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イエスの喜びと満足のために☆

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2008年08月28日
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                 ProdigalSon.jpg

 

  帰ってきた息子の背中に触れている二つの手は、父の心の目の代わりを務めているかのようだ。盲人に近い父は遠くを見、そして広くを見ている。そのまなざしは、永遠のまなざし、人類すべてに注がれるまなざしである。それは、あらゆる時代と場所での男性と女性の失われた状態を理解し、家出を選んだ人々の受けている苦しみを、計り知れない憐れみをもって知り、人々が苦痛と苦悩に捕らわれているのを見て、とどめもなく涙を流しているまなざしである。その父の心は、子供たちを家に連れ戻したいという願いで、燃え立っている。

 あぁ、父は、どれほどに子供たちと語り、彼らが直面する多くの危険について警告し、他の場所に捜し求めているすべては、家で見つけられることを納得させたかったことか。どれほど父としての権威を持って引き戻し、彼らが傷つかないよう、自分の近くに置いておきたかった事か。

 しかし、そのどれをするにも父の愛はあまりにも大きすぎた。父の愛は強制したり、無理強いしたり、追い出したり、引き戻したりすることができない。それは、たとえ父の愛であろうと、そのお返しに愛することであろうと、拒否できる自由を差し出す。それこそまさに、神聖な苦しみの源としての神聖な愛が持つ広さである。神、すなわち天と地を創造なさった方が、まず先に何にもまして、父であることを選ばれたのだ。

 父として、自分たちの子たちが自由であり、自由に愛することを神は願っておられる。その自由は、子が自由に家を出ること、「遠い国」に行くこと、すべてを失うかもしれないことを含むものだ。父の心は、それらの選択によってすべての苦しみが生まれることを知っているが、愛するがゆえに、それを阻止しようとする力を失う。父として、彼らが家に留まり、父の存在を楽しみ、その情愛をあじわうようにと切望している。しかし、またしても、受け取るかどうかを自由にまかせる愛を差し出すことだけを願っておられる。子たちの心は遠く離れているのに、口先だけで父をたたえる時、言葉で言い表せないほどの苦しみを父は味わわれる。もちろん父は子たちの「舌を持って欺」く、「忠実ではない」心を知っておられる。しかし彼は、真の父性を失うまでして、子たちに自分を愛させることはできないのだ。

 父として、自分のために主張するただ一つの権威は、憐れみという権威である。

その権威は、自分たちの子たちの犯す罪によって心が刺し通されることからくる。失われた子たちが示す肉欲、貪欲、怒り、恨み、嫉妬、復讐心は、いずれも父の心に、計り知れない苦しみを引き起こさないではおかない。父の心はあまりにも純粋であるため、苦しみはあまりにも深い。神は内側の深いところから、すなわち、すべての人間の嘆きを愛によって抱きしめているところから、自分の子たちに両手を差し伸べる。その触れる手は、内にある光を放ちながら、ひたすら癒しだけを願う。

 ここには私の信じたい神がいる。それは、創造のはじめから、慈しみ深い祝福の腕を差し伸べつつ、決してそれを誰にも押し付けようとせず、常に待ち続けていると父である。その腕を絶望のあまり降ろすことなど決してせず、常に愛の言葉をかけ、疲れた腕を肩の上において憩わせることのできる子供たちの帰宅をひたすら願っておられる父である。その願いはただひとつ、祝福を与えることだ。

 「祝福」をラテン語で言うと、ベネディチェレ(benedicere)で、文字通り「良いことを言う」という意味がある。父は声によるよりも、手触りで語りたいのだ。父は彼らを罰することを望まない。子たちはすでに、自分のわがままな思いと行動によって、充分すぎるほどの罰を受けている。父はただ、あのようにゆがめられた仕方で彼らがずっと捜し求めてきた愛は、いつもそこにあり、そこにあり続けることを知ってほしいのだ。父は「あなたは私の愛する子、わたしの心に適う者」ということを、口ではなく両手で語りたいのだ。彼は「群れを養い、御腕をもって集め、子羊をふところに抱」く羊飼いであるのだから。

