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テーマ:ニュース(100226)
カテゴリ:つぶやき
静岡から東京に出て来たばかりの頃、家賃2万円の木造アパートに4年住んでいた。場所は品川区大井町。下町特有の人情が溢れ、初めて住む東京の中では良い場所を選んだと今でも思っている。直ぐに友人が出来、毎日仕事が終わるとマージャンなどをやって夜更けまで遊んでいたものである。当時25歳のわたしは3万5千円の所持金だけをズボンのポケットに押し込め、東海道線上り熱海行きに飛び乗った。熱海から東京行きに乗り変え、東京駅から京浜東北線へと移り、そして大井町で下車。頼る当てもなく、風来坊の如く風に任せた青春だった。秋の気配をところどころに感じながら東京と言えば大都会で、大きなビル群が立ち並ぶ風景しか想い浮かべなかった発想の貧しさに憂いていた頃。勤務先が用意してくれた六畳一間の空間から新たな人生を切る。秋が深まるにつれ冷たい空気が肌に凍みる。貸布団から始まり出来るだけ節約をする。切り詰められる物は徹底して出費を減らす。まるでお笑い芸人の一ヶ月一万円生活。人間が生きる為に最も必要な欲望、食欲。深夜余りの空腹に耐えかね目を覚ます。ドアの入り口にある小さな食器スペースから音が聞こえる。ポトンポトン...。緩み切った水道の蛇口から零れ落ちる水道水。喉は渇いていなかった。しかし欲望が水を欲しがった。蛇口を捻りドッと勢い良く流れ落ちる水を両手ですくい飲み干した。この時ほど水が美味いと思ったことはない。水は人間の命を支える大切な存在。何処かの大臣が「水道水を飲んでいる人は殆どいない」等とまたも問題発言をし、水道局がかなり怒っているようだ。諸外国と比べれば日本の水道水は良いほうだと思える。外国旅行の時に一番気をつけたいのが「水」日本人の身体は弱体化傾向にあり、現地の水を飲めば即下痢をする可能性が高い。以前何処かの学者が「水は褒めれば美味くなる」と言っておられた。水に向かって「とっても美味しいね」と声をかけながら飲む人は少ないだろうが、水も人間の一部でありまさに生物。褒められれば誰でも嬉しくなるもの。日頃、水の有難さに気付かないわたしたちだが、手術をした後の水は最高である。人間は身勝手なもので、工場や家庭から流れ出る汚水によって川が汚染され、それが海に流れ海洋汚染を招く。その汚染された海水が雨となり地上に降り注ぐ、悪循環を繰り返し自分たちの作り出した水が不味いと文句を言う。浄水器や還元水が飛ぶように売れ水も商品となった時代である。おそらくこのまま汚染が続けば空気にも値段がつきコンビニ等で売られる時代が来るだろう。大規模な災害或いは天候不順が続き、大飢饉が襲って来た時生き延びる人間は僅かしかいない。水に飢え苦しむ国もある中で、これほど恵まれている日本にこれ以上何を求めると言うのであろうか。
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Last updated
2007.03.22 20:18:00
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