味があったのですが、パンフレットの写真がいまいち綺麗でないというか、ちょっとおどろおどろしいので、行く気はありませんでした。それで土曜日は「プルコギ」を見ようかと思っていました。ところが、ネットでの評判を見るとすこぶる良いため、こちらを見ました。結果的には、とても良い映画で大正解でした。■想天外な着想　～よく練られた脚本　この映画で描かれているのは、マリオネットの世界です。一体のマリオネットの１０数本の操り糸が雲を突き抜けてどこまでも延びています。そして、その糸が切れることは手足が切断したとことと同じで、頭につながっている糸が切られることは死を意味するという設定です。アンデルス・ルノウ・クラウン（Anders Rφnnow Klarlund）監督の世界観が全面的に出されています。この監督は２５歳でデビューし、いままでヨーロッパで数々の賞を受賞してきました。　登場人物の動きはすべて実写のようです。これが凄いです。へバロン国の王子ハル（草薙剛）とゼリス族のジータ（中谷美紀）の愛の場面で、お互いの顔を指でなぞる所の本当の指の様な動き、ゼリス族の避難しているキャンプでの、女性達の踊りの迫真性など、とてもマリオネットとは思えませんでした。　　何しろ操り糸が５ｍで一体を操作するのに５人を要するというというものです。そのマリオネット１１５体をスタッフが２年かけて捜した欧米屈指の２２名の人形師が操っています。撮影には２３週間もかかったそうです。そのかいがあって、登場人物の表情の豊かなことは、上手い俳優の演技以上のものがあったと思います。　　そもそものこの映画の発端は監督がポルトガルで行われるオポルト国際映画祭の授賞式に出席するための飛行機の中でプラハ市を紹介した映像を見たからでした。その中にマリオネットが映っていて、監督がマリオネットとその操り糸に魅了されたからだと語っています。　　スケッチのデザインに１年半をかけていますが、何と言っても大変だったのは予算が当初の２．５倍にふくれあがったことだったようです。　■印象的なシーンが続々と出現　へバロン国の最高司令官エリト（劇団ひとり）の妻アイケ（戸田恵子）の出産シーンが感動的でした。捕らえられたアイケが産気ずくと、アイケの糸が別れてそれを、ジーナが一つづつ赤ん坊にくっつけるというもので、最後に頭に糸が接続されると赤ん坊に魂が吹き込まれるという仕組みになっています。その着想の独創性とその場面の美しさがとても印象的でした。　　戦いの中で、幾多の糸に火が燃え移って燃える様や、雲の上で月が輝き、そこに操り糸が多数垂れ下がっているシュールな情景など、印象深いシーンも盛りだくさんでした。それに、ヘバロン王国の王女ジーナが水浴をしている所をガラクが盗み見しているシーンはとてもエロティックでした。また、「千の勇者が眠る湖」に糸は凍り付き、朽ち果てたマリオネット達が大勢横たわっている場面も良いです。　セットはスケール感こそあまりありませんが、精緻で本物の様な迫真性があります。人形でなく人間がいたら、本物のセットでの撮影と思うほど良くできています。とくに、雑踏の場面とか森の場面などは素晴らしい出来でした。しかし、最後のジーナの水葬の場面の背景が水彩画で安っぽかったのが惜しかったです。　■画像が汚い　マリオネットの中でジータとジーナの顔がちっとも綺麗ではありません。まともな顔のマリオネットも薄汚れている感じでした。特にジーナの顔は大人の顔ではなく子供の顔で、それも不細工です。これはわざとだと思うんですが、その意図が何であるか聞いてみたいですね。お話が夜の場面と室内の場面が多く、全体的に暗めの映像であったのも、汚いと感じる要因かもしれません。■粒ぞろいの声優　この映画はそもそも「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明氏がこの映画を気に入り、ジャパン・バージョンの監督を務め、脚色を劇団、阿佐ヶ谷スパイダースを主宰する長塚圭史が担当したというものです。もとのデンマーク映画とはひと味違った？内容になっているらしいです。その成果は十分にあったと思います。主役級に専門の声優が少ないことには不満もありますが、この映画での声はなかなか水準が高かったと思います。心理描写が巧みで、普通の人間劇を見ているような錯覚に陥りそうになりました。　特にゼリス族の女ジータの中谷美紀とヘバロン国王の弟ニゾの伊武雅刀が光っていました。特にニゾのいかにも極悪人といった感じがよく出ていました。それに、ニゾの手下のヘバロン国元最高司令官ガラクの声がとても良かったです。戦闘により体が不自由になって、性格も邪悪になってしまった？様子がよく現れていたと思います。この声が香取慎吾だと後で知ってびくリしました。それにしても、このガラクがとても気持ち悪いです。体が不自由なため、体が曲がっていて、蜘蛛を連想させるような姿です。　ということで、アンデルス・ルノウ・クラウン監督の思い入れとマリオネットの独創的な世界がずっしりとした説得力を持っています。音楽も本格的です。上映時間は１時間半ですが個人的には物足りないくらいでした。もう少し見たかったですね。　　この映画、ストーリーの続きは考えつきそうなので、是非続編を希望したいです。　ストリングス　公式サイトDVD（米国盤）

2007年05月13日

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NHK国際放送中断事件

昨年の８月に起こったＮＨＫの国際放送が中国の手によって２ヶ月も中断された出来事についての報道（チャンネル桜？）がYou Tubeにアップされています。数日前それを見てびっくりしてしまいました。（概要）８月に小泉首相靖国神社参拝。その日に中国は国際放送を止めた。それが２ヶ月間続いた。中国人民の怒りの表現だ。解除されたのは何故か、安倍首相が訪中したから。日中友好のためだ。以前、拉致被害者や行方不明者の情報提供などを呼び掛ける北朝鮮向けの短波ラジオ「しおかぜ」を、政府として支援すると決めたことがある。これに対し、マスコミは命令放送は放送の自由を侵すと猛反対したという過去を持つ。　何故中国には言わないのか？何故、民放は報道しないのか？裏には、中国大使館が記者を懐柔している事実がある。チーパオ（旗袍　裾の割れた中国服）を着た美人の女性がお相手をする。バックでは女子１２楽坊が演奏する。その後「小泉の参拝は慎重であるべきだ」と報道が出てくる。（概要終わり）なんともどうしようもない奴らです。人間のくずと言っても良いと思います。　中国の蛮行はいつものことですので、どうしようもないと思います。以前、ＮＨＫの国際放送が趙紫陽元共産党総書記の死去を放送したときもいきなり中断させられたことがあるので、とくに驚きませんが、しかしそれに迎合するマスコミの人間の節操のなさには腹が立ちます。とくにＮＨＫは救いがたいです。税金で経営されているのに、命令放送を拒否するなんて何を考えているかさっぱり理解できません。　　そんなに放送の自由がほしいのなら、ひも付きではなく自力で経営されたら如何でしょうか。そうすれば、好きな番組を流せるのですから。とにかく、奴らの二枚舌三枚舌には我慢がなりません。本当に腐っていると思います。　　最近、テレビの悪さがゾクゾク出てきています。捏造に限らず、このような出来事も、根幹は同じであると思います。テレビ創世期の崇高な志（あったかどうかわかりませんが）はどこに行ってしまったのでしょうか。　今の放送界の人間には目標はあるんでしょうか。大部分の人達がただ視聴率だけのためにやっているとは思いたくありませんが、志を感じられる番組に出会うことは少なくなりました。特にバラエティの氾濫している現在の状態には我慢できません。それに暴力団関係者をテレビに出している局もあります。志どころかモラルまで失われたいまの放送業界は醜いです。　他のマスコミも同じです。捏造記事を出すことも多いです。最近では、長崎市長のテロに安倍首相の秘書が関係していると報じた「週刊朝日」。本当に次から次へと出てきますね。それだけ病んでいるということだと思います。自ら浄化を期待できないとしたら、何らかの規制を考える時期に来ていると思うのは私だけでしょうか。　それにしても、最近中国からみの事件が多すぎます。いい加減、中国と関係を持つ愚に気がついてもらいたいものです。今の日本と中国の関係は「どらえもん」のジャイアンとのび太の関係に似ています。福沢諭吉の「脱亜入欧」ではありませんが、どうすればよいかは自明ですし、それでうまくいくことは、歴史が証明しています。

