Live & Die for HIPHOP

２Ｐａｃ・・・この名前を聞いて反応しないＨＩＰＨＯＰファンはいないでしょう。
彼の死後もリリースされる未発表曲、そしていまだに彼を
崇拝して彼以上のラッパーは出てこないとまで公言する人々・・・
２ＰａｃからＨＩＰＨＯＰに入ったって人も少なくないんじゃないかなって思います。

私にとっての２Ｐａｃは、そこまで思い出深くないというか、
ファンって呼べるほどのものではないと思うんだけど、
ある日歌詞をみて、どうして彼がいまだに多くのラッパーにとって
目標であり兄弟であり追いつきたくても追いつけない存在であるかわかった気がするんだよね。

彼のＬｙｒｉｃってすごい哀愁があるんですよ。
死んでった友達のこと、自分の中のコンプレックス、
黒人の差別問題、暴力、好きな女のこと、
彼は時に暴力的にふるまい、ＭｕｒｄｅｒやＢｉｔｃｈ、
Ｆｕｃｋ、数々の言葉でイメージを作り上げてきたけれど、
ちょっと違う方向から彼を見ると
そこには、彼自身にもどうしようもできなかった悲しみ、
痛み、後悔、懺悔、感謝の気持ちが溢れている。

それ自体を矛盾というのだけれど、
そこに彼の人間らしさがあるんですね。
どれだけ暴力的に振舞ったって、最後まで悪者にはなれない。
どれだけ後悔して人生に苦しんだって、世間は変わらない、だから俺は強くなるんだ、って
そうしてもがいてる姿は人間そのものだと思います。

偽善的なことしか歌わない人、
暴力的なことしか歌わない人、
たとえそこにどれだけの筋が通っていても
人間ってそういうもんじゃないでしょ。
だから、２Ｐａｃは愛されるんです。

Ｔａｌｉｂの言葉を借りれば、まさに
Ｌｉｆｅ　Ｉｓ　Ｂｅａｕｔｉｆｕｌ　Ｓｔｒｕｇｇｌｅですね。
この言葉とても好きです。
辛く悲しみ、時には後悔して進んでいくことは
そのもの自体で十分美しいんだと思います。
でも、こういうことも本当の苦労を知らないから言えるのかもしれませんが。
その苦労の間に死んでいった人々には、
美しいという概念なんていう自体がなまるいものでしょうから。

最後に私の２Ｐａｃベストセレクションを。
１、Live and Die in L.A
最高。いやー２Ｐａｃっていったら私の中でこれだね。
女性コーラスも最高だけど、Ｐａｃのちょっと憂いたようなライムがたまりませんね。
まず曲名そのものが彼を現してるでしょう。
いやーこれぞまさにマスターピースです。

２、Ｍｙ　Ｂｌｏｃｋ
これもいいですねー子供コーラスが最高ですね。
いつまでも聴けちゃう曲。Ｂｌａｃｋの子供達が遊んでるのを見ながらこれを聴くと、
どうか曲がらないで、命を大事にして生きてほしいと、
母親でもないのに感傷的になる曲です。

３、Ｂａｂｙ　Ｄｏｎ’ｔ　Ｃｒｙ
あーこれもたまらないねー
大好きです。これランキングじゃないので順位じゃないです。どれも同じぐらい大好き。
好きだった女の子がダメ男との子供を産んでしまうっていう
なんともリアリスティックな話です。
物語仕立てなのがいいですねー
これも、女性コーラスありですがかなりやさしいうた。

こう振り返ってみると、
たいしたファンでもない私がこんなに彼の魅力に圧倒されるわけですから、
これからもいろんな世代に彼の残した遺産、
つまりたくさんの曲たちが
色んな人の耳の届くことでしょう。
２Ｐａｃを越えるラッパーがいるのかとか
そういうことはわからないけど、
彼は彼でやっぱり素晴らしく、む二度と出てこない才能なんだなーと
改めて実感しました。