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テーマ:世界を動かす国際金融(375)
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昨日の日記でビルダーバーグ会議について少し触れたので、今日はこのビルダーバーグ会議の議長を務める人物について書いてみようと思います。 今年の「ビルダーバーグ会議2004」の議長は、エティエンヌ・ダビニオン子爵でした。(名誉事務局長がゴールドマン・サックスの"Martin Taylor"でした) この子爵はとんでもない大物なんですが、日本ではあまり有名ではないので、ここに簡単にですけど紹介します。 【エティエンヌ・ダビニオン子爵】(コールマンの著書『300人委員会』では、フランスの「黒い貴族」のメンバー、かつ「300人委員会」のメンバーとして登場します) ダビニオン子爵は、1932年にジョージ・ソロスと同じブダペスト(ハンガリー)に生まれます。 国際エネルギー機関(IEA)公認理事会の初代理事長(74~77)を務め、81年から85年まではEC副委員長を務めました。 その後、(85年から)ソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジクに入社し、88年から01年まではソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジクの会長を務めます。 01年から現在は、ソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジクの副会長を務めています。 ソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジクとはどんな会社か、については、後ほど説明します。 ダビニオン子爵のその他の経歴(肩書き)が以下になります。 ● CMB会長(ベルギー) アントワープ港に拠点を置く原油、液化ガスの海運持株会社。 ● コンパーニュ・ド・ワゴン・リ会長(ベルギー) オリエント急行の運営会社。 ●ユミコア副会長(ベルギー) 「デ・ビアス」のジョナサン・オッペンハイマーも取締役に就任している非鉄金属精錬メーカー。 ●ペトロ・フィナ副会長(ベルギー) フランスの石油メジャー・トタル傘下企業。 ●フォルティス副会長(オランダ・ベルギー) オランダ・ベルギー系の大手銀行・保険グループ。 88年にはベルギー最大の銀行ゼネラル・バンクを買収している。 ●トラクトベル副会長(ベルギー) ベルギーで原子力・電力・ガスなどを独占している総合公益事業グループ。 現在はスエズの傘下。 ●アコー副会長(フランス) 世界各地に4000のホテルを有するホテルチェーン。 他にも旅行代理店・レンタカー・カジノ・レストラン等々を手がけるフランスの巨大ホスピタリティー企業。 ●スエズ取締役(フランス:旧スエズ・リヨネーズ・デ・ゾー) 水道・電力・ガスなどの公益事業、メディア産業などを手がけるフランスを代表する複合企業。 ソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジクを完全買収し支配下に置く。 ●ペネシー取締役(フランス) フランスのアルミ大手。 2003年カナダのアルキャンが買収し、アルキャン傘下に。 現在は米アルコアを売上高で抜き世界最大のアルミグループ。 ●ソフィーナ取締役(ベルギー) 金融持株会社 ●ソルベイ取締役(ベルギー) 総合化学・薬品メーカーの名門企業。 ●ギリアド・サイエンス取締役(米) 米国製薬会社。この製薬・バイオ企業は、ジョージ・シュルツ元国務長官(ベクテルの支配者のひとり)が取締役にいたり、97年にはラムズフェルド現国防長官が会長に就任しているなにやら妖しい企業です。 ●アングロ・アメリカン取締役(英) 知る人ぞ知る、ダイヤモンドのデ・ビアスをも傘下に持つ超巨大鉱業・資源会社(ロスチャイルド)なんですが、ダビニオン子爵は99年から02年までここの取締役でした。 さらに、王立国際関係研究所所長でもあり、2000年からはビルダーバーグ会議議長を務めているのです。 では、ダビニオン子爵が自分の中心企業におく、ソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジク(SOCIETE GENERALE DE BELGIQUE)という会社を説明します。"Belgique"は「ベルギー人」の意味から転じて「ベルギー人の国」=ベルギーのこと。 ソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジクという会社は、その前身が1822年に設立されています。 ベルギーの独立宣言が1830年ですから、ベルギー建国以前に生まれた企業であるということになります。 ワーテルローの1815年に、オレンジ公ウィレム6世がイギリス亡命から帰国して、ウィレム1世として新オランダ国王に即位しますが、この新国王がソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジクの創業者です。 ソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジクは、道路・鉄道などのインフラ事業で急成長して、事業を鉱山開発・石油・建築・電力等にも拡大していきます。 中国、南米、エジプト、ロシア、そしてベルギー領コンゴへも進出していきます。 1934年に現在の金融・産業持株会社となって、グループ企業1000社以上、ベルギーを支配する企業グループとなっています。 現在は、スエズがソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジクの株式99.4%を取得して完全支配下に置いています。…が、ダビニオン子爵は親会社となったスエズの取締役に就任しています。 要するにビルダーバーグ会議の議長を務めるダビニオン子爵とは、アングロ・アメリカンや王立国際関係研究所等を通じてロスチャイルド家に直結する人物であり、ビルダーバーグ会議議長へと選任されて欧州の頂点に立つ人物のひとりであるということです。 