2007年05月12日

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旅行とエンターテインメントを結びつけたユニークな企画

　5/10付けの「日経ＭＪに見るマーケティングの戦略・戦術　1096号」に興味深い記事が出ていましたのでご紹介いたします。なんと、楽器が上手くなるツアーですと。（引用開始）今日は、一風変わったツアー企画を生み出している、日本旅行のイベント・コンベンション営業部、佐藤貴弘課長（38）に関する記事です。　‥‥“挫折組”に再び好みの楽器を演奏できるように訓練する２泊３日の合宿ツアーが人気を集めている。その名もずばり「楽器挫折者救済合宿」。　講師が指導して技術を磨くという合宿ではなく、３日間それぞれの楽器になじんでもらう」（佐藤課長）というスタンスで‥‥　参加者は団塊やシニア世代もいれば、中高年、若者、家族連れなど幅広い。　「何度も参加するリピーターも多く、今年末までに開く合宿を含めると、累計参加者数は700を超える」（佐藤課長）　‥‥10年強に上る団体旅行の営業を通じて広がった音楽関係者の人脈が基になっている。（引用終わり）　ちょっと調べたところ、「Q-sai」という名前でサイトがありました。内容を見てみましたが曲はビートルズの「Love Me Do」費用は参加費：3000円＋レンタル楽器＆テキスト代2000円です。『楽器挫折者救済合宿　ギター・ジャカジャカ』という書籍の出版されています。さらにこの本を持参するとレンタル楽器代500円だけだそうです。　すでに54回も開催されていて、今後の予定もびっしりです。おまけにキャンプもあるようです。めるまがも発行しています。「１分で読める！楽器挫折者のための救済メルマガ」。　このように繁盛しているということは、そこそこ効果もあるんでしょうね。「３日間それぞれの楽器になじんでもらう」という程度の運営ではありますが、最終日には全員で課題曲を演奏できるレベルになるそうですので、そこそこ効果はあると見ました。リピーターが多いのもその証拠でしょう。楽器で挫折したかたも大勢いらっしゃるようですし。ただ、経験者の声が聞こえないので、実態がわかりませんが、満足度は高いと見ました。　「日帰りアコースティックギター合宿」もあるようです。しかしたったの2時間ですからこれで弾けるようになるとはとても思えません。ところが、これも第１４回ということで効果があるんでしょうね。私は懐疑的ですが。。。　これは、世の中に既にある、自動車免許を取るための合宿、××試験のための合宿」と同じコンセプトを、「楽器を演奏できるようになる」という所に応用したのがミソです。それも、音がすぐ出る楽器を対象にしているとすれば、理にかなっています。しかし、それを旅行会社がやるなんて、素晴らしいことだと思います。まったくの異業種ですから、それを実現するのには障害もあったと思います。いずれにしても、どのような指導をしているのかとても興味があります。是非その指導現場を見てみたいものです。

2007年05月11日

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韓国人とイメージ管理

週刊アカシックレコード５月１日号の「非国家犯罪と謝罪」の中に面白いことが書かれてありましたのでご紹介いたします。（引用開始）韓国には「イメージ管理」という言葉がある。韓国人は自分の顔写真を携帯電話の待ち受け画面に載せる世界で唯一の国民だが、一般にそういう写真はデジタル画像処理で美しく修正してから載せるので、携帯電話を開くたびに、まさに「鏡よ鏡、世界でいちばん美しいのはだあれ」の状態になる。　さらに、これが、履歴書やパスポートやブログに載せる写真となると、修正の仕方が半端でない。韓国人たちに言わせると「だれが見るかわからないから、ヘンな顔は載せられない」のだそうだが、実は、その「ヘンな顔」とは自分のほんとうの顔なのだ。そして、そのほんとうの顔をあまりにどぎつく修正するので、就職の際に提出する履歴書の顔写真がすっかり別人の顔になり、「美人だと思って採用したら、似ても似つかない人が来た」などということもしばしばある(中岡龍馬『韓国人につけるクスリ』オークラ出版2005年刊)。　もちろん、どうしても画像修正では我慢できない韓国人は、とくに女性は、形成(整形)外科手術で顔そのものを変える。韓国の女子高生は大学入試を終えると、大学入学までの「谷間」を利用して、一斉に美容外科クリニックに駆け込んで行列を作る。　【よく、韓国人は自らを「誇り高い民族」と自称するが、日本語ではこういうのを「誇り高い」とはいわない。「自意識過剰」と呼ぶのが正しい。】(^^;)彼らは自らの対外イメージが悪化することに病的な恐怖心を抱いており、事実(素顔)を歪曲してでもそれを回避しようとする傾向が全国民的に存在する。（引用終わり）　何か凄いお話です。日本人にはとてもまねの出来ないことです。でも、最近の若い人達は自意識過剰の傾向があるように思います。　私の子供も、毎朝鏡に向かって髪をなでつけています。それからいつも髪を気にしていますって、現在逃亡中の市橋達也と同じではないですか！？　いつも止めろと行っているんですが治りません。一体どういうつもりなのか私にはさっぱり分かりません。おまけに毎日髪を切っているし。。。

2007年05月10日

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こだわり人物伝　マイルス・デイビスの巻第１回

　を見ました。マイルスのジャズに対する挫折とそこからどうやってはい上がってきたかを大胆な仮説をたてて論じています。ユニークな形容を交えて持論を展開していくところが大変ユニークです。　　ご存じのようにマイルスはセントルイスで歯医者を営む裕福な家庭に育ちました。ここが、その前に出たトランペッターとは違うところです。サッチもなんて、スラムに生まれ少年院にはいってそこでトランペットを覚えたほどです。この生まれの良さが音楽の道を進む上で、大きな影響を与えたというのが菊池成孔氏の仮説です。　　ジュリアード音楽院に入学するためにニューヨークに行き、そこであこがれのパーカーと再開し、首尾良く彼のコンボに入り込みます。しかし、もともとテクニックはないし、音も大きくないマイルスは、パーカーの演奏についていけなくて止めようと思います。この状態を「３匹の死んだハエ」と形容していましたが言い得て妙です。挙げ句の果てには、アパートに転がり込まれ、仕送りまでむしり取られる状態になりました。　　また、ビバップというプレイヤー同士のけんかみたいな演奏方法は、マイルスのような良家のおぼっちゃまには向いていなかったんですね。菊池氏はこれを称して「ボクサーと社交ダンサー」と形容しています。　　また、その前の時代に流行った「スイングジャズは会社」（ビッグバンドがはやったので）、ビバップは「鉄火場のバトル」だと言っていますが、まさに本質をついていると思います。　　マイルスは、肌が合わないビバップと決別して「クール」を追求する訳ですが、その時集めた９重奏団の仲間もギル・エバンス、ジェリー・マリガンなどの白人達だったのです。　　何故黒人を雇わないかという問いに対し、マイルスは「紫色の肌で真っ赤な息を吐いていても音楽が良ければ雇う」というような言葉を言っていた？ようですが、この言葉も初めて聞きました。彼らしい言葉だと思います。　菊池成孔氏の個人的な思い出も語っていました。中学に入ってそのお祝いでレコードを買ってもらいましたが、その時買ったのが「ゲット・アップ・ウイズ・イット」。選んだ理由が２枚組の方がいいからだったそうです。それをずっと愛聴していたと言うんですから、恐るべき中学生だったんですね。　　また、スイング・ジャズとビバップを説明するときに使った曲の旋律とパーカーのソロのコードをたちどころにホワイトボードに書いていたところは、プロのミュージシャンの実力をまざまざと見せつけられた気がしました。　　時間は２５分ととても短いですが、大変ユニークな番組です。貴重な映像も多数出てきますし、大いに楽しめると思います。あと３回ありますので、見なかった方も是非ご覧下頂ければと思います。

