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2008年07月03日
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西の魔女が死んだ   
                      『西の魔女が死んだ』梨木香歩/新潮社/2001

水曜日は映画館のレディース・デー。(女性は千円)
ここ数ヶ月は、月に一度はかならず水曜日に映画を観に行くようになった。
と言っても、子ども達が帰ってくるまでに帰宅しなくてはならないから、
近場のシネコンしか行けない。
単館や少数館上映で気になる作品は観れないが、昼間から映画を観れるのだから贅沢な悩みか。

『西の魔女が死んだ』の原作小説は、ものすごく忙しい時期にある書評で知り、
無事仕事が終わったら読もうと思い購入。
しかしいざ読もうと思ったら、なんと3冊も買っていたことが判明!
昔よく、忙しい母が忘れて同じ本を2冊買っていたのを
「なにやってんの~」と笑っていたが、私も同じ事をしていた。
しかも3冊も…!(苦笑)

それはさておき映画は、舞台になった山の中の風景が美しく
(ロケ地は軽井沢らしい)目に気持ちが良かった。
サチ・パーカー(イギリス人のおばあちゃん役)の日本語が完璧でびっくり。
基本的に映画は原作をそのまま映像にした感じだった。
ただ、まい役の女の子の顔がどうしてもなじめず、最後まで違和感があった。
演技力は悪くないと思うんだけどな…。

ーーーーあらすじーーーー

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、
季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。
西の魔女、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、
魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも…(楽天ブックスより)

ーーーーーーーーーーーー

私が一番印象に残ったところは、いつでもマイを肯定してくれて、
「自分で決めることが大切」と言うおばあちゃんに、マイが
「おばあちゃんはいつもわたしに自分で決めろと言うけれど、わたし、
何だかいつもおばあちゃんの思う方向にうまく誘導されているような気がする」
と言い返す場面。

そして、仕事を辞めて家族揃って暮らす事を決めたママが、おばあちゃんに言った言葉。
「私は私の人生を生きるし、おばあちゃんだからといって私にもマイにも自分の生き方を
押し付けることはできないはずよ」 

おばあちゃんがどんなに正しくても、おばあちゃんの生き方を真似ることが
「自分で決めること」ではないと、ママもマイも言っている。
それはおばあちゃんの望むところでありながら、なぜか淋しそうなおばあちゃんの心情が、
苦しいくらい伝わってきて、切ない気持ちになる。

登場人物が個々に抱える問題はあまり詳しく描かれていないので、
そこが物足りないと言う人もいる。(例えばいじめについて。ママが働くことについて)
でも私は、この物語はそれでいいような気がする。

「自分で決めて生きていく」ことが、必ずしも大切な人と相容れるとは限らない。
しかしそれでいいのだ、ということが、この物語のメッセージかなって思う。

私も母に対して同じように思う事があるし、これから娘たちが成長すれば、
きっと私もはがゆい思いをするのだろう。
それでも大切な人。なんか切ないなぁ。


それにしても、この映画のロケ地はとてもきれいだった。
今の便利さも捨てがたいけど、できれば自然が豊かなところに住んでみたいな。
せめてちょっとでもいいから、窓から緑が見えるようなところがいいなぁ。






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Last updated  2008年07月03日 22時45分07秒
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