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音楽雑記帳＋　クラシック・ジャズ・吹奏楽

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2010年06月の記事

全25件 (25件中 1-25件目)

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よくやった日本！

　ついに終わってしまいました。　今回のＷ杯ではいつも感じるはらはら感がなく、勝ちそうな予感ばかりでした。負けたオランダ戦にしても、あまり負けた気がしませんでした。いよいよ、決勝リーグに進出しての試合でしたが、今日の試合はドキドキ感が少しあり、嫌な予感がしました。延長までは、再三のピンチを防いで、なんとかＰＫに持ち込んだのですが、５－３で万事休す。残念ながら予感が当たってしまいました。報道を見ると、駒野のＰＫミスはトラウマになるだろうと書かれてありました。確かに、そうなるかもしれませんが、こんなことを書かれると、意気消沈している人間の傷口に塩を摺りこむような冷酷さに腹が立ちます。幸い、報道を見る限りでは、彼に対する批判はないようですので、日本人の温かさが失われていないことがとても嬉しかったです。以前コロンビアのＤＦのエスコバルという選手がオウンゴールで負けたため、帰国後その試合に賭けていたマフィアに銃殺されたという事件もありました。アメリカ大会決勝では、イタリアのロベルト・バッジョがＰＫをはずしてブラジルに負けてしまったこともありました。そういうことを考えると本当に日本人の心の温かさはまだ廃れてはいないように思います。　今回、日本の躍進についての論評が出始めました。　一番の原因についてチームの一体感をあげる向きが多いようです。確かに、メンタル面での一体感はチームの勝利への貢献度として大きかったと思います。ただ、それだけではありません。まず、けが人がほとんど出なかったこと。試合後半になっても運動量が落ちなかったことなどがあげられます。総走行距離は4試合でアメリカに次いで２位の４６４・５２キロに達したそうです。今回は高地トレーニングの専門家である杉田正明・三重大准教授を帯同させ、コンディショニングに万全を期したことが、この結果につながったと思います。また、２名の分析担当者の収集したデータを分析し、それを生かしたスタッフの力も素晴らしかったと思います。それにしても、この大会を見ていると、監督の力量が如何に重要であるかを感じたこともありませんでした。戦術眼とそれを実現するための胆力、岡田監督にはそれがあったのだと思います。岡田監督は昔から、だめだと思ったら、すぐにより良い戦術に転換する思い切りの良さがあったそうです。この大舞台で、土壇場になってからフォーメーションを変えるという度胸は勝負士に不可欠のものだったと思います。また、オシム前監督が行っていた「水を運ぶ人」が日本チームに大勢いました。ここに至って、オシム監督の教えが浸透したかと、感慨い深いものがありました。　一方、課題も見えてきたと思います。　それはやはり、決定力です。これだけは個人の力によるものだけに、どうすればいいのか、今後の課題であります。色々な要素があると思いますが、多角的に分析して、是非その課題を克服してほしいと思います。なにはともあれ、お疲れさまでした。ゆっくり、お休みください。

2010年06月30日

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９（ナイン）～９番目の奇妙な人形

　シェーン・アッカー監督の商業作品の初監督作品。　この映画の成り立ちは有名ですので、あまり繰り返しませんが、本作品のプロデューサージム・レムリーがアッカー監督のＵＣＬＡでの同名の卒業作品のＤＶＤを見たことがきっかけで、ティム・バートンとティムール・ベクマンベトフという二人の監督の資金援助などを得て、1時間半ほどの商業作品として生まれ変わりました。人類滅亡後残された９つのロボット。彼らは、作った人間の意志を持ったロボットだった。それは、同じ人間が作ったマシーンと呼ばれる、ロボットを製造するロボットが人類を破滅に追い込んだため、それに対抗するべく作られたロボットたちだった。９が目を覚ますが、何もわからない９は間違って、マシーンを蘇生させてしまう。破壊を繰り返すマシーンと９たちの戦いが始まる。。。■ロボットたちのキャラクターが面白い　目が潜水服の目の部分で、瞳がカメラの絞りみたいに閉じたり開いたりする仕組みで、おまけにその時には音までします。　地肌が麻を粗く編んだような感じで、なかなかリアルです。ファンの間では「スティッチ（継ぎはぎ）パンク」と呼ばれているそうです。　前半、９たちを襲う猫ロボットは、動作が恐竜みたいです。　９が空き缶に避難している場面で、空き缶の破れ目から、頭を入れて、中の様子をうかがう様は、「ジュラシックパーク」でティラノザウルスが、車の中を覗き込むシーンそっくりで、笑ってしまいます。　ロボットたちの中ではリーダー格の「１」の目が他のロボットとは違って細く吊りあがっています。　なにやら、魔術師みたいな妖しげな雰囲気を漂わせています。また、グループの用心棒の「８」はなかなか愛嬌のある顔をしています。グループの中で一番おいしい役は女戦士の「７」。勇敢で、すご腕の戦士で、とてもかっこいいです。　マシーンは一つ目に手足がついたようなデザインで、あまり魅力的ではありません。　■映像が美しい　深みのある色調で、立体感も十分です。　特に、暗い場面での色彩は深みがあり、とても美しく、丁寧な仕事ぶりが目立ちます。■素晴らしい音楽　デボラ・ルーリーとダニー・エルフマンによる管弦楽は、スターウォーズの音楽のような壮大なスケールで迫ってきます。　これほどの音楽がなかったら、感動も半減するだろうと思われるほど、優れた映画音楽だったっと思います。　ということで、素晴らしい作品です、　大人でも十分に楽しめる作品として、是非ご覧頂きたいと思います。　　公式サイト　

2010年06月29日

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ザ・ウォーカー

　原題は「THE BOOK OF ELI」（イーライの本）で、原題の方が内容をよくあらわしています。「ザ・ウォーカー」では何のことやらよくわかりません。　ところで、先週の新聞に、この映画の監督アルバート・ヒースのインタビューが載っていました。それによると、制作のジョエル・シルバーに勧められて見た「座頭市」が気に入り、「座頭市」シリーズをすべて見るほどの大ファンになったそうです。特に影響を受けたのが格闘シーンだそうです。この映画でも、道路の高架下でシルエットになった登場人物たちが演ずる殺陣をロングショットでとらえた一風変わった風景は、この映画の中で特に強い印象を受けるシーンでした。ただ、凄まじさを感じるのではなく、シュールな風景を見ているような不思議な感覚を覚えました。　ストーリーは、旅人が旅の途中に着いた町に住む美しい女性を守るために悪人どもをやっつけて、その女性が後を追うみたいな、ありふれたものです。　　ただ、舞台が、オゾンホールのために紫外線が降り注いで死に絶えた人類の生き残りが生息する荒れ果てた大地で、旅人がひたすら西に向かっている、ということが、謎めいていて、設定として新鮮味はあったと思います。何時しかザ・ウォーカーと呼ばれるようになった旅人（デンゼル・ワシントン）が、人にも見せないで大事に持っている本と、悪の街を支配するカーネギー（ゲイリー・オールドマン）が支配を盤石にするための本が同じで、その本の争奪戦が繰り広げられます。　色調が全編セピア色で、いかにもそれっぽい雰囲気を漂わせています。大半がＣＧなのでしょうけれど、あまり大げさでないところが、いかにもありそうな感じがしました。■キャストが充実　主役のデンゼル・ワシントンは台詞があまりありませんが、すご腕で問答無用で弓矢や蛮刀をふるうシーンは迫力があります。　ウォーカーを慕う少女ソラーラ（ミラ・クニス）は美人ですが少しバタ臭いマスクとワイルドな演技で、印象が鮮烈です。敵役のゲイリー・オールドマンも悪党ぶりを万全な演技で演じています。カーネギーの右腕として彼を支えているレッドリッジ（レイ・スティーヴンソン）の重厚な演技も印象的でした。ソラーラの盲目の母親クローディアを演じていたのがなんと「フラッシュ・ダンス」のジェニファー・ビールでしたが、清楚な演技がとても魅力的でした。それから、砂漠の一軒家に住む老夫婦（フランシス・デ・ラ・トゥーア、マイケル・ガンボン）の不気味でいかにも胡散臭い演技も印象に残りました。■途中でネタばれになるのは？？？　守っている本が何の本か、途中で分かってしまうのは、賛否両論が出そうです。　個人的には、わかってもいいのですが、ちょっと伏線が多すぎてわかってしまうのが早くなるのはどうかと思います。ただ、最後のどんでん返しは面白いトリックでした。また、ウォーカーが最後にたどり着いたところが、意外なところで、「猿の惑星」が実は地球だったのと同じように感じてしまいました。すべてが明らかになったシーン以降は、緊迫感がなくなり、ちょっともったいない感じがしました。見る側としては、めでたしめでたしで悪くはないのですが、その部分は思い切ってそぎ落として、殺伐たる雰囲気のまま終わるのも悪くないと思いました。ＤＶＤになった時には、ディレクターズ・カットとして、結末部分を削除したヴァージョンを作ってほしいと思います。　ということで、あまり期待していなかったのですが、見に行ってよかったと思います。　ささくれ立った、雰囲気がなかなかよく、この味わいは、やみつきになりそうな怪しい魅力に溢れています。公式サイト　

2010年06月28日

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田部京子ピアノ・リサイタル

　名前だけは知っていましたが、実施の演奏は聞いたことがなかった田部京子のリサイタルを聞く。　中堅どころとして、確固たる地位を築いていると思います。実際に聞いてみて、なるほど、それだけのことはあるなと思いました。とにかくミスが少なく、演奏に安定感があります。前半はおそらく、ゼロ、後半２，３回ミスタッチがありましたが和音の中の内声でしたので、あまり目立たなかったと思います。　プログラムは生誕２００年のショパン、シューマンを交えた、比較的軽いプログラムです。　最初は２枚のアルバムを録音しているお得意の吉松隆のプレイアデス舞曲集から３曲。この曲名ですが、プレアデスと思いこんでいましたが、今回このブログを書くときに調べていたらプレイアデスであることに気がつきました。またまた、勘違いをしていたところでした。。。最初の「線形のロマンス」ではハンマーが弦をたたく音（ハンマーノイズ）が聞こえてきていささか興ざめでした。どうしてこういうのを許しているのか、理解に苦しみます。また、今回のピアノは音が前に出てこないし、地味な音で、反応が鈍い感じで、演奏者にとっては些か気の毒だったと思います。こういう場合、自分で楽器を選べないピアニストはつらいと思ってしまいます。この曲集の中では、２番目に演奏された「鳥のいる間奏曲」の真夜中に稲妻が光るように急速調のパッセージが鮮やかに炸裂する様はなかなか鮮烈でした。前述のようにこのような曲を演奏するピアノとしてはちょっと不向きだったと思います。もっと澄んだ音色でタッチに即座に反応するようなピアノであったら、一層素晴らしかっただろうなと思うと、とても残念でした。２曲目は、有名な「ロザムンデ」の第３幕の間奏曲の主題を使ったシューベルトの作品１４２の即興曲の第３番。シューベルトの即興曲の中では最も大規模な曲です。シューベルトらしい、ゆったりとした温かみのある演奏でした。各変奏もきっちりと弾き分けられていて、とてもよかったと思います。ただ、ダイナミックレンジは狭く、その点で些か物足りないと思います。続いては、メンデルスゾーンの「無言歌」から「ないしょの話」と「ヴェネツィアの舟歌第２番」。「無言歌集」は以前からＣＤを持っていたのですが、あまり聞いたことがなく、今回も取り立てて印象的なところはなかったと思います。前半最後の曲もメンデルスゾーンで「厳格なる変奏曲」。最近メジューエワの演奏でメンデルスゾーンのピアノ曲に開眼した私ですが、そのアルバムで最も気に入ったのがこの曲。生来明るい性格であると思うメンデルスゾーンの思索的的な面を表した傑作だと思います。悲しみを帯びた主題がとても印象的なだけに、どのようなテンポで演奏するのか興味がありました。感情移入することもなく、変奏曲として淡々と弾かれていました。今回は、岩手県ピアノ音楽協会の主催ということもあってか、教育用としてよく取り上げられるこの作品がプログラムに入っていたかのかもしれません。　後半は、シューマンの作品。　今年はショパンとシューマンの生誕２００年なのですが、ショパンばかりが華々しく喧伝され、シューマンはショパンの添え物扱いです。作品数が少なく、作品自体が地味なものが多いことも影響しているとは思います。何しろ、シューマン自体がラテン文化圏ではあまり受け入れられていないようで、そういう意味で扱いが地味になるのもしょうがないかもしれません。最初は、「トロイメライ」。主催者のリクエストでしょうが、これ１曲ではいかにも付け足しみたいな感じで、ないほうがよかったと思います。　続いては、初期の傑作「謝肉祭」。　田部京子は一昨年からシューマン・ツィクルスを録音していて、その中の１曲です。前半はのびのびしていたのですが、この曲では所々窮屈そうに弾いているところがあり、やはり難曲の部類に入るのだろうなと思いました。思うに、ピアニストの生理とちょっと違う弾きかたをさせるところがあるからではないでしょうか。曲は、変幻自在に変化する万華鏡のような音楽で、楽しいことは楽しいのですが、形式感がまるでなく、いまどこをやっているのかなどまるでわからなくなってしまうところがあります。今回の演奏では、曲ごとのメリハリがあまり付けられていないことも、そのように感じる原因の一つかもしれません。特に、明るく軽快な曲のノリがいまいちで、あまり元気がありません。それに、ダイナミックスも不足しています。この曲の一つのクライマックスであろう「踊る文字」でもあまり盛り上がりが感じられませんでした。終曲などは、弱弱しいとまでは行きませんが、ガス欠を露呈したようなところがありました。どうも、この曲は女流ピアニストにとってはなかなか難しいところがありそうだな、というのが今回の感想です。アンコールはショパンの夜想曲第２０番とラフマニノフの「鐘」。清楚な花がひっそりと佇むような風景を思わせるようなショパンと、迫力十分の「鐘」。この曲はかなり力がないと大変だと思ってしまいました。　ところで、休憩時間にのどが渇いたのでロビーに出ました。　声を掛けられたのが、休会中の団体の団員Ｍ君夫妻。なんと夫婦そろって和服姿ではないですか。いかにも涼しげで、なんとリッチなことかと思いました。こうしてみると、普段見慣れないせいもあってか、和服姿のなんといいことかと思ってしまいました。私は、和服といってもせいぜいが甚平どまりなので、とてもうらやましいと思いました。いつか夫婦揃ってとまでは行かなくても、和服で街を歩いてみるのも悪くないと思った次第です。それに、この光景を見たら自分が普段、如何に余裕のない生活をしているかを思い知らされたような気がします。田部京子　ピアノリサイタル１．吉松隆：プレイアデス舞曲集から線形のロマンス鳥のいる間奏曲真夜中のノエル２．シューベルト：４つの即興曲作品１４２から第３番変ロ長調３．ショパン：ノクターン　ハ短調作品４８－１４．メンデルスゾーン：無言歌集よりないしょ話イ長調作品１９－４ヴェツィアの舟歌第２番嬰へ短調作品３０－６５．メンデルスゾーン：厳格なる変奏曲作品５４休憩６．シューマン：トロイメライ７．シューマン：謝肉祭　作品９アンコールショパン：ノクターン第２０番ラフマニノフ：前奏曲第１番「鐘」２０１０年６月２６日　岩手県民会館中ホール　４列１７番にて視聴