2007年05月09日

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荒川祐二さんの勇気

　「致知」の今月号の巻頭の言葉でイエローハット相談役の鍵山秀三郎氏が書いている内容が素晴らしいのでお伝えしたいと思います。鍵山さんと言えば掃除で有名なお方です。日本を美しくする会（全国掃除に学ぶ会連絡協議会）の会長でもあります。　２月朝６時。新宿駅東口。冷え切った街頭のゴミを分別する集団がいます。その一人の背中には「お手伝いをしてくれる人募集中」と書かれた段ボールの看板がくくりつけられています。　この看板を背負った方が荒川祐二さん。大学生です。彼は昨年の１１月にこの場所でたった一人で掃除を始めました。　段ボールを背負って公衆の面前に立つ勇気を皆さんはお持ちでしょうか。外の掃除と言えば自分の住まいや職場の周囲を掃くだけでも躊躇するものです。　ましてや、関わりのない場所で好奇の目に晒される中での行いは、よほど高い志と真の勇気を備えた人です。しかし、荒川さんの行いに対し遠くから冷笑したり、嘲笑する人が少なくありません。時にはせっかく集めたゴミを蹴散らすような輩さえ現れます。この荒川さんの行いに賛同者が現れたことは荒川さんにとってだけではなく、社会にとっても一大朗報となりました。（概要終わり）　とても清々しい話題です。しかし、よりによってゴミを蹴散らしたりする人がいることが信じられません。彼らは精神が病んでいるとしか思えませんね。　　荒川さんのブログを見ると青年の画像を見ることが出来ます。それが荒川さんご自身だと思いますが、とてもさっぱりとした感じの良い人だと思います。　荒川さんのブログを見ると５／３ゴミの日には『全国同時多発エコ事件！！』というイベントを実施したそうです。ようするに各地でゴミ拾いをするイベントです。　１０００人までは行かなかったようですが、かなりの人達が全国２１カ所でゴミ拾いをしたらしい。その実行力にはは全く頭が下がります。私なんか言うだけで実行しない最低の奴で、荒川さんの爪の垢でも煎じて飲みたいくらいです。第３回１００万人の５・３拾い

