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灰谷健次郎さん
久しぶりにテレビから聞く名前だった。 私は当時小学校5年生だった。 大好きな先生から勧めてもらった本の一冊。 その本を書いた人が灰谷健次郎さんだった。 当時の私からすると分厚い本を一日で読んだ。 読んだ後に、何かよくて、何がいいのかわからずに、 母親にも勧めた。 正三ちゃんは、喋らない 正三ちゃんは、ゴミ処理場の子供 正三ちゃんは、おじいさんと暮らしている 小谷先生は若くてきれい 小谷先生はよく泣く 小谷先生は新婚さん 小谷先生は一生懸命。 小谷先生は少し変わる。 小谷先生は少し強くなった。 正三ちゃんはハエが好き。 正三ちゃんはホントは笑う。 正三ちゃんは少し自分に自信をもった。 小学校の私からみても、ちょっと出来過ぎた話かなぁって思った。 でも、何か惹かれた。 その何かがわからなくて、次から次に本を手にした。 この人は好きなんだろうと思った。 子供を?いや、人を。 誰かが、何かを一生懸命にやってることをきっと素直にみてくれている気がした。 いつも、私の気持ちはちょっと温かくなった。 その反面、厳しいところも感じた。 子供だけど、ちゃんと人として扱ってくれる。 けれど、それには責任というものがついてくることを教えてくれる気がした。 私の中で、大人になるという曖昧な意味合いに基準を持たせてくれた。 ほんとの意味でそれを感じるのはまだまだ先だったけれど、 子供じゃなくて、人として認められるかもしれない可能性ってすごくうれしかったんだなぁ。 わたしが一番好きなのは、「太陽の子」ではなくて「海に涙はいらない」 灰谷健次郎さん。 あらためて、心より、ご冥福をお祈り申し上げます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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