2010年06月27日

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イリーナ・メジューエワ：ショパン　前奏曲全曲

入手が遅くなりましたが、イリーナ・メジューエワのショパン前奏曲集を入手しました。　本当は、夜想曲全集も買いたかったのですが、先日フレイレ盤を買ったばかりなので、とりあえず見送りました。このアルバムは、彼女にとっては再録に当たります。前回は１９９９年に自主製作盤として作られました。その時の演奏は今回のよりもだいぶテンポが遅かったそうです。早速聞いてみましたが、素晴らしい仕上がりです。個人的にはこの曲はポリーニがデフォルトでしたが、今となっては、この最新版がデフォルトになりそうです。まず、テンポが極めて妥当なのですが、ときおり思いがけずテンポを落として歌うところがあります。それが壺にはまって実に見事です。第１３曲の第２主題の部分で大きくテンポを落としこの美しい旋律を歌わせているところは、あまりの素晴らしさに唖然としてしまいました。なんという、素晴らしい解釈でしょうか。このような解釈をした方は、今までいたのでしょうか。この前奏曲集はどちらかというと、隙間風が入ってくるような寂しさが感じられる曲です。それは雰囲気だけではなく、曲自体の構造に起因するものだと思います。ところが、この演奏では、そのような寂しさみたいなものは全く感じられません。それに、全編に漂う何とも言えない温かさは演奏者の人柄だけによるものではなく、しっかりとした解釈と技術の裏付けが物を言っているのだと思います。ジェリー・マリガンが「ナイト・ライツ」の中で取り上げて有名になった第４番。冒頭の大きく間を取ったルバートが絶妙です。こんなに大胆ルバートは初めて聞きましたが、嫌みが全くないどころが、この曲の本質を知らされたような気がしました。第７曲。この夢見るようなマズルカは旋律が１コーラスシンプルに演奏されるだけです。こういう曲は、簡単なようで、演奏者が丸裸にされるような恐ろしさがあると思います。メジューエワの演奏は温かみのある、実にしみじみとした、味わい深い演奏だったと思います。第１２曲はテンポが少し遅めで、少し拍子抜けする演奏だったと思います。第１６曲は極めて速いテンポで一気加勢に弾かれることが多いと思います。メジューエワは僅かにテンポを落として弾いていますが、音の粒立ちがはっきりしていて、彼女の狙いはうまく行っていると思います。嵐のように過ぎ去った第１６曲に続く、インターミッション的な穏やかな第１７曲でも、ぽつんと弾かれる低音の重要性が表れていたと思います。第２３曲も通常のテンポより少し落としていて、爽やかに流れる感じが強く出ています。終曲も少し遅めです。この場合、畳みかけるように演奏した方がよいように思います。遅いため、少し温い感じがします。そのため、最後のコードの強打も刺激が足りません。個人的にはここは凄味を聞かせてほしいところです。　最後に遺作の変イ長調が収録されています。　これは短く特にいうこともありません。もしかしたら、これを最後に持ってくるために、第２４曲のコードを厳しく弾かなかったと思うのは勘ぐりすぎでしょうか。速いテンポの曲も遅い曲も音が充実していて、まったく疎かになることがありません。素晴らしい技術だと思います。最近の彼女の演奏を聴いていると、この年で、これだけの高みに登ったピアニストが今まで何人いるかということを考えずにはいられません。普遍的な演奏で、万人を納得させるというのは、生半可な実力では無理です。大袈裟な演奏とか技術をひけらかすのは簡単ですが、そこを超えて、さらに従来聞かれなかったような演奏、それも奇をてらった演奏ではなく、あくまでも曲の本質に迫るような演奏をするなんて、この方はなんという演奏家なのか、形容の言葉もありません。ところで、一つだけ不満があります。この会社のメジューエワのアルバムはいつもポートレイトなのですが、毎回おんなじようにピアノに座っているものばかりで、面白くないです。これでは、印刷している文字を確認しないと何の曲かさっぱりわかりません。間違って買うことを期待しているとは言いませんが、ある意味不親切だと思います。これだけ素晴らしい演奏が、みんな似たり寄ったりのジャケットに収められているのは、商品としての価値を落としめているようで、とても残念です。画竜点睛を欠くとはこのことではないでしょうか。是非考えていただけないでしょうか、若林工房さん。イリーナ・メジューエワ：ショパン　前奏曲集（若林工房 WAKA4140)１．ショパン：２４の前奏曲集　作品２８２．ショパン：前奏曲　変イ長調イリーナ・メジューエワ（ｐ）

2010年06月26日

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JOHN McLAGHLIN：TO THE ONE

ジョン・マクラフリンの新作はABSTRACT LOGIXというジャズとロックの専門レーベルからの新譜です。ここのサイトを見ると、スタンリー・クラークやハービー・ハンコックの新譜もここから出ているようです。全曲マクラフリンの作曲ですが、どれもリズミックでエネルギーに満ち溢れた、なかなかの佳曲揃いだと思います。とにかく、エレキベースとツイン・ドラムの醸し出す浮遊感が誠に不思議な空間を形作っています。２００７年に結成した自己のユニット「4TH DIMENSION」が非常に強力で、スリリングなソロやバッキングが思う存分楽します。4TH DIMENSIONは結成以来メンバーの変更もあったようですが、このときのメンツはゲイリー・ハズバンドのキーボードと時々ドラム、エティエンヌ・ムバペのエレクトリック・ベース、マーク・モンデシーのドラムスとい４人編成です。ギターが２丁でドラムとキーボードでは単調になるかと思いましたが、メンバーの技量が高く、サウンドに不足があるとは感じられませんでした。ただ、同じような曲が多く、そういう意味では、もう少し曲に変化をつけてほしかったと思います。個人的には、最近聞いたアルバムの中では、理屈抜きに楽しめる一枚でした。冒頭のベースのグリッサンドから、軽快なテンポに載ってはじまる「DISCOVERY」はキャッチーなメロディーとベース、ドラムスにのったギターソロが軽快に進行します。「SPECIAL BEINGS」はミディアムテンポで、マクラフリンのギター・ソロが延々と続きます。「THE FINE LINE」は昔のハードロックのような野生味たっぷりのリフが特徴的です。キーボードとドラムスのソロが入り、すこし変化をつけています。バラード「LOST AND FOUND」は昔のフュージョンの雰囲気がよく出ています。マクラフリンのギター・シンセとハズバンドのキーボード・ソロが、ベースとドラムのリズムに乗って空間を自由に飛翔する様は、イマジネーションを刺激します。「RECOVERY」はアップテンポで、マクラフリンの早弾きソロが楽しめます。冒頭、速いテンポのテーマをベースとユニゾンで弾いている部分は、スポーツ的な快感を覚えます。最後は表題曲「To The One」。ミディアム・テンポでギターシンセがシンプルでキャッチーなメロディーを奏でます。ここでもドラムスが非常に強力です。音楽をあまり展開せず、テンポも変わらないため、変化に乏しいきらいがあり、惜しいです。最後にコーラスが聞こえます。楽器の音に埋もれて、耳を澄ませてよく聞いていないと聞き取れないような微弱な声です。コーラスというよりはつぶやきといったほうがいいかもしれません。このアルバムがコルトレーンの「至上の愛」にインスパイアされたために、コーラスを入れているとは思えないのですが、何か宗教的な匂いがするような感じです。youtubeにfine lineのPVがアップされています。これはリハーサル風景のようですが、ドラムスのモンデシーが時折歯を剥き出しにしてドラムをたたいているのが印象的です。黒人でスキンヘッドで、おまけに歯がやけに白いため、ちょっとコミカルな風景になっています。また、この方は上半身がそれほど動かず、かなり理にかなった奏法のように思います。それから、ベースのエティエンヌ・ムバペの自由自在のベースの存在感も凄いです。ＣＤよりも、このヴィデオを見るとその凄さがよくわかります。しかし、なぜ手袋をして弾いているんでしょうか。それに手袋をしているのに、音がクリアで細かいパッセージも難なく弾いています。凄いのか、たんに変わっているのかどっちかだと思いますが、理由は多分あると思います。しかし、マクラフリンは今年６８歳ですが、相変わらず若々しく、まったく年を感じさせない、それどころか、ますますアグレッシブさを増しているのには驚きます。老いて盛んとはこのことでしょうか。彼のように年を取っても枯れることなく生きていくことが、私にとっても理想的な生き方です。JOHN McLAGHLIN：TO THE ONE(ABSTRACT LOGIX ABLX 027)1.Discovery2.Special Beings3.The Fine Line4.Lost and Found5.Recovery6.To the OneJohn Mclaghlin(g,guiter-synthesizer)Gary Husband(P,Ds)Etienne M'Bappe(Ds)Mark Mondesir(Ds)Recorded November,December 2009

