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カテゴリ:ジャズ
渡辺貞夫カルテットの演奏を北上さくらホールで聴く。 駐車場が異常に混んでいて、第3駐車場という殆ど整備されていない草ぼうぼうのところに止めなければならないことになった。 後で気が付いたのだが、午後二時から北上フィルの定期がありそれで混んでいたと思われる。 確か創立30周年記念の演奏会でマーラーの「巨人」が演奏されるので混んでいたのだろう。 自分も行くつもりだったのだが日曜日だと思い込んでいて、忘れてしまった。 同じ日だったらハシゴでもよかったのだが、後の祭り。。。 閑話休題 今回は山形、宮城以外の東北4県を回るツアーで、前半は春にリリースされたアルバム『Peace』を中心とした内容、後半はブラジル音楽を中心としたプログラムだった。 定刻からしばらくして、貞夫さんが、よたよたと登場した。 御年91歳なので無理もない。 前半は音はきれいだったものの生気に欠け、バックに助けられて何とか持ちこたえているような印象だった。 リードの調子もいまいちで、アドリブの途中で止まったり、自分の出番を忘れてピアノに何度か促される場面もあった。 また、MC中に言葉を忘れてしまうような場面もあったが、年代は正確に覚えていたのが不思議だった。 今回は一曲ごとに貞夫さんのMCが入り、曲にまつわるエピソードなども紹介され有難かった。 特に、エリス・レジーナの追悼曲『ELIS』にまつわる話には胸を打たれた。 前年の来日公演で共演し、レコーディングする約束を交わしていたが、彼女が帰国してすぐに亡くなってしまったという悲しい出来事だった。 後半になるとだいぶ持ち直し、次第に調子が上がってきたようだった。 ボサノヴァが大半を占めていたが、その中でも速いテンポのバップチューンがひときわ精彩を放っていたように思う。 最後の『I Concentrate On You』はバップ仕立ての急速調の演奏だった。 この原稿を書いている際に『I'm Old Fashioned』(EAST WIND)をチェックしたところ、この曲が演奏されており、アレンジも同じだったようだ。 今から50年も前の演奏だが、何とも凄まじい演奏で、全盛期の貞夫さんの実力を再確認してしまった。 アンコールは小野塚のピアノとのデュオでジョビンの「Por toda a minha vida」がしっとりと演奏された。 バックは安定したバッキングで渡辺をサポートしていた。 中でも竹村一哲のドラムは、繊細さよりもむしろガンガンとドラムを叩く攻撃的なスタイルが目立っていた。 往時の演奏は望めないかもしれないが、これからも演奏を続けてほしいと思う。 また、今後もスケジュールが立て込んでいるようなので、健康に留意してほしいと、他人事ながら心配してしまう。 ただ、演奏することが健康の秘訣などと本人は思っているのかもしれないが。。。 渡辺貞夫カルテット 2024 1.ホレス・シルバー:Peace 2.渡辺貞夫:バタフライ 3.渡辺貞夫:One For ?? 4.渡辺貞夫:Only My Mind 5.渡辺貞夫:Tree Tops(梢) 6.渡辺貞夫:サイクリング 7.チャーリー・マリアーノ:Lopin' 8.Cole Porter:I Concentrate On You 休憩 1.ジョビン:フェリシダージ 2.渡辺貞夫:曲目不詳 3.渡辺貞夫:エリス 4.渡辺貞夫:Call Me 5.バーデン・パウエル:Samba em préludio 6.渡辺貞夫:Waitng Song 7.渡辺貞夫:Manhattan Paulista 8.Frank Sinatra;Jack Wolf;Joel S.Herron:I'm A Fool To Want You 9.Tad Dameron:Tadd's Delight アンコール Antônio Carlos Jobim:Por toda a minha vida(私の愛のすべてを) 渡辺貞夫 (as) 小野塚晃 (p) 須川崇志(b) 竹村一哲(ds) 2024年11月4日北上市文化交流センターさくらサクラホール 中ホール 9列30番で鑑賞 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024年11月06日 22時11分19秒
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