監禁妊娠檻廃止へ【種差別ってなんだろう?】
2007年1月25日、アメリカ最大手(=世界一)の養豚場、Smithfield Foods が、「監禁妊娠檻」を向こう10年で段階的に廃止する、と発表しましたね。「監禁妊娠檻」って何?という方のために説明しましょう。工場畜産における豚は、母豚となる豚は狭い檻に監禁されます。そこで約4ヶ月の妊娠期間をすごし、出産します。どんな檻かといいますと、幅約61cm,長さ約2m13cmの金属棒の囲いで、床はセメント。こんな狭い場所では向きを変えることもできず、歩くこともできません。目に入るのは金属棒。孤独感と退屈で精神異常になる豚も少なくありません。豚はそれほど知能が高くて人なつっこくて社会的な動物なのです。運動もままならず、骨が弱くなり、筋肉も退化してしまいます。ちなみに豚の成体は200kgを越します。こういう監禁檻で何度も妊娠させられ子どもを産むためだけに一生を過ごすのです。「あなたは人間じゃないし、犬やネコみたいなペットでもないから文句を言うんじゃない。こっちは限られた敷地内でできるだけ多くの豚を繁殖させたいんだよ。あなたは人間のためにここでただただ子豚を産み続けてくれればいいのだよ」ということです。これって「種差別」ではないのでしょうか?今回の発表はそういう不遇の雌豚さんたちの環境を改善しよう、という動きなのです。でも、どれだけどのように環境を変えるのでしょうか?10年後、改善されたとします。妊娠して、広い野原で存分に運動しながら過ごせます。母豚及び胎児にとっても、いいことでしょう。でもね、次のような言葉が飼い主から言い渡されるにではないかと思うのですよ。「快適に子どもを産めるようになっただろう?感謝しろよ。でもね、あなたは人間じゃないんだから、あなたの産んだ子供たちは、ある程度まで育ったら私たち人間が食べるために殺すんだよ。あなたには感謝してるよ。だから許しておくれ」生活環境が変わったとしても、こういうのって、やっぱり「種差別」なのではないでしょうか?★関連ブログ【ラブレター From Canada】http://plaza.rakuten.co.jp/fuguchanincanada/diary/200701310000/