2010年06月25日

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根が深いスポーツの力関係

「Number」は前回からＷ杯特集で臨時増刊で発刊の間隔が狭まっています。読者にとってはとてもありがたいことで、おそらく、発売即完売状態ではないでしょうか。それもこれも、日本が決勝リーグ進出の可能性があるからだと思います。その臨時増刊号の第２弾。オランダ戦特集ですが、明るい雰囲気です。やはり、１－０というロースコアで、内容も悪くなかったからだと思います。そんな雰囲気の中で、ちょっと異質な見方をしている連載エッセーがありましたのでご紹介します。奥田英朗氏の「どちらとも言えません」で、今回はオランダが日本をどう見ているかが、野球との比較で書かれています。日本とオランダが野球で戦った時日本人はどう思うか。相手の実力がどうだなど知ろうともしないだろうし、たとえ松坂が初回に５点取られても、松坂を罵倒するくらいで、試合に決して負けるとは思わない。きっと、打線が爆発して、オランダなど一蹴するだろうと信じて疑わない。もちろん相手の選手の名前なんか覚えない。端から相手にしていないからです。筆者はアテネ・オリンピックで取材に行っていたが、この組み合わせの試合は見なかったそうです。翻って、サッカーの場合はこれと真逆の見方ができるというのが筆者の言いたいことです。野球の話を考えると、サッカーに関してはまさにその通りだと思います。実際、オランダの監督と岡田監督が組み合わせ抽選会で談笑しているときに、オランダの監督が「日本の監督は誰だ」と聞いた話は、その感覚をよ～く表しているエピソードだと思います。おそらく、彼らは、多少の見せ場はあっても、横綱相撲で余裕を持って勝つと思っていたと思います。ところが、日本が意外に善戦したので、少し驚いているかもしれません。ただ、感覚としては、「少しはやるじゃないか」みたいな感じで、野球と同じで全く負けるとは思っていないはずです。こういう話を聞くと、やはり日本はサッカー後進国なことは認めなければなりません。ちょっと前までアジアの盟主などと偉そうにしていましたが、オーストラリアがドイツにぼろ負けしたように、アジアなんてヨーロッパから見れば大したことがないのです。オーストラリアも、結局はヨーロッパからの落ちこぼれ組ですから。。。。　かくなるうえは、なんとか決勝リーグに進出して、そういう奴らの鼻を明かしてもらいたいものです。ということで、寝る時間なので、これで終わります。頑張れニッポン！

2010年06月24日

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NIKKI:NIKKI YANOFSKY

　以前、エラ・フィッツジェラルドのトリビュート・アルバムの「エアメール・スペシャル」のスキャットで度肝を抜かれた、カナダ生まれのニッキ・ヤノフスキー。　インディーズでのデビュー盤に続くメジャーデビューアルバムがデッカから発売されました。現在ビルボードの「Heatseeker」第１位、カナディアン・ジャズ・アルバム第１位などなど大ヒット中のようです。ちなみに、Heatseeker Chartは新人アーティスト専門のチャートだそうです。前作も非常に興味があったのですが、結局買わずじまい。今度のアルバムもしばらく様子見していたのですが、Barns & Nobelで、$8.99（現在は$9.99)で、B&N Exclusive Versionなるものが売られていて、即ゲットした次第です。このエクスクルーシヴ・エディションには、「バードランドの子守唄」と「明るい表通りで／フール・イン・ザ・レイン」の２曲のコンサートでのライブがボーナス・トラックとして納められています。何回か聞いていた時はいまいちの感じがしていたのですが、曲が何かは忘れましたが、外で走っているときにスキャットを聞いていて、これはいいと思ったのがきっかけで、悪くないと思い始めています。　そのスキャットですが、ここぞというところで、短いスキャットがマシンガンのように叩きこまれて、それがいやみになりません。歌いながら絶えずスキャットを入れる場面を狙っているような感じがします。それが壺にはまるので、何とも言えない痛快さを感じてしまいます。切れ味が実に鋭いです。また、バックとの速いパッセージのユニゾンが鮮やかで、聞いているとゾクゾクしてきます。まさしく、希有な才能ではないでしょうか。おそらく抜群のリズム感の持ち主ではないでしょうか。速い曲が多いのですが、スロー・バラードもあります。「First Lady」がそれですが、とても清々しい歌いっぷりで、音程もいいです。「Over The Rainbow」はピアノとのデュオで、これも瑞々しい情感あふれる歌唱です。途中からソウルフルに歌い上げるところはなかなか一筋縄ではいかない展開です。それにしても、向こうの歌手はこの曲が好きなんですね。。。スローバラードになると、とたんに欠陥が露呈する場合が多いですが、彼女の場合技術的に全く不安がありません。全編を通して聴いていると、メル・トーメの歌い方に似ていることに気がつきました。清潔なフレージング、軽快なリズム、軽いノリ、よく似ています。女性ヴォーカルでこのような歌い方をする方は、あまりいないと思います。また、ソウルがかった時のフレージングがスティービー・ワンダーに似ています。そのせいか、「For another Day」、「TRY TRY TRY]などのポップ、ソウル系の歌も違和感なくしっくりと耳に届きます。泥臭くはないのですが、雰囲気は十分に伝わってくる歌い方です。所々、幼さが出てくるところがありますが、とても今年１６歳の高校生とは思えません。ビリー・ホリデーの「ゴッド・ブレス・ザ・チャイルド」の意表を突いたソウルフルな歌唱もいいです。バックは８重奏からデュオまで多彩な編成で飽きさせませんが、もう少し重量感が欲しいところです。それから、ソロの出番茂もう少しあればよかったと思います。　ところで、このアルバムを聞きながら、ブログを書いていました。　台所に豆乳を取りに行ったら、漏れてきた音に、一番下の子供が反応しました。「歌っている人って、オリンピックで歌っていた人？」そのものズバリです。朝のテレビ番組に出演していたのを見ていたそうです。スキャットに特徴があるとはいえ、歌い方や声に際立った特徴があるはずがないのに、それを当ててしまったのにびっくりしてしまいました。「ここにも隠れた才能が埋もれていたのか？！」とまでは思いませんでしたが、少なからず驚いた出来ごとでした。NIKKI:NIKKI YANOFSKY(DECCA B001433302)1. Take The "A" Train2. Never Make It On Time3. I Got Rhythm4. For Another Day5. God Bless The Child6. Cool My Heels7. You'll Have To Swing It (Mr. Paganini)8. Bienvenue Dans Ma Vie9. First Lady10. On The Sunny Side Of The Street/Fool In The Rain11. Grey Skies12. Try Try Try13. Over The Rainbow14.Lullaby Of Birdland[LIVE]15.On The Sunny Side Of The Street/Fool In The Rain[LIVE]NIKKIYANOFSKY(VO)

2010年06月23日

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父の日

この前の日曜日は「父の日でした」。父が生きていた時は、プレゼントや食事など何かしていました。ところが、今回は、何かをする相手がいなくなってしまったのが、なんとも物足りないような気がします。子供たちが、何かしてくれるのか少し期待していましたが、末の子供が身体をもむのに、文句を言わずにもんでくれていて、その時は何でかなと思っていました。あとで、妻が、「今日は父の日だから、長くなっても文句を言わずにやって上げた」とか何とか子供が行っていたと話していました。それで、嬉しかったのですが、今日になって、一番上の子供から荷物が送られてきました。中を見ると甚平ではないですか。Men's ７の製品で綿しじらという生地を使っています。ちょっと調べてみたら、このような内容でした。『日本の伝統的な織り方の1つで、縦横の糸の張り方で生地の表面に「しぼ」と呼ばれる凹凸をわざと作るよう織られているのが特徴です。風通し良く、凸凹しているおかげで肌に触れる面積が減るので暑い季節には快適なのだとか。』なるほど、見るからに涼しげな生地です。子供からは、「これを着て夏を乗り切ってくれ」みたいなことを言われましたでの、せいぜい利用させてもらうことにします。どうせなら、甚平に合わせた雪駄も送ってくれたらと思いましたが、さすがに学生にそこまでは要求出来ません。。。。

2010年06月22日

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Railways

　中年以上の人たちに評判のRailways。　私もつられて見に行きましたが、久しぶりに泣けました。あらすじは、一流の電気会社の企画室室長で取締役という要職にある筒井肇（中井貴一）が、同じ会社の工場長で友人を交通事故で失ったことから、自分が本当に何をしたいかを見つめなおすところから始まります。　筒井が立てた計画により、向上をたたまなければならなくなり、そこの工場長川平（遠藤憲一)は、工場の閉鎖作業が完全に終わった後、筒井に「本社に戻ってこい」と言われたことに対し、自分の好きなことをやりたいと話していました。　川平の突然の死。　そして、郷里の母親（奈良岡朋子）が倒れます。　母親を見なくてはいけない、しかも母親は東京行きは不可能、余命３カ月、もろもろの難問が一挙に筒井にのしかかります。　それらを考えると、自分が郷里に戻らなければならないという結論に達する。　川平の言葉に触発されて、自分が本当に好きだったことは何だったかを考えるようになる。　いままで、心の奥にしまいこんでいた、昔大好きだったことが思い浮かぶ。　偶然、郷里の出雲のローカル線、一畑電車で運転手を募集していた。　年齢制限を確認の上、応募する。　一畑電車の社長大沢（橋爪功）と営業部長石川（佐野史郎）は大会社のエリートが５０にもなる年齢で運転手になりたいと応募してきたことをいぶかしむ。　面接にこぎつけた筒井は子供のころからの憧れを切々と訴える。　採用してもすぐやめることが多く、会社が５年もつかどうかも怪しい状況で、若い人の生活を３０年も保証することよりも、内情が分かっていて、育てることもずっと楽な筒井を採用することにするが。。。。　■キャストが大変充実している　豪華な配役ですが、決して華美には陥らず、各人が作品にひたすら奉仕する姿はとても美しいです。　　特に良かったのは、一畑電車の社長大沢を演ずる橋爪功の人間味あふれる演技です。　こういう人がトップにいる会社はさぞいい会社だろうなと思わせるような温かくヒューマンな人物像を演じています。　筒井と一緒に採用された高卒の宮田大吾を演ずる三浦貴大は１９８５年生まれで、この作品がデビュー作品です。　高校野球で活躍し、プロ入り確実だったのですが、ひじを壊し、プロ入りをあきらめ、仕方なく電車の運転手をやることになったという屈折した役柄です。人生にすねている状態から、自分の好きなことをやれという筒井のアドバイス、そして仕事での色々な出来事から、次第に成長していく姿を見事に演じていたと思います。今後とても楽しみな俳優だと思います。筒井の妻（高島礼子）、娘（本仮屋ユイカ）も清々しい演技だと思います。主人公の中井貴一はいつも少し肩に力が入っているようで、あまり好きな俳優ではありませんでした。この映画でも、力が完全に抜けた演技とはいえないかもしれません。しかし、役がとてもいいため、すんなりと感情移入ができたと思います。■出雲の風景が美しい　出雲のシーンは現地でのロケだと思いますが、温か味のある色彩で、東京でのブルーがかった色合いとコントラストを持たせていて、見事です。　特に、夕方筒井が野菜の世話をしているときに、娘に真相を明かすシーンは日本人の原風景を思い起こさずにはいられませんでした。　それから、電車の運行、修理点検など興味深いシーンが続出し、マニアにはこたえられない映画ではないでしょうか。　そういえば、トロッコが出てくるシーンがありました。実は、子供のころ、踏切り番のいる小屋に入り浸っていた記憶があります。いまではあまり興味がなくなったのですが、その当時は好きだったのだろうと思います。その当時、トロッコにも乗った記憶があります。それから、少し離れたところで、車両転換するためのターンテーブルがあり、その迫力ある光景に驚いたことを思い出しました。今から５０年くらい前の話ですが、久しぶりに思いだして、とても懐かしかったです。■音楽が実にいい　吉村龍太の音楽が実にいいです。　クラシック風の音楽で、ピアノや室内楽中心の音作りです。　しっとりとしていて心温まる旋律が多く、映画のしみじみとした味わいを一層際立たせるような、とても癒される音楽ぞろいです。　ちょっと聞いていると、久石譲の作風にかなり似ているような感じもします。　メインテーマは限りない憧れを感じさせるような胸に迫る音楽でとても気に入りました。　主題曲松任谷由美の「ダンスのように抱き寄せたい」も悪くないです。　　決して感傷的な映画ではありませんが、日本人の心情風景がよく描かれていて、日本人ていいなと思ってしまいました。おそらく、今年の日本アカデミー賞の有力候補であることは間違いないと思います。　公式サイト　