2007年05月08日

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善き人のためのソナタ

　本年度アカデミー賞外国語映画賞受賞作品の「善き人のためのソナタ」。原題「Das Leben der Anderen」（他人の人生）こちらでもやっと公開され早速見に行きました。優れた映画だと思いますが、表題のピアノ曲がヴィースラーの心にどのような変化をもたらしたかが深く描かれていなかったところに物足りなさを感じました。入りはよくさすが評判の映画だと思います。■あらすじ　コードネームHGW XX／7というシュタージの諜報員ゲドア・ヴィースラー大尉（ウルリッヒ・ミューエ）はある日文化部部長のグルピッツ（ウルリッヒ・トゥクール）から芝居に誘われる。そこでは脚本家ゲオルク・ドライマンの脚本、人気絶頂の女優クリスタ＝マリア・ジーグラント（マルティナ・ゲデック）の主演する芝居が行われていた。グルピッツはドライマンとクリスタが同棲しているアパートに盗聴器を仕掛けることを命ずる。作戦の名前は「ラズロ」。ドライマンのことです。因みにクリスタはＣＭＳ。　　ある日ヴィースラーは工作員達と共に、ドライマンのアパートに盗聴器を仕掛け、入り口にはカメラも仕込む。そこから彼と部下の軍曹との２交代で完全な盗聴が開始される。　　一方、ＣＭＳはパーティーであったシュタージのヘムプフ大臣（(トマス・ティーマ)）に関係を強要され、嫌々ながら関係を持つ。　　ある日、ドライマンの誕生パーティーに昔一緒に仕事をしていた演出家イェルスカがやってくる。イェルスカはシュタージにより長い間仕事が出来なくなってた。イェルスカはパーティーに来ても会話をせず、壁際でブレヒトを読んでいる。ドライマンが声をかけると、イェルスカはドライマンにプレゼントを渡す。　　お客が帰った後、プレゼントを開けていると、サラダ用のフォークやペンと並んで、「善き人のためのソナタ」というピアノ曲の楽譜が入っていた。それはイェルスカがくれたものだった。　　ドライマンは早速その曲を弾いてＣＭＳに聞かせる。その時、ヴィースラーもこの曲を聴いているのだった。イェルスカはこれを送るとき、「この曲を聴いた人は本気で悪人になれない」という言葉をドライマンに言っていたのだった。　　ドライマンは東ドイツが自殺者の数を発表しなくなったことを西側で発表したいと思っている。友達の紹介でシュピーゲル誌の記者とコンタクトをとることに成功するが、ヴィースラーはそれをしっかりキャッチしていた。。。。　　■邦題に囚われてしまう　ガブリエル・ヤレド作曲の「善き人のためのソナタ」はドライマンのアパートで彼自身のピアノで演奏されます。靜かで甘美ではあるが、寂しさと苦悩を感じる音楽です。ドイツ的な曲ではありません。個人的にはグリーグの旋律を思い浮かべました。これを聴いて善人になるかどうかは別としても、印象的な音楽なことは確かです。そういえばベートーベンの「熱情」を聞けば悪人になれないとか、ドライマン達が話しているシーンがありました。　「善き人のためのソナタ」の演奏場面が短く曲の良さがあまり感じられない様に思いました。他の場面でもあまり使われることもなく、ヴィースラーの変節の動機としては弱い様に感じます。私が印象に残る曲と書いたのは、ホームページで何回も聞いたからで、映画だけを見た人にはそんなに耳朶に残る音楽には聞こえないと思います。もしかしたら、監督はこの音楽をそんなに重要視していないのかもしれません。表題も乾いた素っ気ない題名ですし、この曲は単なる小道具の一つに過ぎないのかもしれません。　　私自身がどうも邦題の「善き人のためのソナタ」に引きずられてしまったようです。原題の「他人の人生」だったらこんな疑問も湧かなかったと思います。ちょっと邦題を凝りすぎた弊害でしょうか。　実際にこのような話があったかどうかは分かりませんが、似たような話はありそうな気がします。それにしても、完全盗聴の仕事はつらいですね。１２時間交代で、神経の休まるときがありません。　■厳しい現実と興味深い尋問のノウハウ　本などでシュタージの残忍さは知っていましたが、映像で見せつけられるとあらためてその厳しさを痛感しました。何しろ、シュタージ内部での会話にも注意しなければならないのですから。ただ、厳しい拷問などのシーンが無く、個人的には手ぬるいと感じてしまいました。　　尋問の場面で、尋問される人間の座る椅子の布地が取り外し可能になっていて、尋問が終わった後それを硝子の容器に保存して、逃亡したときに犬にかがせるとか、尋問は４８時間ぶっ続けでやるとか、いろいろなノウハウもちりばめられていました。　　とくに興味深かったのは、嘘をついている人間は、同じ質問をすると一字一句同じ言葉を言うが、本当のことを言っている人間はその時々で違った答え方をするというもので、個人的には新しい発見でした。　　ヴィースラーのアパートの何もない殺風景な部屋や粗末な食事の場面など当時の東側の厳しい状況が伝わってきました。ヴィースラーは独身で、定期的にコールガールを雇い欲望を満たしている。映画では巨大な胸を持つコールガールが出ていましたが醜悪で見られたものではありませんでした。　　シュタージの工作部隊の手際よさにも目を見張ります。盗聴器を仕掛けて、その配線を外部に接続するのに２０分で仕上げるのですから。それも、壁などの修復を含めてです。ただ、少し注意すれば気がつきそうなものです。少なくとも修復した部分は新しい筈ですし、ペンキを塗っているのでその匂いも分かるはずです。でも、これは自分が盗聴されているという意識を持っていないと気がつかないことかもしれません。　　しかし、現実に対しプロットの設定が甘いと思わせる場面もあります。ヴィースラーの行動を疑っているにもかかわらず、自由な行動をさせて、みすみす証拠を隠滅させる。それが分かった後の処分も手ぬるいと思います。■あり得ない設定　　ヴィースラーがバーでウオッカを飲んでいると、シュタージのヘムプフ大臣との情事へと向かう途中のＣＭＳがやってきます。そこで、ヴィースラーが彼女に忠告しますが、こんな状況は現実にはあり得ないことだと思います。監視している人間と私的に関係するなんて本来あり得ない事ではないでしょうか。それから、ヴィースラーがドライマンのアパートからブレヒトを失敬してくる様な行為もプロとしては失格でしょう。　クリスタが麻薬中毒者であることを形に、自白を強要される場面はよくある話（いわゆる別件逮捕）ですが、その後の結末がいかにも悲惨です。人間の性がよく現れていた展開だったと思います。　原稿をカバンに入れるところで、カバンを底から２つに分解して、そこに原稿を入れる手口が紹介されていました。また、友達のうちで会話をするときにレコードを大きな音量でかけて会話を盗聴されないようにしていました。人間は極限状態になると色々考えるものです。脱獄ものなんかでもそうですが、こういう場面はとてもドキドキします。　■配役が絶妙　ヴィースラー大尉役のウルリッヒ・ミューエは１９５３年生まれですが、年齢よりもかなり老けて見えます。職務に忠実なしかしどちらかというと小心者の感じのヴィースラー役ははまり役だと思います。　ドライマン役のセバスチャン・コッホも適役ですね。何しろ姿形が凄くかっこいいです。　　クリスタ＝マリア・ジーグラント役のマルティナ・ゲデックはなかなか魅力的な女優ですが、胸が垂れているのが幻滅です。まあ４０歳を過ぎていますので仕方がないかもしれません。　文化部部長グルピッツ役のウルリッヒ・トゥクールもはまり役でした。もう少し憎々しげにすることは簡単でしょうが、敢えて抑えたところに意味があるかもしれません。悪の大物は、人当たりが良いということはよくあります。その代わりムプフ大臣がいかにも悪者として演じられていたところで、バランスが取れていたと考えられます。■最後に感動的な場面が　最後はあっけない結末を迎えます。またエピローグではちょっと感動する場面があります。この場面は是非映画館に足を運んで直接見ていただきたいと思います。　監督のフローリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクは１９７３年生まれで、この作品で初めてメガホンをとりました。この作品は２０００年から企画し、聞き取りなどの調査に４年、制作に２年をかけたそうです。少し突っ込みが足りないところもありますが、概ね丁寧な仕事ぶりが感じられました。欲を言えばもう少しシュタージの恐怖を感じさせて欲しかったですね。　　いずれにせよ、このようないわば暴露物が出て来るには２０年の歳月が必要だったのでしょうね。カチンの森での虐殺もソ連崩壊後に明るみになりました。ロシアでこのような作品が作られたと言うことは寡聞にして知りません。出るどころかまた元の全体主義に戻りつつあります。ソ連の過去が明るみに出るのは果たしていつのことになるんでしょうか。　公式サイト

