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カテゴリ:きわめて私的な事
下の前歯がぐらついてから随分久しい、もう1年以上、ぐらついた まま、力を入れればポロリと取れそうなほど、オヤジもお袋も歯症は 悪かった、オヤジは40歳を前にして総入れ歯だった、元々歯が悪く て部分入れ歯をしていて、戦況が悪化するような予感、年齢、体格に 関係なく、根こそぎ召集もありえる、召集されてから歯が痛み出した ら、どうにもこうにもならないだろう、余程若い頃から歯痛に悩まさ れていたのだろう、という事で総入れ歯にしてしまった、ところが若 くして総入れ歯、歯茎が尖って若い間に総入れ歯、歯茎がそういう状 態の時に総入れ歯にしたので、総入れ歯が歯茎にぴったりとくっつき、 90歳を過ぎる頃まで、大体の物は何でも食べることが出来た。 オレも克っては物凄い肩こりで、それが直ぐに歯痛になって表れた、 ダステイン・ホフマンの、「マラソンマン」、という映画だったと思 うが、何者かに拉致されて、歯に穴をあけて、そこを乱暴にグリグリ されての拷問のシーン、それを見ているだけで歯が痛み出した事があ った、また忘れもしない、1969年、7月のなかば過ぎにニール・ アームストロング船長が乗り込んだアメリカの人工衛星、アポロ11 号が月面着陸した、そのテレビ中継がされている日、その数日前から 歯が痛み出していて、歯が痛み出した時には、直ぐに歯医者へ行く事 がベスト、それが分りながら我慢、当時は大阪のメリヤス屋さんで、 丁稚の修行中、会社の3階で20人ほどの寮生活中、寮生全員が月面 着陸の瞬間をテレビで見るんだ、そんな中で、歯痛でのた打ち回って いるオレだけが、午後11時頃に、トリスを飲んでから、寝心地の極 めて悪い、スチール製の2段ベッドの上の段に、明日こそ歯医者へ行 こうと心に決めながらもぐりこむ、しかし間もなく、トリスのセイで、 神経が過敏になり、痛みが一層激しくなる、そこでまたトリスを飲む、 ますます神経が過敏になり、顔半分を万力で締め上げられているよう な痛み、やがてトリスが覚めてきて、それと睡魔で、幾分痛みが和ら いでくる、ウトウトとする、クーラーのない寮のために、夏はどの部 屋の窓も開け放し、遠くで汽笛ではないが、マンションの鉄の扉の閉 まる音、するとオレの歯の痛みに、ポッと微かに火がつき、その小さ な炎が大きくなり、燃え盛って行くように、歯の痛みが大きくまして 行く、やがてその痛みも自然に遠のいていく、やれこれで寝られると 思った時に、またもや遠くでマンションの鉄の扉の閉まる音、そして また痛みが、その繰り返し、テレビの置いてある部屋が騒がしい、月 面着陸が成功したのだろう、その頃は、打たれ続けて、耐え切れずに ダウンしたボクサーのように、意識は朦朧、夏の早い朝が白みだす、 午前9時、会社の近くの歯医者へ飛び込む、詰め物をしている歯のそ のつめ物と歯に隙間が出来ていて、硬い物を噛んだ時に、その詰め物 が梃子の原理で歯を真っ二つに割ってしまい、その根っこが化膿、「 もうこの歯はどうしようもないです、抜きましょう」、とその歯を抜 いて、小一時間もしないうちに昨日の痛みが嘘のように。 最近は肩がこらなくなった、だから歯の痛みに悩まされる事はなく なった、その代わりに、今ぐらついているは、間もなく、大きなくし ゃみをした途端に、歯が飛び出すような抜け方をするのだろう、今ま さに抜けんとする歯は下の前歯、笑った時には抜けたところが見える、 部分入れ歯が出来上がるには時間がかかるだろう、今のマンションの 管理人の仕事、笑顔も仕事の内、しかし笑いたくない、また話をする 時に余り大きく口を開かない、元も声の通りが悪く、活舌も悪く、言 語不明瞭気味、ますますそれに拍車がかかるだろう。 ■「今日の言葉」■ 「 目的をはっきり持っていないと 努力は喜びでなく苦痛となる 」 (自然社・平成22年・新生活標語より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 12, 2010 11:04:54 PM
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