2010年06月21日

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体にフィットするソファー

　いつも読んでいる雑誌の先月号に作詞家というよりも現在はＡＫＢ４８のプロデューサーとして有名な秋元康氏が連載しているコラムに、ソファーの話が載っていて興味を引かれました。　無印良品のソファなのですが、これがとても優れモノです。発砲スチロールのビーズが詰まっている、何の変哲もない立方体の形をしています。ところが、いざ座ると、身体が沈み、身体の形になります。そのため、フィット感がすごく、とてもくつろぐことができます。この商品は同社が極度の販売不振から驚異のＶ字回復をする時のプロジェクト「モノづくりコミュニティ」から生まれた製品で、発売後（おそらく２００３年）、１年半で6万2,288個、10億5,900万円を売り上げたそうです。現在でも年商8億円というロングランを持続しているといいます。価格も１万円くらいですので手軽に買うことができます。カバーは別売りですが、安いので問題ありません。ちょっと気になるのは、鋭利な形状のもので簡単に穴が開きそうなことです。穴があいてしまうと、使い物にならなくなりそうで、心配です。発泡スチロールで出来たマイクロビーズですが。へたって来たら交換できたら一番いいですが、出来ないようです。色々な方のブログを見ていると、使用頻度にもよりますが、３年くらい経つとへたってくるようです。何年もつか分かりませんが、こういう状況だと使い捨てなので、１万円ちょっととはいえ安いとはいえないかもしれません。同じような商品で「ルミナスジャンボビーズクッション」というのがあります。こちらはカバー込みで\8000なので、割安ですが、無印のビーズ径が0.5mmに対し、3mmなので、フィット感はだいぶ違うと思います。それにしても0.5mmのビーズを器具を使うとはいえ、詰めて縫製するのは結構技術がいる感じがします。　ところで、昨日の、Ｗ杯オランダ戦よく戦ったと思います。　以前のように、ハラハラドキドキではなく、比較的冷静に見ることができるようになったのは、プレーに安定感があったからだと思いますただ、川島がスナイデルのシュートを防ぎきれなかったこと（英国の新聞ではミスと評価された）とか、岡崎の最後のシュートをふかしたところなど、一流にはまだ程遠いことを痛感しました。一流とは、ここ一番に確実に仕事をすることだと痛感した次第です。あと、１試合、今度も楽しみたいですが、開始時刻が深夜です。最近年のためか朝早く起きる根性がなくなりました。カメルーン戦は凡戦ということもあり、前半終了後寝てしまいました。　今回、そのような場合のために、遅ればせながらブルーレイ・レコーダーを購入。でも、リアルタイムで見るのと、終わった後見るのとでは大違いです。ある人は、録画を見るまでは、その関係の情報を遮断しているといいますが、仕事がある場合はほとんど不可能です。そうすると、やはり、頑張って起きるしかないかもしれません。

2010年06月20日

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アイアンマン２

　ロバート・ダウニー・ＪＲ主演のアイアンマンの第２作。　前回は結構インパクトが強かったのですが、今回は、敵が変わったたでけ、大筋は変わらないため、見ごたえは前回に劣るというのが印象です。基本的構図が正義対悪なので、この構図を崩さない限り、どうにもならないのは、やむを得ないことだと思います。　結局、敵役をどうするかにかかっているわけです。　今回は、かつてトニー・スターク（ロバート・ダウニー・ＪＲ）の父親ハワードと一緒に仕事をしていて、お金の野心が大きすぎて、首になってしまったロシア人の天才物理学者が、失意のうちにロシアに戻る。不遇のうちに亡くなり、死の床に付き添っていた息子の物理学者ウィブラッシュ（ミッキー・ローク）が天井裏からアイアンマンの設計図を発見する。ここから物語が始まります。ウィブラッシュはトニーの父が、成果を独り占めにしようとして、父親を首にしたと思いこみ、トニーに恨みを抱く。設計図を基に独自にアーク・リアクターを開発し、エレクトリカル・デス・ウイックという電気ムチの威力を試すため、モナコグランプリに乗り込む。。。。■ミッキーロークのウィブラッシュはミスキャスト？？　天才物理学者という触れ込み？のウィブラッシュはとても物理学者とは思えない荒々しい振る舞いで、知性のかけらも感じられません。　これは演出もありますが、ミッキーロークの配役にも問題があると思います。大体、物理学者が筋骨隆々なわけはありません。リアクターをつけて、電気ムチをふるっているシーンは、何故かスパーダーマン２の「ドック・オク」を連想させます。　この映画で目覚ましい活躍をするのは、トニー・スタークの助手、実は諜報機関「シールド」で「ブラック・ウイドー」と名前を持つ人間を演じているスカーレット・ヨハンソンです。　表の顔は５ヶ国語を操る有能な秘書、裏の顔は諜報機関のすご腕エージェント。カンフーのような軽快な身のこなしで、次々に敵を倒す様は痛快です。ワイヤーとか使っていると思いますが、動きに無理がなく、とても柔らかい動作だったと思います。彼女は、アクション女優としても結構いける感じがします。個人的に、この女優はあんまり好きではなかったのですが、今回は全面的に屈服させられました。まさに、恐れ入りましたです。その次は、その「シールド」の長官ニック・フューリー（サミュエル・Ｌ・ジャクソン）。重厚な演技で画面を引き締めていました。　前回は、あまり存在感のなかった、トニーの友人にして米空軍中佐のローディ（ドン・チール）が、トニーと対決する場面もあり、なかなか活躍します。ただ、脇役にすぎないのは前回と同じです。前作で、輝いていたトニーの秘書（今回は何故か社長）ペッパー・ポッツ（グウィネス・バルトー）がそれほど精彩があるとは思えなかったです。ストーリーの先が見えてしまうので、人物がどう動くかがわかってしまうことにも原因はあると思います。トニーの競合会社ハマー・インダストリーズの社長ジャスティン・ハマー（サム・ロクウェル）のこざかしさの出た演技はよかったのですが、社長が悪さに直接手を下すシナリオには疑問があります。そして、主役のトニー。演技は前回とあまり変わらないと思いますが、脚本がいまいちのため、あまり面白くありません。それに、ジャスティンが作った、ロボット「ドロイド」がスター・ウォーズに出てくる兵士たちを思い起こさせるようで、なにか２番煎じの感じがします。今回は新たにトニーのリアクターのパラジウムによる血液汚染というネタで待たせましたが、いかに魅力的な敵役を持ってくるかに尽きると思います。こういうアクションものでは逃れられない根本的な問題です。次回も作るとしても、かなりつらいと思います。もっとも、原作がＯＫであれば、まったく問題はないのですが・・・・公式サイト

2010年06月19日

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議院内閣制度の欠陥

　このたび、鳩山から菅へ政権交代が起こりました。　ここで問題なのは中身はもちろんですが、内閣が交代することの無駄です。新内閣が発足してから数日のうちに閉会となり、選挙がおこなわれる。効率から考えると実に無駄な作業です。どの道選挙をするのであれば、頭だけ交代して、任命式だとかいろいろな雑事は省いた方がいいです。そうすることにより、政治的空白が防げるでしょうし、新しく任命された閣僚が選挙後にまた同じポストに就くとは限らないので、むしろなれた方たちに実務を行っていただいた方がいいと思います。それに、天皇の仕事も減ります。このようなことを考えると、いっそのこと、任期満了前１か月未満での内閣の交代を禁止する、くらいのことをやってもいいように思います。　菅内閣に変わってから１週間足らずですが、国会は本格的な議論もないままに、閉会していしまいました。　キャッチフレーズの「最小不幸社会」はなかなかいいコピーだと思ったのですが、どうやら本当に口先だけのような感じがします。　そのほかでは、いまのところ、菅首相のずる賢い、いいかえれば不誠実な立ち回りが目立ちます。もうこのような真っ当でない政治家は、野党の連中を含めて、引退してほしいと思います。国民は、そこらへんをじっくり見極めたうえでの判断が必要になると思います。また、同じ轍を踏むと、今度こそ大変なことになると思います。後悔しても後の祭りです。　それにしても、野党は迫力不足で、決め手に欠けます。　みんなの党はミニ民主党なので期待できません。　いっそのこと、安倍真元首相が「創成日本」のメンバーで新党を立ち上げて、台風の目になってもらいたいほどです。

2010年06月18日

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アウトレイジ

　北野武監督の最新作。　今年のカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に出品されましたが、パルムドールを受賞することはできませんでした。ただ、観客はノックアウトしたという評判でした。題名は辞書を引くと激怒とか（激しい）暴力を意味するそうです。この映画では暴力を意味すると思います。簡単に言うと暴力団の抗争を描いた映画で、題名の通り、激しい暴力の場面がこれでもかと出てきます。指を詰める場面とか、歯医者で治療している組のやくざの親分のところに乗り込んで、ドリルで口の中を血だらけにするとか、いかにもぞっとするような描写が続きます。とどめは、車の中で黒い袋を頭から被さられて、首に絞められたロープを進入禁止のバーにくくりつけて、そのまま車を動かすという残忍な殺し方も出てきます。そのほか、殴り合い、銃撃戦はふんだんに出てきます。見るからに凄惨なシーンがテンコ盛りですが、不思議とそれほど凄惨な感じはあまりしません。色彩が全体的にブルーがかっているのも、それを和らげる効果があるのかもしれません。　凄惨なシーンの連続の中で、監督が言いたかったのは何だったんでしょうか。　小物が滅び巨悪が最後に残るということでしょうか。■動機がいまいちわからない抗争の発端は、巨大暴力団組織､山王会の若頭加藤(三浦友和)が､直参である池元組の組長､池元 (國村隼)と村瀬組の組長､村瀬(石橋蓮司)との蜜月を怪しみ､池元に村瀬組をしめ上げるよう命令したことから始まります。　ところが、その目的が何だったのか、最後まで明らかになりません。　推測するに、この２つの組の島を独占しようという目論見だったのかもしれません。　大友組組合員が村瀬組の息のかかったぼったくりバーの餌食になり（なったふり）、そこから、池元組が色々難癖をつけ、抗争はエスカレートしていきます。　池元の配下の大友組の組長､大友（ビートたけし）に汚れ役をさせますが、そのうち大友は真実を知ることになります。最後はお決まりの結末になりますが、つまらないことはありません。ただ、テンポが少し惜しく、スピード感に欠けるところがあります。■昔の日本映画みたいな佇まいが懐かしい　冒頭、暴力団が本家の会合に向かう場面が映し出されます。　アスペクト比で縦が異常に長く伸びていて、ピントの合っていない暴力団のメンバーたちが物凄いクローズアップで映し出されます。これを見ていて昔の日本映画を思い出しました。最近こんな映像を見ることもなくなって、なぜか懐かしささえ感じてしまいました。それに、クレジットが最初に出るのも昔風です。　個人的には、北野監督作品は殆ど見ていないのですが、今回は純正の日本映画だと思います。■キャストが素晴らしく充実北野作品は初めてという俳優が数多く出演しているそうです。大変充実したキャストですが、「このやろう」が連発していて、それもぎこちない方が何人かいて、どうも暴力団になりきれていない感じがします。私は、本物の暴力団と接したことがないので何とも言えないのですが、実際の方たちはああいう言葉使いなのでしょうか。ビートたけしはさすがに手慣れています。その落ち着きはほかの俳優には感じられません。椎名桔平もなかなかいい感じです。國村隼、石橋蓮司、北村総一朗の親分たちは少し軽薄っぽいです。特に北村総一朗の山王会本家会長関内はサングラスをかけていることもあって、金正日の雰囲気にそっくりです。マル暴の刑事片岡役の小日向文世は相変わらずの小悪党ぶりを発揮しています。一番おいしい役だったという評判の山王会本家若頭加藤（三浦友和）は抑えた演技で、暴力団の若頭というよりも有能な秘書みたいな感じで、凄味はあまり感じられませんでした。こういう人が一番怖いと相場は決まっているので、そういう意味ではこれでいいのかもしれません。大友組組員石原役の加瀬亮は、冷酷な金庫番で実業家としても有能ですが、変に暴力団ぽい演技をしている場面があり、かえって逆効果だったと思います。凄味がまるでなく、空威張りしていて、そこいら辺のチンピラと変わりがありません。ここは、常に冷静で手を出さないような感じにしてほしかったと思います。殆どが暴力団の方たちばかりなのですが、大友の策略にはまって、仕方なく大友に協力するアフリカの某国大使役の方が、そこはかとなくユーモアを感じさせる演技で異彩を放っていました。　ということで、北野監督の真価が発揮された映画ではないでしょうか。　このようなヴァイオレンス映画を撮れる方は世界でもごくごく少数の監督しかいないと思います。これからも、この路線を続けていってほしいと思います。公式サイト最近の公式サイトにしては貧弱です。トレーラーもサイズが小さくてかわいそうなくらいです。