2007年05月07日

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ジェーン・モンハイト：サレンダー

ジェーン・モンハイトのコンコード移籍第一作。ソニーでは結局２枚しかアルバムを作らず、最初の意気込みはどこへ行ったと思っていました。とくに２枚目のクリスマスアルバムは酷い出来でした。コンコードへの移籍は青天の霹靂でした。今回のアルバムではそれが功を奏していると思います。全編ストリングス入りの豪華なバックを得てのびのびと歌っていると思います。今回はスインギーなナンバーはなくバラードとボサノバそれに何故かムーンリバーという組み合わせです。総じてソニーでのデビュー盤と甲乙付けがたい出来ではないでしょうか。ジャズ度は下がっていますが、彼女の力量は確実に上がっています。■従来のべたべた感が一掃された爽やかさトゥーツ・シールマンス、イヴァン・リンス、セルジオ・メンデスという豪華スペシャル・ゲストを迎えての収録です。以前ボサノバのアルバム（Brazilian Nights）でフィーチャーされていたときと比べると、彼女特有の歌い方の癖やべたべたした感じが無く、ボサノバ本来の質感がかなり上手く表現されていると思いました。１曲目はボサノバの「If You Went Away」。この曲は個人的にはサラ・ボーンがデフォルトですが、あれほどねっとりしていません。モンハイトはゆったりとしたテンポでムードたっぷりに歌っています。リズムはあまり強調されず、ボサノバであることを忘れてしまいそうになります。２曲目は表題曲「Surrender」。Peter Eldridgeのオリジナルで、カントリーフレーバーを感じさせる曲です。彼女はエルドリッジが教えていた学生の一人で、「レインボー・ボール・ルーム」でのライブでも彼の作品「Around Us」を取り上げています。このアルバムの中では少し毛色が異なります。３曲目はイヴァン・リンスとのデュオ「Rio De Maio」ポルトガル語の発音もそれらしく、かなりいい感じです。特に情熱的にクレッシェンドしていくところしびれます。彼女の新しい面を見たような気がしました。４曲目のドリ・カイミの名曲「Like A Lover」。かなりゆったりとしたテンポで、切なくも美しいボーカルが聞かれます。途中で若干シャウト気味になりますが嫌味はありません。彼女の歌声を聞いているとラテン系の男性歌手のの引き締まった歌声を聞いているような錯覚に陥ります。５曲目は「So Tinha De Ser Com Voce」（君なしではいられない）。典型的なボサノバ・タッチで、ポルトガル語で歌われます。ストリングスは入らず、ギターとパーカッションののりがとても心地よいです。■So Many Starsが良いセルジオ・メンデスの名曲「So Many Stars」。これは以前のアルバム「Come Dream With Me」(N-CODED MUSIC)でも歌われていました。その時はテナー・サックス、トランペットを含むコンボの伴奏で、ジャジーな雰囲気でした。今回は柔らかい表現と濃厚な表情のコントラストがなかなか見事です。あざとくなる一歩手前でとどめている、その微妙なさじ加減が絶妙です。表現方法は違いますが、私の好きなナタリー・コールの歌にかなり肉薄する出来と聞きました。作曲者のピアノ・ソロもムードを盛り上げています。ヘンリー・マンシーニの名曲「ムーン・リバー」。たおやかなハミングと涼しげなストリングスの音色がベストマッチして、とても爽やかな「ムーン・リバー」に仕上がりました。ピアノとストリングスと一体になった演奏を聞いていると、映画の一場面でも見ているような感じになります。ボサノバとバラードの間にあってこのアルバム唯一のミディアムテンポのスティービ－・ワンダーの名曲「Overjoyed」が入っています。これもボサノバにアレンジされていて、他の曲との親和性に問題はありません。ここでの歌唱は、バックコーラスとの絡みを含め、かなり自由な展開を見せています。ここで聞かれるバックコーラスは彼女のアレンジによるものです。トゥーツ・シールマンスのギターをフィーチャーした「Caminhos Cruzados」。ここでは「Rio De Maio」もポルトガル語で歌っています。アルバムの中では比較的淡々とした歌唱を聴かせます。トゥーツのハーモニカは相変わらずいい味だしています。今年８５歳になりますが相変わらず元気そうで何よりです。ストリングスの透き通った響きからブラジルの浜辺を思い浮かべてしまいました。最後は、ジョニー・マンデルの映画「「殺しの逢びき」の主題歌「A Time for Love」が情感豊かに歌われます。ピアノ・トリオにストリングス主体のバックで、時折聞こえるフルート、ホルンがこの曲にピッタリです。アルト・サックスのムーディーなソロも綿上花を添えます。　■進歩の跡が見える歌唱　今回は彼女特有の癖や気になっていた発音のきついところが解消され、洗練度は確実にアップしてしています。　■心地よいアレンジアルゼンチン生まれの作曲家でアレンジャーのホルヘ・カランドレリのアレンジが実に素晴らしい洗練の極みです。（「So Many Stars」はセルジオ・メンデス）バーブラ・ストライザンド、トニー・ベネットなどのアレンジを手がけていて、クラッシク作品も作曲しています。その方面ではかなり有名な方のようです。　■これからの季節にふさわしい素晴らしいアルバムということで、これは素晴らしいアルバムになりました。今の五月のそよ風、文字通り「ブラジリアン・ブリーズ」、のような爽やかさを感じさせます。これは今年のＳＪジャズ・ディスク大賞ボーカル部門では確実に上位に入る出来だと思います。できるだけ多くの方に聞いていただきたいですね。■インタビューとライブの映像が見られるYou Tubeで今回のアルバムについて語っているインタビューを見ることが出来ます。Jane Monheit "CNN Pipeline" Interview以前からその兆候はありましたが、すっかりデブに成り下がってしまっていてがっくり。横幅は前の１．５倍は優にあります。これでは映像での登場は期待できません。それとも、この若さで２代目サラ・ボーンを目指しているんでしょうか。もっともサラは若かった頃はとてもほっそりしていましたが。。。また、AMAZON.COMでは「Surrender」と「So Many Stars」のヴィデオ・クリップを見ることが出来ます。ロケーションがどこかのレストラン・バーのようなところです。お客さんの入っていない状態です。ピアノトリオ＋ギター＋テナーサックス？のバックで歌っています。テナーは映らないので音だけでの判断です。バックが異なりますし、サウンド的にも厳しい条件ですので、ＣＤでのリッチな雰囲気とはほど遠く、あまり参考にはならないかもしれません。曲は「PlayList」のボタンをクリックすると選択できるようになっています。Jane Monheit:Surrender(Concord 0888072300507)1.If You Went Away2.Surrender3.Rio De Maio4.Like A Lover5.So Tinha De Ser Com Voce6.So Many Stars7.Moon River8.Overjoyed9.Caminhos Cruzados10.A Time For LoveJane Monheit(vo)Recorded at Capitol Studios,Holywood,CA(except So many Stars) Recorded at Wild West Studio,Malibu,CA(So many Stars)

