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吾が輩は野良猫である

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ルキシト

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2013.11.02
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テーマ:闘病日記(4013)
カテゴリ:健康

 

腎不全.jpg

 

 わたしは入院する毎に病院で出された食事をカメラに収めておく。記念撮影などと悠長な事は言ってられないが、朝、昼、夕と毎日のメニューを撮影し、退院してからの食事管理に役立てようと思っているからだ。

 心不全で入院した場合の治療方法はほぼ決まっているものの、担当医によってその治療方針は若干異なって来る。わたしのように年に何度も入院を繰り返す患者の場合は、前回入院時のカルテを参考にして更に一歩踏み込んだ治療方法を模索する。

  基本的には点滴を打ちながらの絶食がお決まりコースで、心臓への負担を出来るだけ軽くする為の処置で、これに加えてラシックス(利尿剤)を投与。これは増 え過ぎた体重を減らし身体の浮腫を取る為であるが、余り大量に使うと腎臓に負担を掛けてしまうので、血液検査をしながら慎重に行われる。

 そして最も重要なポイントが食事療法。心臓食の場合、一日の摂取カロリーは1600~1800迄とし、塩分は一日6g、それに加えて水分もかなり制限があり、入院初日~一週間は一日500ミリリットルと非常に厳しいものになる。

 絶対安静と絶食、そして食事療法によって一週間も経てば体重は4~5キロ落ち、心臓もかなり楽になり、呼吸もスムーズに出来るようになるから身体の状態によっては酸素吸入も外せるようになる。

  絶食をする理由は心臓への負荷を減らす為であるが、食べ物が胃に入ると身体の血液が一気に胃に集中しその為に心臓が普段の倍近い働きをしなくてはならな い。食事=心臓への負担が増える…と言う事になる訳で、更に胃が膨張すると心臓を圧迫して呼吸困難になってしまうため、食事の量も出来る限り抑えなくては ならない。

  脳梗塞で右半身が完全麻痺し、救急搬送された1月、その時の食事は「心臓食1800キロカロリー」であった。心不全を併発している訳ではなかったので、脳 梗塞の状態(これと言った治療はなかった)が、安定した事を確認(後遺症は全くなし)し、10日ほどで退院出来たのだが、その一ヶ月後に心不全で救急搬 送。

  心不全を起こした原因が前回入院時の担当医が新たな心不全の薬を経過もそこそこに投与した為、その副作用によるものであった。その問題の薬(メインテー ト)を中止して、脳梗塞以前に服用していた薬に一旦戻し、いつもの絶食と食事療法で体重を戻した後に約一ヶ月の入院期間を経て退院となったが、食事内容に 若干の変化があった。前回1800キロカロリーだったものが、1600へと僅かに減量されていた。

 そしてその約2ヶ月後の4月末にまたもや心不全で救急搬送となる。3回目の入院で大きく変化したのが食事内容であった。食事が出された時、何かの間違いではないかと思い、看護師に思わず詰め寄ってしまったのだが、それは担当医の指示によるものであった。

  腎不全食…と書かれた紙を眼にし、ため息を付いてしまった。心臓食でもかなり厳しい制限があるにも関わらず、今度は更にその上を行く腎臓食である。確かに 腎臓も健康な人と比べればかなり機能も落ちて弱って来てはいるが、とうとう食事にまでそれが及んでしまったかとがっくり肩を落とす羽目になってしまった。

 腎臓食は12歳の時に入院した藤枝の志太病院小児科病棟以来であった。摂取カロリー1500、最も厄介なのは蛋白質の厳しい制限である。一日40グラムと言われて、それ以来買い物する度にタンパク質の含有量を気にしている。

 独身男性が自宅で病院食とほぼ同じメニューを作るのは極めて難しい。撮影した病院食を参考にしながら出来るだけそれに近い物をと思っているが、中々思い通りには行かない。つい「腎不全定食がコンビニで売ってないかな(宅配は高い)…」と愚痴を零したくなるのである。

 退院する時に冗談で「病院食の宅配とかやってくれると助かるのにねぇ…」と、栄養士に話を振ってみたが、「採算が合わないよね」とあっけない幕切れだった。

  さて、今回、体重増加による心不全の症状が出た為、ブログを暫く休止し、皆さ様方には大変ご心配をお掛けし申し訳なく思っておりますが、入院時の環境を自 宅で再現出来る筈もなく、無謀とも思える自力療法で増えてしまった体重を約5キロ落とし短期間でブログ復活となった訳でありますが、医師の指示に逆らうよ うなわたしの真似は皆さん絶対にしないで下さい。

  自力で回復出来たその背景には長年の闘病生活の中で培って来た、これは主治医にも分からない病気である本人にしか理解出来ない闘病マニュアルがあるからで あり、そのノウハウは先進医療や優れた薬剤をも凌ぐ生きる為のバイブルとも言えますが、難点は自分にしか通用しないと言う事です。が、然し、そのエネル ギーの源は、人との触れ合いの中で育まれ、成長して行く事だろうと思います。

 所詮、人間は一人では生きられない、ならばお互いに助け合って笑顔を絶やさず前向きに明日を信じて歩いて行こうではありませんか。





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Last updated  2013.11.02 17:31:54
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