2010年06月17日

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神奈川大学吹奏楽部北上特別演奏会

　土曜日の函館、そして日曜日の北上と２つの都市を回る演奏会。　金曜日の授業を終わってから、飛行機で函館に飛び、練習して、次の日に函館で演奏会。演奏会後、すぐ移動して１０時に八戸に辿り着いたそうです。翌日新幹線で北上まで来て、午前中は黒北との合同練習。そして午後は本番とめまぐるしいスケジュールで、いままで弁当しか食べていなかったそうです。あまり褒められたことではありませんし、そんな悪コンディションの状態を明かして、聴衆に不快な思いをさせるなら、そんなことを言わなければと思います。また、学長が帯同していて、最初に１０分くらい長々と自慢話をしていたのも、困ったものでした。最後は、沢山入学してくれみたいな話で、ＫＹとはこういう人のことを言うんでしょうね。　最初から、脱線してしましましたが、演奏そのものはかなりいい出来だったと思います。　さすがに、神大だけあると思いました。神大の演奏は以前も聴いたことがあると思いますが、小沢俊朗の指揮は初めてです。３階からだったのではっきりしませんが、若い人は知らないと思いますが、三橋美智也みたいな顔をして、菜箸みたいに棒を振り回すような指揮でした。指揮そのものは、あまりうまくありませんが、音楽はごく常識的で素直な音楽だと思います。ただ、演出があっても悪くないと思います。　最初は、アーノルドの「4つのスコットランド舞曲」。最初のホルンのテュッティの骨太のサウンドがいかにもスコットランドの雰囲気を漂わせていました。　なかなか、厚みのあるサウンドで、個人的には好きです。2曲目は、ネリベルの「アンティフォナーレ」。副題が「金管６重奏とバンドのための」です。この作曲家の作品はあまり好きではありません。やたら深刻ぶっていて、不協和音が頻発する癖に、旋律が子供っぽい感じがするからです。そのギャップがいいという方もいるかもしれませんが。。。演奏は、切れ味が鈍く、いまいちです。ファンファーレ隊はステージ前面の左右にトランペットとトロンボーンが４人ずつ配置されています。ファンファーレは最後の方だけなので、特にどうととうこともないですが、ネリベルの命ともいうべき、無音の空間と緊張感が十分に表現されていなかったと思います。前半最後はラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」。一瞬全曲かと思ったのですが、甘かったです。２０分以上の曲を９分程度にまとめています。ピアノ抜きですから、それほど大したことにはならないと予想されましたが、テュッティではなく木管アンサンブルを中心にした部分が目立ちます。有名な第１８変奏も入っていますが、やはり原曲の弦の雄弁さには到底かないません。仕方がないとはいえ、もっと知恵を使うべきではないでしょうか。木管アンサンブルの部分はなかなか良かったと思います。　後半は比較的軽い作品を集めています。最初の兼田敏の「吹奏楽のための序曲」は、もはや古典といってもよい曲だと思います。昔の農村を思わせる描写や祭りの風景など、日本人の原風景を思い起こさせる曲で、久しぶりに聞きましたが、いい曲であることを再認識させられました。演奏は、ノスタルジックに甘ったるくなることもなく、すっきりとした表現が好ましかったと思います。　セクションをフィーチャーした曲が2曲ありました。トランペットとトロンボーンです。トランペットはいいとしても、トロンボーンをフィーチャーした曲でいい曲がないのは何故なんでしょうか。いっそ、村田陽一とかこの大学のＯＢである真島俊夫に委嘱したらかどうかと思います。どちらもそつなくまとめていますが、豪快さがなく、ちまちましていると言ったら言い過ぎでしょうか。　「道化師の踊り」の後半のクラリネットの難しいユニゾンは厚みがありなかなかのききものだったと思います。前半のトランペットソロは細身ですが、柔らかい音色でよかったと思います。　アンコールは指揮者のMC付きで、3曲。　横浜ゆかりの曲で真島俊夫の「ベイブリーズ」と美空ひばりの編曲。それに「星条旗よ永遠なれ」でした。３曲ともとても楽しめました。とくに美空ひばりメドレーは初めて聞きましたが、いい編曲ですね。「ベイブリーズ」のアルトとトランペットのソロは、どちらもよかったです。トランペットは、少し細みですが、柔らかい音がよかったです。反面、最後の金管ソリはまとまっていましたが、いまいちパンチに欠ける感じがします。草食系男子が多いせいでしょうか。。。星条旗では手拍子がうるさかったです。近くの人がピッコロ・ソロのところまでしつこく手をはいたいたので、のぞいたら、どうも神大の関係者というか整理係の方たちで、終わって移動しているときに、「それまで緊張して聞いていたのが美空ひばりあたりですっかりタガが外れた」ようなことを仲間と話していました。おそらく、このような音楽はあまり聞いたことのない方だと思いますので、拍手がほかの人に迷惑をかけているとは気がつかなかったと思います。演奏中に文句を言おうと思ったのですが、そういう人たちでしたら仕方がないとあきらめました。。。。　それにしても、最近演奏会や映画館でこのような妨害を受けることが続いてます。　なにかよからぬことでも起きないといいのですが。。。帰りがけにＣＤをチェックしていたら、「アンコール」が千円ということで、速攻でゲットし、美空ひばりメドレーを聞きながら帰りました。。。。神奈川大学吹奏楽部北上特別演奏会１．アーノルド：４つのスコットランド舞曲２．ネリベル：アンティフォナーレ３．ラフマニノフ（森田一浩編）：パガニーニの主題による狂詩曲休憩４．兼田敏：吹奏楽のための序曲５．２０１０年吹奏楽コンクール課題曲 ii. 高橋宏樹：オーディナリー・マーチ田嶋勉：汐風のマーチ６．アンダーソン：トランペット吹きの休日７．ヴィム・ラザムロス：マジック・スライド８．ガーシュイン（ヒギンス編）：ガーシュウイン・ポートレイト９．チャイコフスキー：歌劇「雪娘」より道化師の踊りアンコール１．真島俊夫：ベイブリーズ２．真島俊夫編：美空ひばりメドレー３．スーザ：星条旗よ永遠なれ２０１０年６月１３日　北上文化交流センターさくらホール

2010年06月15日

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困った人

最近、母親が松が虫にやられているので切れとしつこく言います。それに、剪定しろと毎日催促のあらしです。私は、庭木については全く知識がないので、少しずつ勉強しながらやろうとしていて、この前も松の緑摘みをしました。ところが、母親には依然として剪定をしろとせかされます。私としては、そんなことを言われても勉強しないとわからないので、言葉を濁していました。　業を煮やしたのか、妻にまで剪定をやらせているではありませんか。妻はもちろんそんな知識を持ち合わせているわけではなく、責められて仕方なくやっている状態でした。何も分らない人間が何となく剪定をしているのは最悪の事態です。その後、母の弟が近くに住んでいるので、弟に頼んでついに松を切ってしまいました。もう一本切ってくれと頼んだようですが、さすがにそれはきれなくて、私と相談するようにと叔父は行って帰ったそうです。私が会社に行っている時を見計らって実行するなんて、実に狡猾です。物忘れは激しいのに、そういうことは、忘れないところが、何とも都合よくできています。　このような状況で一刻も猶予ができないので、仕方なく業者にお願いしました。業者が来たのは先週の週末でしたが、前もって電話で連絡して来たので、件の件を話し、剪定後にその方面の専門家に松を見てもらうということにしていました。　剪定作業をしたその日、帰ってきたら、やけに見晴らしがよくなっています。東の方を見たら、あれ程切るなと言っておいた松が跡形もなくなくなっているではないですか。やられたと思っても後の祭りです。敵も始終そればっかり考えているせいか悪知恵が働きます。完全に頭にきたので、母親にもう口を利かないと言いました。そして、発注者のいうことを聞かないとは何事だと業者に文句を言ってやろうかと思ったのですが、いまさら話しても遅いのであきらめました。それで、このところ、ボロ隠しに何を植えようかなと考えているところでした。　今日の夜、母を連れて近くに買い物に行った帰りに、「金木犀も切った」と母がぽつりと言いました。何気ない一言に、私は完全に頭に血が上ってしまいました。母はその後、枯葉を集めるのが大変なので切ったと言い訳をしています。松の件でそれほど切りたいなら、全部切ってすきりしたらと言っていたのですが、うんと言っていなかったので、松で終わりかと思っていました。ところが、思わぬところで足をすくわれてしまいました。本当に頭にきます。金木犀は私のお気に入りで、隣接する自転車道路を通学する高校生たちにもなかなか人気があったようです。それに、虫に食われたとか、年を取ったということはなかったので、なおさら悔しい気持ちでいっぱいです。これで完全に切れました。絶対に松２本と金木犀を植えてやるぅ。お金は母からきっちりと出してもらいます。そして、これをこの夏の目標とします。しかし、何とも性質の悪い年寄です。手がつけられないとはこのことではないでしょうか。