2007年05月06日

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スパイダーマン３

　制作に３００億円をかけたというスパイダーマンの３作目が公開されました。子供達がとても楽しみにしてましたが、都合により公開の次の日に見に行くことになりました。夜の部でしたが、入りはよくこれからののびが期待されるのではないでしょうか。肝心の映画の出来ですが、ＶＦＸは大変素晴らしい物がありました。エピソードが多くて、ストーリー的には整理し切れていないところがあった様に思います。それでも、程々楽しめる出来だったと思います。ただ、これが最後とすると、エンディングが地味で物足りない事も確かです。■あらすじ　スパイダーマンとして市民の称賛を浴びているピーター・パーカー（トビー・マグワイア）。恋人のＭＪ（キルスティン・ダンスト）ともうまくいっている。ある日、ＭＪと蜘蛛の糸のハンモックの上でデートしていると、空から赤い火の玉が地上仁落ちてきた。落ちてから冷えると黒い謎の物体（シンビオート）がもぞもぞと動いている。ピーターとＭＪが帰るとき、シンビオートはバイクのナンバープレートに張り付いて一緒にピーターのアパートまでついていく。　　ピーターが父を殺したと思いこんでいるハリー（ジェームズ・フランコ）は、相変わらず執念深くピーターを襲撃する。戦いの末に、ハリーは地上に落ち心臓が停止してしまう。ピーターが病院に運び、何とか一命を取り留める。しかし、最近の記憶を失ってしまう。ピーターやＭＪとの中もあまり覚えていない。そのため、ピーターとハリーは昔のような親友の関係に戻る。　　場面変わって、ピーターの伯父を殺した容疑で刑務所に入っていたフリント・マルコ（トーマス・ヘイデン・チャーチ）。娘に会いたいがため刑務所を脱出する。しかし、妻に出ていくよう言われ失意のうちに、再び逃亡の生活に戻る。警察に追いつめられたマルコは素粒子物理研究所の敷地内に逃げ込む。そこでは今まさに実験が行われようとしていた。　　実験が開始されフリント周りをぐるぐる回る装置のためそこを出ていくことが出来ない。そうしているうち体が見る見るうちに砂になってしまう。実験が終わり暫くして何故か復活する。しかしそれは人間の形をしているが自由に形を変えることが出来るサンドマンの誕生であった。　　一方、スパイダーマンを執拗に追いかけるカメラマン、エディ・ブロック（トファー・グレイス）は何かとピーターと張り合うことになる。そこで、デイリー・ビューグル紙編集長はスパイダーマンの悪事を暴いた方を社員にしてやると約束する。　　エディは特ダネものしたことで、社員になるが、ピーターに捏造であることを新聞社の職場の中で暴露され、おまけに恋人のグウェン・ステーシー（ブライス・ダラス・ハワード）もピーターに奪われ、ピーターを逆恨みする。　　ピーターがスパイダーマンのコスチュームを着て寝ているときに、シンビオートが全身を覆う。気がつくと全身が黒いスパーダーマンに変身してしまっている。シンビオートは宿主の能力だけでなく邪悪な心を増幅する作用がある。ピーターの運動能力は向上する。しかし、邪悪な心のため、ＭＪの働くレストランにエディの恋人と行き、ＭＪが歌おうとするところを邪魔して自分がショーに割り込み喝采受け、ＭＪの心を傷つけてしまう。　　サンドマンは娘の治療費を稼ぐために現金輸送車を遅うが、スパイダーマンが現れ現金を奪うことはおろか、大量の水を流されて排水溝の中に消える。　　自宅に帰ったハリーは、父親の肖像から聞こえてくる声によって記憶を回復し、ピーターへの復讐心をたぎらせる。。。　■ＶＦＸが最高！　戦いの場面が数多く出てきますが、どの場面もＶＦＸが素晴らしいです。サンドマンと地下鉄がすれ違う場所での戦いで、電車にサンドマンの顔をこすりつけて、次第に顔が減っていくところなど全く見事です。これを見ていたらターミネーター２の敵役のＴ１０００の断末魔の表情を思い出しました。また、サンドマンが排水溝の中から再生する場面もＴ２の影響が伺えました。　戦いの場面での目まぐるしく切り替わるカットとそのスピード感は迫力十分でした。ジェットコースターに乗っているような気分になるところもあり、一歩間違えると気分が悪くなりそうです。　それに、サンドマン誕生のシーンでの、フリントの肉体に何が起こっているかがよく分かるようなＣＧも素晴らしかったです。　ＶＦＸに関してのこだわりはよく分かり、これだったら３００億円かかるのも無理はないと思わせる出来でした。■魅力的でないヒロイン達　ＭＪは前々からあまり好きではありません。その理由はとくに美人というわけでもないし、演技にも惹きつけられるものがなかったためです。今回はそのダサさがス多少解消されていましたが、まだまだ不満です。初登場のグウェン役のブライス・ダラス・ハワードも美人なのでしょうが、あまり魅力的ではありませんでした。　個人的には、ピーターの伯母役のローズマリー・ハリスのすべてを包容するかのような演技と編集長J・ジョナ・ジェイムスン役のＫ．Ｊ．シモンズの破天荒ぶり、それに秘書ベティ・ブラント役のエリザベス・バンクスのキュートな魅力に惹かれました。　　■ストーリーに無理が　終盤、ハリーの執事がピーターと父親のことをハリーに話します。何故それまで言わなかったかの説明が全然なく、辻褄合わせのような不自然さを感じてしまいました。　　また、エディの恋人グウェン・ステーシー（ブライス・ダラス・ハワード）がピーターと大学で一緒であることもわざとらしいです。ＭＪがミュージカルに出ていることも単なるエピソードで物語の本筋には全く無関係です。　　素粒子物理研究所でのサンドマンが誕生するシーン。実験が何をするのか説明がありません。それに実験場が外にあり、フリントが紛れ込んだときもスタッフが鳥が入ったと勝手に思いこむという設定はいかにも安易です。■これで終わり？　ドレスアップしてＭＪが歌うレストランにピーターが登場する最後のシーンは別になくても良かったような気がします。主役の３人が破壊されたビルの瓦礫の中に佇み寄り添い合っているところで、ビルの谷間から朝日が輝いてくる光景はとても絵になる美しいシーンでしたので、ここがエンディングでも良かったような気がしました。　　最後がどうにも尻窄みで終わった感じがあります。これで終わりとはなんとも中途半端です。今回はエピソードが多すぎて、無理矢理つじつまを合わせた部分があり、かなり苦しい展開となってしまいました。もう少し整理したほうが良かったのではないでしょうか。　それでも、ＶＦＸは最高ですし、人物の描き方も前よりは深みがあったと思います。一緒に見た子供達には概ね好評だったので、不満を持ったのは私だけのことだったのかもしれません。いずれにせよ見て損はない映画だと思います。公式サイト

2007年05月05日

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カイルベルト：ワーグナー「ワルキューレ」

昨年のレコードアカデミー賞を受賞したリングの中の一枚。もともと古い録音にはあまり関心がなく、最初はその存在すら知りませんでした。この度の受賞によってこのＣＤの存在を知ったような次第です。それでも買う気はまるでなかったのですが、AMAZON.COMの「４５％ＯＦＦ」につられて買ってしまいました。演奏はなかなか優れていると思います。録音は評判通り生々しい録音ではありますが、響きが混濁するところがあります。また、弦は良いんですが、金管の音色を聞いていると何故か昔の古いハリウッドあたりの映画の古めかしいサウンドを思い出してしまって、具合が悪かったですね。様式が古めかしいこともあり、今まであったシュルティ、カラヤンなどと同列に論ずる気にはなりませんでした。とにかく金管がオーバーブロー気味ではっきり言ってやりすぎだと思います。音楽が乱暴になってしまっています。それに、カイルベルトと思しきドンドンと足を踏みならす音が時々聞こえるのが気になります。演奏には若干のズレが見受けられる部分がありますが、目立つミスはなく（魔の炎の音楽でのホルンの遅れがちょっと気になりますが。。。）、昔のライブにしてはかなり完成度の高い上演だと思います。　カイルベルトは１９５３年にクレメンス・クラウスとのダブルキャストで指輪を振り、以後１９５５年まで続きます。その後は、和解したクナッパーツブッシュに引き継がれます。「ニーベルンクの指輪」というと登場人物が多く、訳が分からなくなります。私は今もって、登場人物を全部覚えられません。おまけに筋もあまりよく理解できていません。さらに古い歌手やカイルベルトについても詳しく知りません。という訳の分からない人が書くレビューですので、眉につばを付けて読んでくださいませ。　■見事な歌唱　新バイロイト様式の前期を代表する歌手陣が揃っていて見事です。年齢が３０代から４０代で、彼らの全盛期でもあると思います。現代はいわゆるワーグナー歌手といっても、リリカルな歌が主流（何しろドミンゴが歌っているくらいですから）になっていますが、いにしえのワーグナー歌手達のたくましい歌唱も悪くないです。また、この録音が行われた年の前後数年間は同じようなキャストですので、アンサンブル的にも練られた状態だったと思います。　　バルナイのブリュンヒルデ、ホッターのボータン、フンディングのヨーゼフ・グラインドル等々でこぼこが少なくとても平均値の高い歌唱です。ホッターの若々しい声は素晴らしいですが、これだとどちらかというとナイーブな悩めるヴォータンという感じで、力強い場面では少し弱々しいように思います。ジークムントのヴィナイは声が立派すぎて、ジークムントの内省的な面が弱められていたように思います。ジークリンデのグレ・ブロウェンスティーンは細かいビブラートと暗い音色のためジークリンデが老けたようで、個人的なイメージと違っていました。　フンディングのヨーゼフ・グラインドルは申し分ないです。その周囲を圧倒する深々とした低音は凄みすら感じられます。　■引き締まっているカイルベルトの指揮　カイルベルトの指揮は引き締まっていて、緊迫した場面での劇的な表現にも不足はないです。　特に第３幕「ヴォータンの告別」の場面では、金管のやりすぎを除けば演奏の高揚感は例えようもなく素晴らしいです。欲を言えば若干官能性が不足しているように思います。特に第１幕のジークリンデとジークムントのデュエットに顕著だったと思います。もっとも、ジークリンデの声が老けているため、青春のときめきがさっぱり感じられないことにも原因はあります。　総じて、カイルベルトの指揮では叙情的な場面での掘り下げが弱い感じがします。もっとも、当時の演奏様式からいえばこんなものかもしれません。現代の演奏様式になれている耳の判断で、昔の演奏を云々するのが間違っているという事もあると思います。　■古のドイツの音が聞こえる　バイロイト祝祭管弦楽団の演奏は、重量感があり、腰の座った往時のドイツらしいオケの音色が聞かれます。第２次世界大戦が終わってまだ十年経っていないので、まだ国際化されていないドイツらしい深々とした響きは残されていると思います。弦の厚み、特に時折聞かれるチェロの雄弁さは圧巻です。　　クラリネットやオーボエの鄙びた音色は古くさい中にも懐かしさが感じられます。金管は音程の悪さが結構気になりました。それにもまして、テュッティでのトランペットのプッツンしたような気違いじみた強奏が不快です。（私も結構しつこいですね（＾＾；）何故、豊かさを失うまであれほど強く吹かなければならないのか全く理解出来ません。　■素晴らしい録音　この録音はデッカのピーター・アンドリー（当時　後にＥＭＩに移籍）を中心としたチームによるもので、世界初のステレオ録音だそうです。ショルティのスタジオ録音が数年後に出たため、お蔵入りになったという事情があります。　一方ジャズでは翌１９５６年にコンテンポラリー・レーベルがステレオで初録音を行っています。それを聴くと現代でも十分に通用する音です。それは編成が小さい、ダイナミック・レンジが狭いという条件にもよると思います。　それに対し、このような大編成オケに声が加わる、しかもライブという悪条件を考えると、かなり健闘していると思います。今日の耳で聞いてもさほど古さが感じられません。テープヒスもさほど目立ちませんし、当時のデッカの録音が当時としては最先端を行っていることを表す仕事だと思います。古い録音の愛好家にとってはとても貴重な録音であることは間違いないところでしょう。　■新バイロイト様式　このレビューを書くに当たって、Wikipediaで調べたら、新バイロイト様式は、戦後お金が無くてセットを作れなかった時に考えられた苦肉の策だったそうです。これに不満なカラヤンは再開された翌年にバイロイトを去りました。クナッパーツブッシュも辞めようと思っていたところ、クレメンス・クラウスが１９５４年に死去したため、ワーグナー家に引き留められたという事情があったそうです。このWikipediaの内容は結構面白いので、ご興味のある方はご覧になったら如何でしょうか。Wagner:Die Walkure(TESTAMENT SBT4 1391)Astrid Varnay(s)Hans Hotter(Br)Gre Brouwenstijn(s)Ramon Vinay(tn)Josef Geindl(bs)Orchester der Bayreuther Fsetspiele,Joseph KeilberthRecorded 25,July,1955 at the Festspielhaus,Bayreuth

