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ちーす
月曜に私のあこがれの教授・ウィルソン氏とインタビューをしました。 彼はAfrican-American Historyの教授で、 今その授業を取ってるんだけど、授業中に内容全てを把握できることはないものの、 決して飽きることはない。とにかく、いちばんしんどいけど一番興奮する授業。 その先生に、インタビューした。 Qどんな子供時代をすごしましたか? 僕はハーレムに生まれて、ハーレムで育った。 当時ハーレムは全米最大のブラックコミュニティーだったよ。 家族構成は父親・母親・姉だ。 Blackだけの幼稚園に通って、それから中学までは白人ばかりの学校に通った。ブロンクスにあったんだけど、全校だけでも黒人は20人ぐらいだったかな。 それから、コネチカットの大学に移った。そんなかんじ。 Qハーレムは昔とはだいぶ変わりましたか? 変わったかって?もちろん。 あそこには、今よりももっと黒人が住んでいた。40000人ぐらいはいたかな。 ビジネスも、黒人による黒人のためだけのものだった。 アジア人も、ランドリーを経営してるチャイニーズぐらいしか見たことなかったね。 Q人生で一番影響を受けた人は誰ですか? うーん、それは一人にはしぼれないよ。もちろん家族・先生達・今まで人生で出会った全ての人だ。一人とは言えない。 僕の母親は、彼女が知る限りの有名な人に僕を会わせてくれた。 一人じゃない、いっぱいいるよ。 Qあなたのいままでの人生で歴史的な出来事は何ですか? うーん・・・そうだね、ジャッキーロビンソンに会ったことかな。 (私はジャッキーロビンソンがわからないような顔をしたので) 彼は歴史上初めての黒人野球選手だ。彼が、ハーレムのYMCAに来たんだ。 このときも、母親が連れてってくれた。子供達みんなのヒーローだったから。 ドジャースに所属してたかな。 Qあなたがアメリカ黒人学を勉強すると決断するにあたって、何か特別な出来事はあったのですか? うーん、いっぱいあるよ!でも、大学で、二人の教授に出会ったことが大きかったかな。二人とも、その分野を勉強するに当たって、僕を励まし続けてくれた。 一人の先生は、奴隷制の後自由を得た黒人達が、全米中のいろいろな地域に移動していったことについて専門的に勉強していた。だから僕も今それを専門としているんだ。 Qそれでは、現在のアメリカ黒人の最も深刻な問題はなんだと思いますか? 深刻な問題・・・まず、経済的観点から話すと、彼らが長く続けられる仕事を見つけられないということ。貧困のサイクルから抜け出せないということ。 そして、人種に対して盲目になっている社会の中で、真の平等を得られないことだ。 Q今まで自分の人種が理由で社会で問題を感じたことはありますか? ああ、もちろん!生徒として、学校に居たときだ。彼らは、僕らを黒人としか見ていなかった。決して個人として見ることはなかったよ。だから、もしなにか悪い素行があったりすると、もう二度と黒人を入学させないとか言われたね。つまり、学校では自分が人種を代表してるとでもいうのかな。 Qそれは直接的にですか? いっつも先生達からだったわけではないよ。時々は生徒からも受けた。何かしてきたり、言って来たり、僕らに対するサインを作ったり、差別的な名前で呼んだり・・・そんなかんじだね。 Qあなたの子供時代と今の子供時代、何が違うと思いますか? 今の子供達は、世界がいつも幸せに満ちていると思っている。だけど、一度世界がひっくり返って最悪なビジョンが見えたとき、彼らは自分達の人生は最悪だと思い込んでしまう。 だけど、彼らはつねに楽しいことを探しているように見えるね。 Qあなたのアフリカンアメリカンの将来像はなんですか? ああ、ものすごく難しい質問だね・・・・うん、とにかくこれから先、ギャップは広がっていくと思う。ハイクラスな人々、非教育な人々とのギャップ。裕福な人々と貧しい人たちとのギャップ。なぜなら、人生に訪れるチャンスが変わっているからだ。 以上。本当はもっともっといろんなことをつっこんで聞きたかったし、 終わった後にもいろんな質問が思い浮かんだんだけど、とにかくそのときベストだったのがこれでした。 彼は有名人でもなんでもないので、インタビューってゆっても、 決して世に出ることのないインタビューでしたが、 私にとって彼は、これから勉強する大きな分野に足を踏み入れたとき、一番初めに出会った先生だったので、とても重要な人です。 決しておこがましくないし、意見を押し付けたりしないし、ゆっくり話し、きちんと目を見る。 だからすごくやりやすかった。 彼のインタビューから感じるものは様々だと思いますが、 私が一貫して人生に求めるのは「リアルさ」です。 今アメリカで生きて、人生の間にいろんなものを見て、味わって、体験してきた人だけがわかるものを、これからも追求したいです。 本で読んでわかるもの以上、話で聞いて分かるもの以上のもの、 「リアルさ」ってのはやっぱり人と会って、話を聞いて、実際にそこに行ってみたり、空気を感じたり、そしてそれが全てだとはけっして思わない、 視野の広さと経験の積み重ねによって見えてくるものだと思うから。 だから私はアメリカに来たし、これからも自分の知らない世界はいくらでもある。ここに一生居たいとはもちろん思ってない。 この教授は、はじめてこっちにきて、学ぶことの興奮、 新しい知識が自分の中で生き生きとして、 自分が望む限り学ぶことに限界はないんだなぁ、って思わせてくれた、 大事なきっかけをくれた人です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.04.07 11:27:46
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