2010年06月14日

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花巻シンフォニックバンド第１９回定期演奏会

　恒例の花巻シンフォニックバンドの演奏会、今年はバンドのテーマを作ったり、ジョイント形式にしたりと意欲的に新たな取り組みを行ったと思います。　演奏の方も、いつものぼろがあまり出ず、サウンドも結構引き締まっていたと思います。表現もだれることなく、ここ数年間の中ではいい部類に入るのではないでしょうか。最初は、今年の課題曲「うちなーのてぃだ」いつものダルな演奏ではなく、少し緊張感がありました、パーカッションが、いつもの鈍い反応とは一味違ってなかなか切れ味が鋭かったと思います。続いては、「花巻シンフォニックバンドのテーマ」。そのものずばり、バンドのテーマ音楽だそうです。作曲者は、安藤綾乃さんという、以前この楽団に在籍していた方です。現在東京方面の音大に通っているそうです。花巻シンフォニックバンドのＨＳＢを音にしたＨ（ドのフラット），Ｅｓ（ミのフラット），Ｂ（シのフラット）の３つの音をモチーフとした重々しいイントロから始まります。このテーマは、最初と最後に出てくるだけで、あまり重要なテーマとは思えません。イントロの後、クラリネットの軽快なリズムで進行し、テンポの落ちた中間部では宮澤賢治の「星めぐりの歌」が出てきます。また、「精神歌」もちらっと出てきます。再び、テンポが速くなり、最初のテーマが出てきて終わります。まだ、学生さんなので、作品を評価するのは酷だと思います。ただ、完全に宮澤賢治に食われていたので、彼の曲は入れなかった方が良かったかもしれません。また、ちょっと長くて、何かの催し物で気軽に聞かせるというたぐいの曲でもなく、なかなか扱いが難しいと思います。後半のリズミックな部分だけを思い切って短くして、クロージングなどに手軽に使えるようにした方が、使い勝手がいいように思います。たとえば、ＵＳＡＦバンドのテーマ「The Air Force Band」みたいな感じですね。この曲に名前をつけてほしいということでしたが、少し考えてみましたがなかなか難しいですね。「Blue Stars」または「Song of Blue Stars」はいかがでしょうか。どうも宮澤賢治そのものという感じですが、複数形にしているところがみそです。単数形だと岡本真夜やロックのスタンダードに同名曲がありますが、複数形はないようです。stars＝団員ということで、光り輝く存在になってほしいという願いを込めてみました、というのは、後からのこじつけです。（笑）ちょっとやりすぎですか。。。そのほかでは、「The Theme」そのものずばりですが、ジャズではよくあるネーミングです。閑話休題続いては、いつもの宮澤賢治特集で福島弘和の「宙の調べ」。フルート６重奏「星の響く空」（２０００）のフレーズを吹奏楽に再構築した曲です。いつもながらの福島節ですが、ステージの前にぶら下がっていた電飾の調子が悪く、そればっかり気になってしまいました。準備がしっかりしていなかったために、どうも逆効果になってしまったような気がします。このコーナーはいつも福島作品ばかりで、少し飽きてしまいました。別の作曲家の賢治の別な側面に光を当てた作品などを聞きたくなりました。来年の定期は２０回目なので、そこらへんも考えていただけると嬉しいです。個人的な希望としては、例えば芥川也寸志の子供のための交響曲「双子の星」を吹奏楽に編曲して演奏するのはいかがでしょうか。この曲は編成上困難なことが多いですが、規模が大きく、聴きごたえ十分なので、記念演奏会にはふさわしいと思います。。。ただ、編成上ハードルはすごく大きいです。前半の最後は組曲「宇宙戦艦のヤマト」。昨年新作アニメが公開されましたし、年末には実写版が公開されるのでタイムリーな企画かもしれません。しばらく前から、車でオケ版の交響組曲を聞いていたこともあり、この曲の美しさを再認識していたところなので、個人的にも嬉しかったです。組曲は「序曲」、「宇宙戦艦ヤマト」、「出撃」、「大いなる愛」の４曲で構成されています。序曲は途中までまともにトレースしていたのですが、ティンパニのロールで盛り上がって、テーマ出たと思ったら、ぷっつりと終わってしまいました。これではフラストレーションがたまってしまいます。途中の２曲はおなじみで、演奏も健闘していたと思います。最後の「おおいなる愛」は聞いた記憶がありません。ネットでチェックしたら、「さらば宇宙戦艦ヤマト」の中の曲のようで、美しい曲です。残念ながら、今回の演奏では、はらはらしてその美しさが堪能できませんでした。また、もう少し、テンポを落としてじっくりと歌いあげてほしかったと思います。それにしても、編曲が宮川彬良にしては微温的で物足りなかったというのが正直な感想です。作曲者の演奏に思い入れがある身としては、もう少し劇的な表情が出せたと思うのですが。。。。でも、いい曲であることを再認識しました。ないものねだりですが、「美しい大海を渡る」が入っていれば嬉しかったですね。。なお、この曲はyoutubeで全曲を聴くことができます。「和のステージ」と題された後半は、花巻東高校吹奏楽部との共演。部員が十数人ですから、単独での演奏会は望めないでしょうし、バンドの方も父兄の動員が望めるので、ウインウインの関係で、とてもいいと思います。高校生にとっては曲数が多くなかなかつらいだろうとは思いますが、こういうのは体験してみないとわからないので、とてもいい経験になると思います。最初は吹奏楽のための「ズ―ラシアン序曲」。ズ―ラシアンブラスの曲の吹奏楽編曲版ですが、型にはまっていてまったく面白くありません。続いては、ノリのいいラテン・ナンバー「キエン・セラ」。最初のコード進行を無視したわけのわからないトロンボーン・ソロと身体のパーフォーマンスに音がついていっていないトランペット・ソロ、そしてパーカッション・ソロと続きました。聞くより見る方が面白いですが、のりはいまいちだったような気がします。指揮者のノリノリのパフォーマンスを見ているのが一番楽しかったりして。。。。　最後は、「POPPO POPPO」という、例の「ぽっぽっぽ～はとぽッぽ」をテーマとして、それを既存の名曲を借りて接続曲風にアレンジしたものです。冗談音楽ぽく笑わせてくれる部分が数多くあります。それに知っている曲がたくさん出てくるので、あまり吹奏楽に馴染みにない方でも楽しめる曲だと思います。最初のところで出てくる、鳥の鳴き声は、最近気に入っているルロイ・アンダーソンの「Old MacDonald Had A Farm」のような感じでとてもおかしかったです。後半、水鳥担当？のＦ君がステージを動き回っていましたが、もっと派手に動いてアピールした方がよかったと思います。それから、ショスタコの第５の第４楽章冒頭を使ったところも、かなりおかしかったと思います。使った曲は、主に管弦楽ですが、イントロではリードの「アルメニアン・ダンス」パート1と後半にホルストの第２組曲の緩序楽章が使われていました。ホルストは、ユーホニアム・ソロになっていましたが、音が高くて結構きつい編曲だったのかもしれません。そのほか、スーザの「星条旗よ永遠なれ」、「メイちゃんの執事」の主題曲「My Sunshine」が演奏されました。アンコールは３曲。最初は、テレビの「ビフォーアフター」の音楽。あまり好きでないせいもありますが、どうもつまらない音楽です。それから笑点のテーマの最後に座布団を上げて『また来年」みたいな感じにしたのはいいのですが、それでアンコールが終わらなかったのは、すこしピントがずれていたと思います。　ということで、今回は比較的傷が少なく、ゆったりと楽しむことができました。　ただ、いつも思うことは、どれもこれも同じようなできで、魅力に乏しいということです。１曲でいいので、これはと思わせる演奏を是非聞きたいですね。。。。　来年は、記念ステージなので、ＨＳＢでしか出来ないような楽しい力の入ったステージを期待したいと思います。花巻シンフォニックバンド第１９回定期演奏会「宙のステージ」１．長野雄行：吹奏楽のための民謡「うちなーのてぃだ」２．安藤綾乃：花巻シンフォニックバンドンのテーマ（仮題）３．福島和弘：「宙のしらべ」４．宮川泰（宮川彬良編）：組曲「宇宙戦艦大和」「和のステージ」１．高橋弘樹：吹奏楽のための「ズ―ラシアン序曲」２．Luis Rubinstein（三浦秀秋編）：キエン・セラ３．スーザ（真島俊夫編）：SOUSA'S HOLIDAY 星条旗よ永遠なれ４．オータケ・ハヤト（五十嵐昭伍編）：My Sunshine５．杉浦邦弘編：POPO POPPO　はとポッポの世界旅行！アンコール１．ＴＡＫＵＭＩ／匠２．笑点のテーマ３．宇宙戦艦ヤマトのテーマ花巻シンフォニックバンド寺林博則、浅沼里枝（指揮）２０１０年６月１３日　花巻市文化会館大ホール

2010年06月13日

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告白

　湊かなえのベストセラーの映画化。　公開２週目の３回目でしたが、ほどほど入っていました。なかに高校生の男３人組がいて、高校生でもこんなの見るんだと勝手に驚いてしまいました。もしかしたら、ホラー映画を見る乗りで来ていたのかもしれません。私は原作を読んでいるだけに、原作の持つざらざらとした感触と、どす黒いムードがいかに映画化されているのか興味を持っていました。残念ながら、私の期待通りには行きませんでしたが、原作を読んでいない方にはそれなりに楽しめたのではないでしょうか。逆回り時計が原作に出てきたかよく覚えていないのですが、逆回り時計が登場して最後のシーンが巻き戻しされるところは、音がないだけになかなか不気味だったと思います。原作であったエピローグがなくで、救いがないままに終わったのは、これはこれでよかったと思います。基本的には、原作に忠実に、個人のモノローグを中心として進めていくところは良かったと思います。最初Ｒ１５指定ということで、どこがそうなのか見ていましたが、後半に殺人シーンがやたら流れるシーン、切り取られた腕が冷蔵庫に入っていることなどが該当するのでしょうか私にはちっともグロッぽく思えませんが、いたいけな？子供たちには結構刺激が強すぎるのかもしれません。　キャストでは、評判の主人公森口悠子役の松たか子は淡々と冷酷にことを運んでいきますが、最後にすべてが明るみに出たにも相変わらず淡々としているところが物足りません。イングロリアス・バスターズのメラニー・ロラン演ずるところの映画館支配人ショシャナが復讐する場面の、お化けが正体を現したようなおぞましい姿を晒す場面はなく、いっそ化け物みたいな表情を見せてくれたらよかったと思いました。　もう一人、重要な役である森口の後任のウエルテルこと寺田良輝（岡田将生）の馬鹿さ加減というＫＹの表現がとてもよく、そうしている理由が明かされる場面の伏線としてとてもいい演技だったと思います。　　　生徒たちの演技は、特に印象に残るもではありませんでした。　準主役の渡辺修哉（酒井幸人）、修哉に丸め込まれて殺人を犯してしまうアホの下村直樹（藤原薫）はあまり印象が強くありません。唯一印象に残ったのは北原美月橋本愛）くらいですか。それに、下村直樹の母親役の木村芳乃がすっかりおばさん役が板についていてがっかりです。個人的に、彼女のファンでしたので、最初の時、彼女かなと思って見ていて、後半、別人みたいなおばさんになっていたので、違う方に違いないと思ってしまいました。ところが、クレジットで当人だと分かり、がっかり。う～ん、彼女もこんなしょうもない役をやらなければならなくなった年齢なのか、と思うと、寂しい限りです。　学校内のシーンが多いですが、授業中勝手に携帯をいじくるは、立って歩くはで、学級が崩壊しているクラスのように見えます。それに、やたらと子どもっぽく見えますが、現代の中学生ってこんなもんなんでしょうか。これが本当だとしたら、がっかりします。修哉を捨てた母親の大学の研究室に「トランジスタ技術」が置いてあるのは、御愛嬌でしょうか。電気屋さんなら見逃さないと思います。　ということで、原作を読んでいない方にとっては結構面白いかもしれませんが、読んでしまった方には不満の残る出来だったのではないでしょうか。　原作と映画の関係は多かれ少なかれこんなものですが、出来れば、原作は後で読んだ方がいいと思います。公式サイト　

2010年06月12日

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デフレの影響

　最近立て続けに近くのコンビニが閉鎖されているのを知りました。　先週あった店が突然無くなっているのです。　おそらく、物が売れないことが原因だと思います。日本フランチャイズ協会の調査資料によると、コンビニの業績は次のようになっているそうです。●２００９年度実績全店ベースの売上高は景気低迷と、taspo カード一巡の反動による影響を受け、7 月以降全ての月において前年割れで推移した。全店ベースの年間売上高は7 兆9,043 億円とかろうじて、前年比0．6％プラスとなった。既存店ベースの売上高は6 月以降全ての月において前年割れとなった景気低迷による消費意欲の低下と、taspoカード一巡の反動による影響を受け、全ての月において平均客単価は前年比マイナス（約２％）となった。●２０１０年４月度[全般的動向]当月は前線を伴った低気圧が日本付近を頻繁に通過したため、曇りや雨の日が多く全国的に日照時間が少なかった。その影響もあり既存店ベースの来店客数は１０億４,４１０万人（前年同月比－１．８％）と１０ヶ月連続のマイナス。また既存店ベースの平均客単価は５６２．９円（前年同月比－１．９％）と１７ヶ月連続のマイナス。既存店ベースの売上高は５，８７７億円（前年同月比－３．７％）と１１ヶ月連続のマイナスとなった。どうも、じりじりと数字が下がっているようですね。個人的には、デフレの影響がかなり出ていると思います。給料が下がる→売れなくなる→価格を下げる→客単価が下がる→お金が回らなくなる→生産が落ちる→給料が下がるまさに悪循環です。どうすればいいのかは専門家に任せるとしても、安売りしていいことは全くないと思います。大手スーパーが品目を限定して安いものを売っていますが、これで、客単価が増えるとは思えません。とんとんか、もしかしたら減少を助長していることにならないかと心配です。やはり、物には適正な価格、売り手側にとって適正だけではなく、社会にお金が回っていくために適正な価格があるということを考えてしまいました。この反面、今がチャンスということは言えると思います。現在儲かっている企業を観察してそのやり方をまねればいいのですから、経営者にとってこれほど楽なこともないと思うのは、経営者ではない私だけの考えでしょうか。。。。　ところで、いよいよサッカーＷ杯が開幕します。日本は期待薄ですので、スペイン、イングランドなどの活躍を期待したいです。毎回ダークホースが登場しますが、今回はどのチームがなるのでしょうか。韓国は史上最強といううわさが立っていますが、開催国南アフリカも結構いけそうな気がします。それから、ドイツのシュバインシュタイガーの歴代通算最多得点なるか、にも注目が集まりそうです。とにかく、皆さんの最高のパフォーマンスを出していただければと思います。最近眠いのと、酔っぱらってしまったのとで、開会式は、おそらく見ないで寝てしまいそうです。