ついでに言えば、ダビニオン子爵が支配するベルギーには、EU本部やNATO本部まであります。 それと、ダビニオン子爵は「日・EU産業人ラウンドテーブル」の議長でもありました。 どうですか、なかなか興味深い人物でしょ。 デビッド・アイク(David Icke)のEマガジン SOCIETE GENERALE DE BELGIQUE http://www.davidicke.net/emagazine/vol14/articles/societe.html Ironic Rewriting of History in Battle for Belgium's Largest Bank http://www.iht.com/IHT/BJ/98/bj060198.html 以下は、少し古いですが、秘密クラブ・ビルダーバーグ会議のことが書かれているので、「産経新聞」(2003年6月22日)の記事を転載しておきます。 ■秘密クラブ「ビルダーバーグ」5月にパリで会合 王侯貴族、政財官トップ集結 米欧“陰のサミット” 米欧の王侯貴族から政財官のトップ級が集まって年に一度、米国や欧州で会合を開き、世界の主要問題を討議する秘密クラブ「ビルダーバーグ」の存在が最近、話題を集めた。今年は五月十五-十八日に、パリ郊外ベルサイユで開催され、イラクの戦後や中東問題、欧州の将来像を探る協議会、経済問題、テロなど幅広く討議したほか、イラク戦で悪化した米仏関係についても修復を試みたとの情報もある。(山口昌子) ≪1954年創設≫ 会合が開かれたベルサイユの最高級ホテル「トリアノン・パーク」には仏機動隊(CRS)などが厳重に警護する中、高級車が続々と到着した。イラク戦で米仏関係悪化のおりからドビルパン仏外相とウォルフォウィッツ米国防副長官がこの場で会談し、六月初旬の主要国首脳会議(エビアン・サミット)前に米仏関係の修復をひそかに試みたとか、イラク戦で悪化した仏・スペイン関係を心配して仏王家、ブルボン王朝出身のスペイン国王、フアン・カルロス一世が乗り出し、パウエル米国務長官が会合結果を報告するよう命じたなどの未確認情報が流れた。 フアン・カルロス一世をはじめオランダ国王のベアトリックス女王、キッシンジャー米元国務長官、デービッド・ロックフェラー氏らは、フリージャーナリストらによる目撃証言があるが、最終日に公表された出席者リスト約百人の中にはフアン・カルロス一世やベアトリックス女王はもとよりドビルパン外相の名もなかった。 一方で、ウォルフォウィッツ副長官の名前は確かにあり、リストの公表が一部であることや「秘密クラブ」的な一面があることをうかがわせた。 クラブは冷戦中の一九五四年五月、米国と欧州の北大西洋条約機構(NATO)加盟国の「橋渡し」を目指して、オランダのベルナルド王子によって創設されたもので、「民主主義擁護の世界的ロビー」(仏記者)とでもいったらよいだろうか。第一回会合がオランダ・オーステルベークの「ビルダーバーグ・ホテル」で開催されたところから命名され、初代会長には後にNATO事務総長になる英国のキャリントン卿が就任した。 ≪内容は公表せず≫ 討論の自由を堅持し、予期しない影響力を排除するために討議内容は公表しないことを鉄則としているが、米欧の有力者が大挙して出席するため七〇年代ごろからクラブの存在がしだいに知られるようになった。 その結果、七〇年代に批判的記事を書いた英フィナンシャル・タイムズ紙の記者が辞職に追い込まれたとか、会場の従業員には「見聞したことはいっさい話さないように。違反したら解雇」との厳命が下されているといった“伝説”も広がったうえ、クリントン米前大統領(九一年)やブレア英首相(九三年)が就任前に招待されたこともあり、世界政治に影響力のある秘密結社的性格を指摘する声もある。 クラブ側は出席者が個人的資格で参加する「私的クラブ」であり、性格的には「国際フォーラム」と定義するなど、クラブが秘密クラブでも圧力団体でもないことを強調する一方、この数年は出席者のリストや議題など一部を公表し、米欧の大物ジャーナリストも招待しているが、討議内容を記事にしないことは厳守されている。 フリージャーナリストらがサイトなどで発表したところによると、昨年は五月三十日から六月二日まで米バージニア州の高級ホテルで開催され、主要議題はイラク戦争や反グローバル化運動への防衛対策だった。 二〇〇一年は五月末にスウェーデンで開催され、テーマはNATOの将来や食料の安全、欧州連合(EU)の拡大、中露関係、仏大統領選など。二〇〇〇年は六月初旬にブリュッセル郊外で開催され、米大統領選など。一九九九年は六月初旬にポルトガルの中西部の保養地シントラで開催されたほか、同年十一月初旬に米ワシントンでも開催され、米大統領選が主要議題となっている。 ビクトリア英女王時代(十九世紀)の宰相で文学者でもあったベンジャミン・ディスラエリ伯は、「世界は、舞台裏まで潜り込む目を持たない者が想像できない他の人物たちによって統治されている」と述べたが、「ビルダーバーグ」にこの言葉がはたして該当するかどうか-。 ◇ ≪2003年の主要出席者≫ 【米側】 キッシンジャー元国務長官、ウォルフォウィッツ国防副長官、ボルトン国務次官(軍備管理、国際安全保障担当)、ハース国務省政策企画局長、パール国防政策委員会委員、ルギー・ハーバード大学ビジネス政治センター所長、ソーントン・ゴールドマンサックス・グループ最高経営責任者(CEO)、ウォルフェンソン世界銀行総裁、ニューヨーク・タイムズ紙のフリードマン外交コラムニストら。 【欧州側】 ジスカールデスタン仏元大統領、ラスムセン・デンマーク首相、リッポネン・フィンランド前首相、ドゥランバロゾ・ポルトガル首相、コペ仏政府報道官、国際テロ対策専門のブリュギエール仏検事、キング・イングランド銀行副総裁、トリシェ仏銀行総裁、欧州委員会のラミー通商担当委員、クラースNATO元事務総長、カミュ欧州航空防衛宇宙社(EADS)CEO、仏大手保険AXAのドカストリ会長、ドモンブリアル仏国際関係研究所所長、ルルーシュ仏議員(保守政党・国民運動団体)、フィガロ紙社説担当のアドラー記者ら。 「産経新聞」(2003年6月22日) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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