コーヒーは飲めません

　


「えーとさ、
　『つきあう＝結婚じゃない』っていうのは、
　つきあい始めに、
　結婚までは考えられない、ってことね。」

「兎はさ・・・
　今でも、最初と全然同じってこと・・・？
　別れてもいい、って思ってるってこと・・・？」

目うるうる。


泣くなー！
それ以上かわいい表情見せたら、
マックで押し倒すぞ！

とか思ってるけど、
口にする台詞はあくまでクールに。


「そうじゃないけどさ。
　つきあうって決めた時に、
　結婚まで考えるとか、
　あたしできないんだよねえ。」

「なんでだよっ。
　俺からしてみたら、そっちのがおかしいよっ。
　目先のことしか見てないのか？
　その場のことしか考えてないのか？」


どんなに責められても、
あたしがそういうタイプなのは
否めない。


「子供だからね、あたし。
　だから今こうして問題抱えちゃって、
　困ってるんじゃない。
　先のことまで考えられてたら、
　じーじを選ぼうと思った時に、
　もっと違う結論があったかもしれない。」

「後悔してんのか？
　選ばなきゃよかった、と思ってるのか？」

ぽろり、とまた涙。


思わず頭なでなで。
in　マック。

ごめん、ごめん。
そういう意味じゃない。
後悔なんかしてないよ。


「大体、なんで後になってから、
　こんな問題言い出すんだよ・・
　もっと前に言えばいいだろ・・」

「あたしが一人で悩んで、
　あたしが一人で結論出せばいいと思ったんだもん。」

「一人で？
　なんで？
　一人で別れられないだろ？
　何も聞かされないで、
　いきなり別れ告げられて、
　俺の気持ちは無視？」


じーじにしては珍しい物の言い方。
すっごい感情むき出し。
愛されてるなあ、あたし。

でも、あたしはクールに。


「あたしのことたいして好きじゃないから、
　こっちから別れ切り出しても、
　別になんとも思わないと・・・」

の台詞のあたりでじーじを見たら、
もう溢れそうな涙。


「じゃなくて、じゃなくて！！
　ちょ、まって、じーじ！！
　違う違う！！
　そーじゃない、そーじゃない！
　落ち着いて、落ち着いて！！」

あたしがな。

よく分かんないテンションで、
必死な兎。


「そういうの早く言えよ・・
　時間たてばたつほどダメージでかいだろ・・」

「別れを言われるのがダメージなら、
　自分から別れ告げれば？」

「そういう選択肢は俺の中にないよ。」


知ってる。
だからあたし、こんな台詞言えるの。


「俺は別れを言われることが嫌なんじゃないよ。
　どっちから言うか、が問題なんじゃない。
　別れること自体が嫌なんだよ。」

「でもダメージ嫌なんでしょ？
　じゃあ、どうするね。
　これ以上ダメージこないように、
　あたしのことこれ以上好きにならないようにする？」

「もう手遅れだろ。」

ドラマみたいな台詞を・・・
背中に鳥肌たっちゃった。


一連の話に答えはありません。
一つ控えてる、
大きな問題の結論が出ないことには、
どうしようもないので、
よくこういう話はしますが、
いつも「保留」という形で話を終了させます。











つづく