2010年06月11日

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丹羽宇一郎という男

「甦れ美しい日本」というメルマガの連載コラム奥山篤信氏の「偽善者の群れ」。今回は、次期中国大使就任が取りざたされている伊藤忠商事相談役の丹羽宇一郎について書かれています。（以下概要）　関西商人は明治維新の混乱の中、政治に振り回された苦い経験から老舗には、政治に拘わるなとの家訓がある。旧家に限って政治家を蛇蝎のように嫌う傾向が強い。ある特定の勢力に密接に結びつくと、政権交代でなくとも政権派閥交代によりしっぺ返しを食らうことを恐れるためである。“人に頭を下げるのではなく、銭に頭を下げると思え”というのはまさに関西の老舗商人のビジネス道の真髄であるといえる。問題はこの関西人が政治に頭を突っ込む場合、彼らの思想が商業主義以外何物でもないために、国家国益の観点から大きな間違いを犯すということである。松下幸之助が創った松下政経塾に学んだ政治家を見れば、一部の例外を除き、ほとんどが見識に賭ける薄っぺらなマーケット主義の信奉者であることがわかる。前原を見よ、樽床を見よ、玄葉を見よ、原口を見よ！薄っぺらな容貌に加えて、どれもこれもが日本国家を背中に背負っている気がしない。要するに関西経済人に政治を語らすことは大間違いとなる。そんな中で今北京大使の声がかかっている丹羽宇一郎という男も名古屋出身だが例外ではない。所詮商売人は節操がないのは仕方ないが、かってトップの年齢制限を説いていた男がこの北京大使を７１歳にもなって色気を示すのだから、まさに自分に甘く人に厳しいサラリーマンの典型といえる。『「清く、正しく、美しく」の精神で仕事をしている』と真顔で語るこの男の偽善者ぶりには、よくまあ！聞くだけでこちらが恥ずかしくなる。この男が社長時代『昼食は、子会社であるファミリーマートや吉野家の弁当を自ら購入している。出勤には、運転手つきの自動車などを使用せず、社員の目線に立つため電車を使用している。』などと聴いて、こいつは馬鹿かと思った次第である。伊藤忠ともあろう大会社の社長が社員の人気取りで警備体制の迷惑を考えず軽々しく買い物に出たり、満員電車に乗って自己満足に耽る姿はこの男にはノブレス・オブリージュがひとかけらもない。ただの目立ちたがり屋であり、しかもトップがこのよう振舞う偽善は社員に同様偽善を押し付ける厭らしさを感じたものである。こんな節操の無い無原則な男（というか銭勘定だけが原則）が外交官の心得もなく北京に赴任したら、まさに北京側のいいなりで国益無視、経済本位で安易な妥協をすることは間違いない。（概要終わり）　この人事についてはいろいろと取りざたされているようです。　現在の日中関係を考えると、経済だけがよければいいという状態ではないはずです。それを、こともあろうか、経済しかわからない（それもかなり怪しい）人物を中国大使に任命しようとなんて、正気の沙汰とは思いません。おまけに、あまり品性もよろしくないようです。確かに、民間人が大使になることはあったようですが、これほど重要な国の大使になって例はいまだかつてありません。裏で何かあると考える方が自然だと思います。　また、松下政経塾上がりの国会議員。ここでも書かれているように、あまりいい印象ががありません。国家観が希薄で、腰が据わっていないというか胆力がないように思います。ようするに軽いのです。その原因は松下政経塾そのものにあるという指摘は、意外とあったっているかもしれません。　ところで、菅内閣が発足しました。　例によって、内閣支持率が急上昇しています。個人的にも、鳩山よりはましだと思っています。しかし、この方のバックグラウンドを考えると、いよいよ真の左翼が政権を取ったことに、ある種の感慨を覚えずにはいられません。学生時代は「全学改革推進会」というバリバリの左翼系の団体を率いていました。原敕晁さんを拉致した辛光洙（シンガンス）元死刑囚の釈放嘆願書に署名をしたことも記憶に新しいです。今のところおとなしくしてますが、選挙に勝ったらいよいよ本性を現してくるのではないかと思います。それから、小沢がこのまま黙っているとも思いません。次期総裁選にどう出るのか、なかなか見ものではあります。しかし、よりによって田中真紀子を代表にしようとするなんて、小沢も焼きが回ったとしか考えられません。小沢が少し大人しくなったのなら、小沢の差し金で立候補しようとしている谷亮子も立候補は辞退した方がいいように思います。もともと、政治を考えたことがあるようにも思いませんし、議員になったら顰蹙を買うだけだと思います。　いずれにしても、海外からは相変わらずバカな日本人と思われていることは確かです。　

2010年06月10日

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オルセー美術館展２０１０「ポスト印象派」

　国立新美術館で開催されている、オルセー美術館展２０１０。　副題が「ポスト印象派」と題されていて、恥ずかしながらこの言葉は初めて聞きました。wikiipediaによるとこの言葉は白樺派により日本に紹介されたときには「後期印象派」と訳され、一般に用いられているとされていましたので、私が知らなかったのも不思議ではないかもしれません。ただ、厳密に言うとポストは「～の後」の意味ですので、誤解を招く訳であることは確かです。wikipediaによると、「ポスト印象派」とは、次のように定義されているようです。『印象派の後に、フランスを中心として主に1880年代から活躍した画家たちを指す便宜的な呼称である。この区分は印象派に対する態度によるものであることから、様式的な共通性は希薄であり、それぞれの画家の画風は大きく異なる。一般的には、フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・ゴーギャン、ポール・セザンヌなどを指す。』　全１１５点で、半数以上が初来日だそうです。　その中にはモネ５点、セザンヌ８点、ゴッホ７点、ゴーギャン９点、ルソー２点、そのほかにもロートレック、ピカソ、シニャック等々きら星のごとく輝く画家たちの作品が目白押しです。この展覧会は、昨年の１２月から今年の４月までオーストラリアで開催され、国立新美術館の後はサンフランシスコのデ・ヤング記念美術館に巡回するそうです。　そういうわけで、さすがに並ぶことはありませんでしたが、凄い人ごみの中、はしょりながら見て歩いて、なんとか１時間ほどで終わることができました。　基本的には、画家単独あるいはある流派を集めて展示する方法をとっています。そのため、画家の作風の変化などもよくわかるような展示方法だったと思います。植物性の水彩の一種であるデトランプを用いた絵画１点以外はすべて油絵でした。　今までかなり絵を見てきたので、以前見たことがあるかどうかわけがわからなくなっていますが、今回もとても楽しめました。　特に、点描画がよかったです。スーラが１１点出品されていて、最初は大きなブロックでさっと描いていたのが次第にそのサイズが小さくなり、点にいたるという点描法の確立の過程が大変よくわかりました。点描法が確立されたといわれている「グランド・ジャッド島の日曜日の午後」そのものはオルセー美術館にはありませんが、この作品やのちの「ポーズする女たち」のための習作（どれも小さいです）が出品されていて、習作と実物の間の技法の発展を垣間見ているような気分になりました。　それから、同じ点描画ですが、ジョルジュ・レメンという画家の「ハイストの浜辺」という小ぶりの絵の晩夏の夕暮れ時の光景を描いたのでしょうか、空の夕焼けと雲、海の波のさざめきが聞こえてくるような微妙なグラデーションが一辺に気に入りました。　　４月にミュシャの作品展を見たときに体験した、作られた当時の絵と現在我々が見ている絵は同じではないことを思い出さずにはいられませんでした。　　完成当初は、現在のようにくすんだ色彩ではなく、すごく鮮やかだったんだろうなと思うと、出来もしない夢ですが、その当時の出来立てを見たいという衝動にかられました。　　そして、私の最近のお気に入り、シニャックの「井戸端の女たち」の黄色を主体にした淡い色彩が心を温かくさせてくれました。　同じ点描法の使い手である、テオ・ファン・レイセルベルヘの風景がもよかったです。　特に、海の嵐とそこを航海する男を描いた「舵を取る男」には引き込まれました。この絵を見ていて、何故か北斎の「富嶽三十六景　神奈川沖浪裏」を思い出しました。セザンヌの中では、「ギュスターブ・ジェフロワ」が気に入りました。未完に終わったとはいえ、綿密に計算された絵画は見る者の目を引きつけずにはおきません。　ゴッホとゴーギャンは同じコーナーで２面に分けて展示されていました。　ゴッホの自画像は数十点ありますが、こんかいは１８７７年制作の自画像です。精緻な筆遣いで、原色をふんだんに使っていますが決してけばけばしくありません。顎髭のあたりから唇にかけて使った赤の線がとても印象的でした。それから有名な「星降る夜」。個人的には、はじめてお目にかかりましたが、空と海の濃いブルーの色彩ときらめく星と街の灯の黄色のコントラスト、右隅にぽつんとたたずむ中年のカップル、さすがに名画といわれることはあると思いました。　アンリ・ルソーは「戦争」と「蛇使いの女」の２点の大作が出品されていました。　輪郭のはっきりとしていて、色彩が豊かな作風は私の最も好きな画家の一人です。今回の２点中では、「蛇使いの女」がよかったです。写真でみると、それほどご手とした感じではありませんが、しっかりと絵の具を重ねていて、サイズが大きいことを別にしても、すごい重量感がありました。　今回の美術展では知らない画家、ベルナール、ドニ、バロットンらの絵画がたくさん出展されていて、とても勉強になりました。　特に、フェリックス・バロットンの「夕食、ランプの光」は１８９９年に製作されたとは思えない、幾分コミカルで漫画チック、それに少しブラックユーモア風な作風には驚きました。現代の作品といっても立派に通用する新しさだと思います。正面奥に座っている、おかっぱ頭の少女の眼差しが気になってしょうがありませんでした。　ということで、大変充実していて面白い展覧会でした。　この展覧会は８月１６日まで開催されています。　ご都合のつく方は、是非ご覧になって頂ければと思います。

2010年06月08日

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プリンス・オブ・ペルシャ

　先週から始まったディズニーの「プリンス・オブ・ペルシャ」。　近いところは吹き替えしかないので、見舞いに行ったついでに足を延ばして、字幕を見てきました。原作はアメリカのBroderbund社より発売されたアラビアンナイト風の世界観を持つアクションゲームです。ただし、ストーリーとはゲームとは全く無関係だそうです。遅れて着き、しかも混んでいたため、少し前の席でしたがとても満足しました。　早い話がよくある、父親殺しの汚名を着せられた人間が、汚名を晴らす物語です。　普通と違うのは、特別な機能がある剣がカギとなっていることです。この剣をめぐっての争いがメイン・ストーリーです。最後の地下の場面はすごい迫力で圧倒されます。SFXとわかっていても、すごい迫力です。　そして、悲劇のまま終わるのかと思いきや、大どんでん返し。　観客は、こうでなくちゃと一人ごちた方が少なくなかったと思います。ストーリー的には王道を行っている（ワンパターンともいう）と思いました。■キャストが充実　父親殺しの汚名を着せられた主人公ダスタンを演ずるのはジェイク・ギレンホール。　アクションも素晴らしいですが、不正を許さない真っ直ぐな性格で、ユーモアがあふれ、人間味のある主人公の魅力を存分に発揮していたと思います。ヒロインのタミーナ王女を演ずるジェマ・アータートンは、王女にして気性の激しい、しかし自分の使命を心の奥底にしっかりと持っている気高い王女を見事に演じていたと思います。最初は、世紀の美女にしてはちょっとバタ臭いと思い、次には王女にしてはなんだかな～と思っていましたが、次第にその人間性に引き込まれてしまいました。とても、魅力にあふれた王女役だったと思います。ただ、キングズ・イングリッシュがはたしてアラムーﾄの王女にふさわしかったかは議論の余地のあるところだったかもしれません。■脇役も極めて充実　　この映画では脇役も極めて充実しています。　時間を戻して、兄の国王を亡きものにしようとたくらむニザムを巧みに演じていたのはベン・キングズレー。相変わらずのうまさです。公式サイトによると、この前見た「シャッター・アイランド」にも出ていたそうですが、どのような役だったか思い出せませんでした。「シャッター・アイランド」の公式サイトをチェックしたら、思いだしました。デカプリオの治療していた医師でした。こんな重要な役を忘れてしまうとは、私もいよいよ焼きが回って来た感じです。（閑話休題）ダスタンの義理の兄たち、タス王子（リチャード・コイル）、ガーシヴ王子（トビー・ケベル）ともとても魅力的です。それから悪徳商売人シーク・アマール（アルフレッド・モリナ）、ナイフ投げの名人セソ（スティーヴ・トゥーサン）らも、味のある演技で、わくわくドキドキしました。ニザムの手先となった暗殺者集団ハッサンシンの頭目Gisli Orn Gardarssonはかなり不気味でした。■圧巻最後の場面　アラムトの地下の崩壊とそこでのニザムとダスタンの息詰まる戦いの凄まじい描写には圧倒されました。　なにかハリー・ポッターとヴェルデモートの戦いを思い出してしまいました。　そのほかの映像も見事なのですが、戦いやチェイスの場面が多く、それもめまぐるしくカメラワークが変わるので、少し疲れます。気になったのはダスタンのアクション。やたらととび跳ねたりバック転をしますが、ちょっとやりすぎの感じがしました。もっとも、ゲームであると思えば気にはなりませんが・・・・。■楽しめる映画音楽は、「ナルニア国物語」などを手がけているハリー・グレッグソン＝ウィリアムズ。スケールが大きく、緊迫感あふれる音楽は画面にマッチして素晴らしかったです。また、オリエンタルムード溢れる音楽も悪くなかったです。だた、甘美な旋律が全くなかったのはちょっともの足りません。最近サウンドトラックで失敗しているので、このサウンドトラックを買うかどうかは思案のしどころです。公式サイト　