 レンブラントの絵の真の中心は、父の両手である。その上に、すべての光が集中している。その上に、傍観者たちの目が注がれている。その中で慈しみが受肉している。そこにおいて赦し、和解、癒しが出会っている。さらにそれを通して、疲れ果てた息子だけでなく、やつれ果てた父もまた休息を見出す。

 シモーヌのオフィスに貼ってあったポスターを初めて見た瞬間から、わたしはこの2つの手に引き付けられた。はじめ、それはなぜか完全には理解できなかった。しかし、何年かたつうち、次第にこの手が分かるようになった。それは私が母の胎に宿ったときから私を支え、私の誕生を歓迎し、母の胸に寄り添わせ、私を養い、私を温めてくれた両手だ。それは私が危険な時に私を守り、嘆きの時に私を慰めてくれた両手だ。それは見送る時に振られ、帰ってくるのをいつも歓迎してくれた両手だ。この2つの手は神の手だ。それはまた、私の両親、先生、友人たちの、癒してくれた人たちの、そして、以下に守られてきたかを思い出させてくれる人々、神が遣わしてくれたすべての人々の両手である。

 レンブラントは父とその祝福する両手を描いて、ほどなくして亡くなった。

 レンブラントの手は、数え切れないほど人間の顔や手を描いてきた。この遺作の一つに、彼は神の顔とその両手を描いた。この等身大の神の肖像画のために、だれがポーズを取ったのだろうか?レンブラント自身であろうか?

 この放蕩息子の父・こ・そ・、彼の自画像である。しかし、伝統的な意味においてではない。レンブラントは自分が描いた絵の中に、数回自分の顔を登場させている。売春宿の放蕩息子、湖の上で恐れおののいている弟子の一人、十字架からイエスの死体を降ろしている男の一人に、自分の顔を描き込んでいる。

 この絵に映し出されているのは、レンブラントの顔でないにしても、彼の魂、多くの死に遭遇して苦しんだ父親としての彼の魂だ。63年の生涯で、最愛の妻サスキアのみか、三人の息子、2人の娘、そして、生活を共にした2人の女性の死に立ち会ってきた。愛しい息子ティトスは、結婚してすぐに26歳で亡くなった。その時の嘆きをレンブラントは一度も絵にしていない。しかし、放蕩息子の父親の姿に、そのことでどれほど多くの涙を流したかが、見て取れる。

 そこに神のイメージとして創り上げられたものは、長い間の痛ましい苦闘を経た彼が、神の真の本質として発見したものだった。それは盲人に近い老人が、さめざめと泣きながら、深く傷ついた息子を祝福している姿だ。レンブラントは息子だった。そして、父となった。その経験が彼に、永遠のいのちに加わる備えをさせることになったのだ。

  

  ☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…

 ・・・感想・・・

 「主は富んでおられたのに、あなたがたのために貧しくなられました。それは、あなたがたが、キリストの貧しさによって富む者となるためです。」

                         コリント第二 8:9

の御言葉を思いました。

 レンブラントの冒頭に掲げた「放蕩息子の帰郷」の絵の中の父の姿がまさに貧しくなられた父の姿を思わせます。

それは御子の十字架に表された、いく世紀に渡り、遠い国に出て行った失われた息子たち(わたしたち)を思う御父の深い痛み、それは死を経てきた苦しみのゆえに、貧しくなられた父の姿です。心が空っぽ・・ということを貧しさの意味するところということをききましたが、御父も、心が空になるほどに放蕩息子の帰りをひたすら待ち続けて下さっていた。。。

マタイ5章の心の貧しい、悲しみ、柔和、義に飢え渇いている、憐れみ深い、心のきよさ、平和をつくる・・のは御父のご性質であることに気がつかされます。

私たちのために富んでおられた方が、貧しくなられた。

その御言葉を深く、深く、噛みしめたいと思わされます。

 






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最終更新日  2008年08月29日 06時09分52秒
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