2007年05月04日

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菊池成孔がＮＨＫでマイルス・デイビスについて講義

「東京大学のアルバート・アイラー」という東京大学での講義録を出版している菊池成孔がＮＨＫ教育の「知るを楽しむ」に出演します。５月放送分全４回にわたって出演するもので、とても興味をそそるものです。題して「マイルス・デイビス　帝王のマジック」。内容から行って、マイルスのあゆみを辿るものになると思います。しかし、表題からして意表をつかれます。おそらくありきたりの内容とはとても思えません。氏の蘊蓄を傾けた博識ぶりが見られるかと思うととても楽しみです。NHK「知るを楽しむ」私のこだわり人物伝マイルス・デイビス帝王のマジック第1回　お坊っちゃまとジャズの革命2007年5月8日放送　22:25～22:502007年5月15日再放送　5:05～5:30第2回　「帝王という名の王子様」の誕生2007年5月15日放送　22:25～22:502007年5月22日再放送　5:05～5:30第3回　帝王の危機 / 王子の変身2007年5月22日放送　22:25～22:502007年5月29日再放送　5:05～5:30第4回　「セレブ」としての晩年2007年5月29日放送　22:25～22:502007年6月5日再放送　5:05～5:30

2007年05月03日

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げげげの鬼太郎

当初はあまり興味がなかった映画でしたが何回か予告編を見ているうちに見たくなりました。連休中ということから子供達が大勢来ていました。いろいろなキャラにピッタリの俳優を揃え、漫画とはちょっと違っていますがそれなりに面白かったと思います。もっとも、あの水木ワールドを実写で描くことはかなりの困難さが予想されます。そういうことを考えると、かなり良い出来だと思います。■あらすじ　団地に住む奨学生の三浦健太（内田流果）が妖怪ポストに投函した手紙が鬼太郎（ウエンツ瑛仕）のところに来る。その手紙によると、団地の付近でテーマパークが建設されていて、裏山の稲荷神社が解体されてからというもの、団地には妖怪達が出没し住民を恐怖と混乱に陥れているという。　　一方ネズミ男は神社で寝ていたところ床が抜けて地中に落ちてしまう。そこで、妖怪石をみつける。これは、織田信長、天草四郎などの邪心と滅ぼされた妖怪達の数千年の怨念が宿った物だった。修行を積んだ妖怪が手に入れると、巨大な力を持つことが出来る。しかし、心の弱い者が持つと、その強大で邪悪な心に取り憑かれてしまう。　　がめついネズミ男は妖怪石を質屋に入れてしまう。そこに、会社をリストラされ、お金に困った健太の父晴彦（利重剛）が亡くなった妻の指輪を質入れしようとやってくる。妖怪石を目にした晴彦は妖怪石の魔力に取り憑かれ、それを盗んでしまう。家に帰っていない晴彦は、健太を呼びだし、妖怪石を誰にも言うなと言って健太に預ける。　　質屋の通報で晴彦は逮捕される。姉の実花（井上真央）と団地に帰った健太は家に警察が来て家宅捜査をしていることを知る。妖怪石について知らないかと問いただされた健太は知らないと言うが、疑いを持った刑事は警察に連れて行こうとする。そこに、健太の叔父と称する人物がやってくる。　　叔父の説明により何とかその場は収まるが、叔父は食事に連れて行ったり、物を買ってやったりと、どうも行動がおかしい。そのうち妖怪石のことをしつこく聞き石を出せと迫る。　　実は叔父は人間界と妖怪界を支配しようとする空狐（橋本さとし）だった。健太の危機に駆けつける鬼太郎。話は、鬼太郎と空狐との戦いに発展していくのでした。。。　■キャラが漫画に酷似　猫娘、砂かけ婆（室井滋）、子泣きじじい（間寛平）、ネズミ男（大泉洋　キモイ！）など漫画を彷彿させるキャラが続々登場しました。どのキャラクターも漫画そのものではないですが雰囲気がかなり似ています。とくに田中麗奈の演ずる猫娘は漫画そっくり（目玉はちょっと違いますが）だったと思います。　　ウエンツの鬼太郎はちょっとかっこうよすぎでそれほど似ていると思いませんでした。しかし、人間と妖怪の狭間で揺れ動く心理状態を上手く演じていたと思います。　　目玉オヤジはＣＧでしたが上手くできていたと思います。声は田の中勇で漫画の通りだったので、何故か安心してしまいました。　　塗り壁も良かったです。逃げていく鬼太郎を援護するために狐たちの行く手を防ぐ役割で、壁にぶつかった狐を壁に塗り込めるシーンは笑えました。　　圧巻は、墓の下倶楽部に集まった妖怪が踊る場面です。ダンシング・クイーンがろくろ首（ＹＯＵ）。気持ちが悪いといってしまえばそれまでですが、皆さんどことなく愛嬌がある表情で、何とも言えない異様な雰囲気がありました。この映画一番の見所でしょう。それに、妖怪大法廷の場面も妖怪達が大勢いて、なかなか迫力がありました。　妖怪というのは日本独特の文化だと思いますが、外国の方にはなかなか理解しにくいものではないでしょうか。勿論小泉八雲の例がありますが、この映画を見てもらったほうが理解が進みそうな気がします。既に、ドイツ、香港、台湾など１０か国・地域での上映が決まっていて、今年のカンヌ映画祭でも紹介されるそうです。多分、怪獣映画と同じ感覚で見られるのではないでしょうか。また、原作のじめじめした雰囲気が殆ど感じられない割には神秘性はあるので、以外に受けそうな感じがします。■素晴らしいＶＦＸ　香港の「セントロ・デジタル・ピクチャーズ」を初めとする２０社以上２００人を超えるスタッフ作り上げられたＶＦＸが日本映画としてはなかなかの出来でした。とくに半透明の「べとべとさん」の質感は優れていました。また、一反木綿も良くできていました。飛んでいるいる場面ではバックの処理に若干違和感を覚えましたが、あのふわふわした質感は絶品でした。　■黄泉の国の描写が優れている　実花の父親が病気で亡くなった後、輪入道（西田敏行）と鬼太郎らの尽力で黄泉の国に会いに行く。その時の黄泉の国の描写はいかにもそれぽい感じでした。死人はみんな青ざめていて下を向いてとぼとぼ歩く様はいかにもという感じでしたね。その時の風景が灰色がかっていて、その雰囲気を一層強調していたと思います。公式サイトでは通常の映画のサイトで見られる内容の他に、妖怪図鑑、墓の下倶楽ブログ、目玉オヤジのデスクトップマスコットなど盛りだくさんのサイト。早速目玉オヤジのマスコットをダウンロードしました。