2010年06月06日

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東京吹奏楽団第５８回定期演奏会

東京吹奏楽団の定期を久しぶりに聞きました。おそらく、１０年ぶりくらいでしょうか。この団体は日本のプロフェッショナルな吹奏楽団としては草分けですが、あとから出てきた東京佼成やシエナの陰に隠れていて、演奏自体も地味だったという印象が強かったです。今回は、昨年に引き続き岩村力という若い指揮者の指揮での演奏会。以前ＴＫＯで聞いたことがありますが、勢いのある演奏だった記憶があります。　最初はダナ・ウイルソンの「ショート・カット・ホーム」。３分に満たない曲ですが、ジャズの要素をふんだんに盛り込んだ、テンポの良い曲で、パーカッションの切れのいいリズムが印象に残りました。アダム・ゴーブの「away day」に通じる雰囲気がこの作曲家のイメージを一変させます。いい曲だなと思って、ｉＴｕｎｅでチェックしたら収録されているＣＤを持っていたことが判明。すっかり忘れていました。。。　２曲目は福島弘和の「百年祭」。閉校直前の奈良県立城内高校の委嘱により２００５年に作曲されました。同校の３年生１０人が演奏できるような編成ですが、今回は倍以上の人数に拡大された改訂版での演奏。出だしの、木管の田園風景を思い起こさせるような抒情的で優しい旋律が心にしみました。途中のテンポの上がった激しい場面はちょっとありきたりですが、後半最初の旋律が戻ってくるところはとても印象的でした。酒井格の作風との類似性も感じられました。今回作曲者も来られていて、終わった後立ち上がって挨拶されていました。こちらで、音を聞くことができます。　３曲目はアンソニー・ラバウンティというアメリカの作曲家の「ル・サンティエ」（道）。ネバダ大学ラスベガス校の准教授で、ここのウインド・オーケストラとともにフランスのリヴィエラで行われた音楽祭に招待され、町の印象からインスピレーションを得て作曲されました。2台のチェロが加わっていて、通常の吹奏楽では味わえない、サウンドが楽しめたと思います。出だしは、木管楽器が交錯し、牧歌的な雰囲気を醸し出します。吹奏楽らしい分厚いハーモニーが存分に楽しめる曲であり、演奏だったと思います。南仏の雰囲気がよく出ていて、アメリカ人作曲家の作品とはとても思えませんでした。後半の盛り上がりと終結部の大団円にもしびれました。中間部で出てくる、川内優子さんのオーボエが素晴らしくいい音色でほれぼれしました。こんなにいい音を聞くのも、以前東京都響で聞いた本間正史以来でした。今後の活躍が期待されます。　第1部最後は、チャンスの「朝鮮民謡による変奏曲」。１９６６年にＡＢＡのオストワルド作曲賞を受賞した名曲ですが、最近はあまり演奏されなくなってしまったのではないでしょうか。この方の作品としては、むしろ「呪文と踊り」の方が、人気が高い（これも最近は聞かれません）ように思います。曲はその名の通り、アリランを主題にした変奏曲で、変にいじくりまわしたりしない、正統的な変奏曲でとても分かりやすい曲です。テンポは比較的早めですが、きびきびとしていて、勢いがありました。惜しむらくは、最後のクライマックスの盛り上がりが少し足りないような気がしました。この曲でも、ティンパニなどのパーカッションの切れのいいリズムが印象に残りました。　後半はプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」から７曲の抜粋。淀彰の編曲です。個人的には、以前はクラシックを吹奏楽で聴くのはあまり好きではありませんでした。最近、年をとったせいか、こだわりが薄れ、あまり気にならなくなりました。この曲は、オケの編曲としては、あまり違和感なく楽しめるものだと思います。プロコフィエフ固有の、グロテスクな趣味は感じられず、すんなりと入っていけたと思います。この曲でも、テンポは早めで、勢いがありました。「タイボルトの死」では昔はかなりおそくする演奏がよくあったものですが、すっきりとした演奏で、重苦しさから免れていたと思います。また、遅い部分も丁寧な描写だったと思います。アンサンブルも精緻で、派手さこそありませんが、従来の個人的な印象を覆す嬉しい出来事だったと思います。　アンコールはハチャトゥリアンの「仮面舞踏会」からの「ワルツ」とプロコフィエフの行進曲変ロ長調の２曲。ハチャトゥリアンは早めのテンポで重苦しくならず、すきりとした演奏。プロコフィエフの行進曲は吹奏楽オリジナルで初めて聞きましたが、ショスタコばりのおもちゃ箱をひっくり返したような騒がしさとウイットに富んだ作風が大変面白かったです。でも、この曲で行進できるんでしょうか？？？？　最後に、とても残念だったことが一つあります。前の席のカップルが始終いちゃついていて、演奏に集中できなかったことです。いちゃつくのは、家か映画館でやっていろといいたくなりました。まったく、困ったものです。東京吹奏楽団第５８回定期演奏会１．Ｄ.ウィルソン／ショートカットホーム２．福島弘和／百年祭３．Ａ.ラバウンティー／ル・サンティエ４．J.B.チャンス／朝鮮民謡の主題による変奏曲休憩５．S.プロコフィエフ／バレエ音楽「ロメオとジュリエット」よりモンタギュー家とキャピュレット家少女ジュリエットマドリガル朝の踊り仮面タイボルトの死ジュリエットの墓の前のロメオ東京吹奏楽団岩村力（指揮）2010年6月4日（金）すみだトリフォニーホール　大ホール

2010年06月05日

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やっと辞めますか

　今日、昼休みに食事をしていて、テレビを見たら首相が辞意を表明したという報道をしていました。　最近、あまりにもひどい有様で、政治ネタは書く気にならなかったのですが、これで少しは安眠できそうです。昨年、民主党が政権をとったころから、政治が気になって仕方がなかったのです。今までそんな経験はなかったので、本当に日本はどうなるのかと思っていました。これで、ガラッと変わるわけではありませんが、少しはましな方向に行くことを期待したいです。それにしても、ローカル放送で岩手県の住民にインタビューしていましたが、相変わらずの意識の低さで、さすが小沢を生んだ土地だなと思いました。この期に及んでも、復活を期待するなんて言えるとは、なにか利益誘導を得ているのか、それともどういう神経をしているのか疑ってしまいます。それから、知事の話も出ていましたが、この人は一時我を忘れたような理性のない会見での発言でしたが、今回は少しは冷静になったようで何よりです。それにしても、頭のいい人はいったん夢中になると我を忘れてしまうようで、この方は、リスク管理上極めて危ない人間だと思います。これで、完全に小沢は死んでしまってくれと期待を込めて言いたいと思います。　今月号の「Will」では鳩山の精神分析論が何篇か掲載されていましたが、なるほどと思いました。それによると、自分がないシゾフレ型政治家（和田秀樹）、軽度の自己愛傾向（矢幡洋）、新型パーソナリティ障害（作田明）など、色々なパターンと分析されていました。結局、鳩山首相というのは世の中をずる賢く立ち回ることだけにたけていて（鳩山邦夫）、ずるいことをしても悪いと思わない悪い性格の持ち主で、芯がない政治家で、なおかつ空気を読めない、人間的にもどうしようもない人だということを公衆の面前でさらけ出したということにすぎないと思います。では、なぜ、こんな首をかしげるような人間が首相になったかということを考えなければなりません。それは国民が選択したからで、自業自得です。民主党が鳩山が人間としておかしいということを認識していなかったのも問題です。しかし、国民が全く考えないということが、この現象を生み出した最大の理由だと思います。誰の言葉だったか忘れましたが、「国民はそのレベルの政治家しか選択できない」というような意味の言葉があります。今回の出来事は、まさにその通りだと思います。国民は、やはり反省するべきだと思います。　今日食事をしていて、いつも一緒に食事をしている方の中で、鳩山ほどいい人間はいないと話す方がいました。その時は、鳩山をぼろくそに言っておきましたが、支持率２０％の方々の多くはそんなことから支持しているように思います。まさしく、何も考えていない典型ではないでしょうか。　後継は決まっているようです。これで、内閣支持率は上がると思いますが、民主党としては選挙前には、何も仕事をしない方が賢明だと思います。鳩山の功績は、唯一小沢を道連れにしたということに尽きるかもしれません。それから、鳩山は次回の衆議院選には出馬しない意向のようです。最後に真人間になったようで、非常に喜ばしいと思います。この一件を持って、鳩山はもしかすると、歴史にいい意味でも悪い意味でも名を残す存在になるかもしれません。（田沼意次の悪政いならぬ、鳩山の悪政？？？）あとは、小沢だけです。彼はは自ら議員を辞めるとは考えられません。検察もあてになりません。小沢の政治生命に息の根を止めるのは岩手県民の皆様、これを読んでいるあなた方です。。。

2010年06月02日

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キム・カシュカシアン：Neharot

　昨年出たキム・カシュカシアンのアルメニアとイスラエルの作曲家の作品集を聞く。邦題「川よ、川よ～ヴィオラによる悲歌集」で、現代音楽でありながらとても聴きやすい曲ばかりです。ここで取り上げられているのは、イスラエルのテルアヴィヴ生まれの女流作曲家ベティ・オリヴェロ、ベイルート生まれでアルメニア人のティグラン・マンスリアン、イスラエルのエイタン・スタインバーグという３人の作編曲です。聞いていると、以前見た中近東を題材にした映画（題名は忘れました）の岩だらけの荒れた土地と貧しい人々、そこに吹く乾いた風を思い出しました。　カシュカシアンはヴァイオリン協奏曲を録音するなど、以前からマンスリアンを積極的に紹介しています。このアルバムでも2曲取り上げています。個人的に気に入ったのは「３つのアリア」（アララト山に面した窓からの叫び）の中の第３曲。ヴィオラの悲痛な叫びに寄り添うヴィヴラフォンやフルートなどの優しい音色の対比が絶妙で、胸を締め付けられるような思いがします。この曲集ではボストン・モダン・オーケストラ・プロジェクトが付き合っていますが、この第３曲では僅かの楽器しか使っていません。第２曲も中東の風が感じられるような、ゆったりとした時が流れています。第１曲目のベティ・オリヴェロの表題曲は、まさに砂漠や荒野の厳しい風景を感じさせる音楽です。最初から不協和音の連続で、いかにも厳しい感じがよく出ています。そこからくっきりと浮かび上がるアコーディオン、作曲者の腕の冴えが感じられるイントロです。それから、ヴィオラが出てきて、アコーディオンと絡み合います。ヴィオラの節回しは何故か、イスラム圏で聞かれるコーランの旋律に似ているようです。アコーディオンは終始厳しい表情を崩しません。中間部からの盛り上がりはなかなかのものです。　２曲目は、ヴィオラにヴィブラホンの伴奏がついた曲です。沈黙の時間が長いですが、旋律は中近東風のエキゾチックなものです。ヴィオラは分厚い音でモノローグ的である半面、かなり饒舌な語り口。ヴィブラホンは時々ポツンポツンと単音を鳴らすだけで、旋律は一切なく、表に出てくることはありません。　アルメニア人のソングライター・コミタス（通称Komitas Vardapet　コミタス司祭　本名Soghomon Gevorki Soghomonyan　1869-1935）の編曲が１曲あります。コミタスはアルメニア近代音楽の確立者で、１９１５年のオスマン帝国によるアルメニア人ジェノサイドの生き残りだそうです。カシュカシアンはコミタスの「Oror」を以前ピアノとのデュオで録音していました。（Hayren - Music Of Komitas And Tigran Mansurian）コミタスの「Oror」はマンスリアンの編曲で編曲者自身のピアノ独奏で演奏されます。ピアノのイントロから寂しげな雰囲気が漂ってきます。ゆったりとしたテンポでとぎれとぎれに出てくる音で、悲しみが一層深くなるようです。最後のエイタン・スタインバーグの「Rava Deravin」は弦楽四重奏の不協和音をバックに、ヴィオラが苦渋に満ちた歌います。かなり、辛口の音楽で、バックの弦楽四重奏が時々鋭いモチーフを響かせ、ヴィオラを刺激します。一転、テンポが速くなり、バックがミニマル音楽風のリズムを刻み始めます。ヴィオラは相変わらずですが、この転換は結構刺激的です。後半は、また、ゆったりとした音楽に戻りますが、バックの刺激的なモチーフは一層過激かつヒステリックになるところが面白いです。ヴィオラの表現力の比重が大きい音楽ですが、カシュカシアンの実力が大いにものを言っている、そんな感じがします。コミタス・ヴァーチャル・ミュージアムKim Kashkashian ：Neharot（ECM NEW SERIES 2065 4763281)1. Betty Olivero: Nehart Nehart for viola, accordion, percussion, two string ensembles and tape2. Tigran Mansurian: Tagh of the Funeral of the Lord for viola and percussion3. Komitas: Oror for piano4. Mansurian: Three Arias - Sung Out the Window Facing Mount Ararat i. Andante ma non troppo ii. Tranquillo, poco libero iii. Lento, ma non troppo7. Eitan Steinberg: Rava Deravin for viola and string quartet Kim Kashkashian(vn except track3)Munchener KammerOrchester(track1)Alexander Liebreich,conductor(track1)Robyn Schulkowsky(Perc,track2)Tirigan Mansurian(p,track3)Boston Modern Orchestra Project(track4)Gil Rose,conductorKuss Quartet(track7)

2010年06月01日

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