2007年05月02日

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盛岡シティーブラス第２０回定期演奏会

　久々にシティーブラスの演奏会に行って来ました。今日は余裕だと思いつつ会場に入ったら、誰もいません。階段を上って見ると、開場が２時半と書かれています。しまったと思ったのも後の祭り。時間を間違えて、１時間も早く来たことに気がつきました。　プログラムを見たら２０周年だそうです。一口に２０年といっても大変な年月です。私はこの楽団とは無関係ですが、創設当時のごたごたは人づてに聞いていて、大変だなあ～と思っていました。その後優れた指揮者を得て吹奏楽コンクールの全国大会にも行ったことがあります。最近は長らく低迷していたと思います。しかし、今回は力のこもった全盛期の実力を彷彿とさせるような出来だったと思います。途中ＯＢ，ＯＧとの合同演奏の時に創立以来のメンバーが紹介されました。５人ほどはいたと思います。よくもったというかやはり好きなんでしょうね。それから周りの人間関係を含めた環境が良かったこともあると思います。こういうのは、音楽が好きなだけでは何ともなりませんから。。。　今回はハーシェンの「ディベルティメント」を聴きに行くことが目的でした。以前、アメリカ空軍バンドの２０００年のミッドウエスト･クリニックのライブ盤（廃盤）で親しんでいたもので、実演で聞いたことがなかったからなのです。　ジャズやブルースの要素がたっぷりと詰まった楽しい曲で期待して聞きました。少し遅めのテンポで、若干腰の重い表現でした。それでも「Manbo Loco」での６名のパーカショニストによる華やかなパーフォーマンス、最後の「March of the Little People」の楽しげな表情など、この曲の良さを実演で味わえたのは嬉しかったです。　合同演奏のリードの「エル・カミーノ・レアル」は分厚い響きと安定した演奏技巧で、楽しませていただきました。このような昔はやった作品を聞くときに感じる気恥ずかしさがなく、テンポもメリハリがあって古さを感じさせない演奏だったと思います。　スパークの「メリー・ゴーラウンド」では趣向を凝らした（凝りすぎ？）パーフォーマンスが見事でした。通常見られる振りよりも進化した形で練習も大変だったと思います。ホルンが吹きながら体を回転させ、さらにパート全体で円を描くようにぐるぐると回っている振り付けはとても新鮮でした。ところで、チューバが寝て吹いていたのは、カナディアン・ブラスのパクリでしょうか。どうせなら３人とも寝て吹いて欲しかったです！？　第１曲目のジョン・ウイリアムズ作曲の映画音楽「ニューイングランド賛歌」はニューイングランド地方の雄大な風景を思わせる音楽だったと思います。でも、これを書いている日には綺麗さっぱり忘れてしまっています。ということは、全く印象に残っていないと言うことでしょうか。　　ホルストの第１組曲を２０周年にもってくるその意図は、おそらく初心に戻ろうということではないでしょうか。それにしても、この曲を大編成で遅いテンポで思い入れたっぷりにやるのはもう時代遅れの感じがします。因みに指揮者の佐川聖二さんはこの曲の「マーチ」で「中学時代（山王中）初の県大会予選落ちを経験した」と仰っていました。ある意味、氏の思い出の曲でもあるわけです。　　最後はチャイコの序曲「１８１２年」。数十年前の演奏会での演奏の傾向はこのようなものではなかったかと、聞きながら考えでしまいました。テンポが遅く、金管が咆哮する様な演奏は、いまどき流行らないと思います。「ボロディノの戦い」といわれることもある「Allegro giusto」の部分では、急にスピードを上げたため、楽団が追いついていけませんでした。　　演奏自体はそんなに悪くはありませんでした。いかんせん様式的に古すぎて耐えられないというのが個人的な感想です。このような様式が通用したのは過去のことになってしまいました。近くの楽団が最先端に近いことをやっているのに比べ、この団体がこの状態では寂しくなります。　　技術的には以前の低迷期を脱したと思いました。ただ、昔ながらの方がトップを吹いて、相変わらずのミスをしているのを聞くにつけ、さらなる世代交代を図る必要があると思います。　　ところが、この文章を書いた後でメンバー表を確認したところエキストラ７名とＯＢ２５名と大分水増しされています。合同演奏の１曲以外にもＯＢが多数参加していました。トランペットが２，ホルンが３ですので、かなり厳しい状況だと思います。これを見ると、実際の実力がどれほどであるか今回の演奏会からは分かりません。　　アンコールは「アフリカンシンフォニー」、佐川氏のクラリネットをフィーチャーした「レッツ・ダンス」、トリオに「蛍の光」が使われているスーザの「由緒ある名誉砲兵中隊」が演奏されました。　　「アフリカン・シンフォニー」と佐川氏が曲名を伝えた瞬間、わっと黄色い歓声が上がりました。中学生の方々はこの曲が好きなようですね。　　「レッツ・ダンス」では佐川氏の軽妙なスイング・ジャズが結構様になっていました。　ということで、いろいろと問題もありそうな感じですが、これからも地道に活動を続けていってほしいと思います。　盛岡シティブラス第２０回定期演奏会第１部１．ニューイングランド賛歌（Ｊ．ウイリアムズ）２．バンドのためのディベルティメント（Ｉ．ハーシェン）　l.ラグタイム　ll.ブルース　lll．マンボ・ロコ　Vi．スーザンの歌　V．子供のマーチ３．エル・カミーノ・レアル第２部１．メリー・ゴー・ラウンド（Ｐ．スパーク）２．吹奏楽のための第１組曲（ホルスト）３．序曲１８１２年（チャイコフスキー／木村吉宏編）アンコール１．アフリカン・シンフォニー　２．レッツ・ダンス３．由緒ある名誉砲兵中隊　　　２００７年４月２９日　盛岡市民ホールマリオス　１５列２５番で視聴

2007年05月01日

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