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ふと気がつくと、同じ行を何度も繰り返し読み返している…。 なかなかすっと文章が自分に溶け込んでこない。 うーん、うーん、どうしよう。 あらすじは好みのものとは言いがたいし、でもブッカー賞受賞作だし。 頑張って最後まで読もうか、あきらめて別の積読本に手を伸ばそうか…。 逡巡しているうちに物語は佳境に。 ななななんと。そんなどんでん返しが待ち構えていようとは! えええええっ!ミステリとはジャンルが違うと思うんだけど。 驚き。途中で諦めてたらこんなびっくりな展開を知らないままでした! 諦めなくて良かった~。(かもしれない) ひとりの妖婦の死。遺された醜聞写真が男たちを翻弄する…。 辛辣な知性で現代のモラルを痛打して喝采を浴びた洗練の極みの長編。 (新潮文庫 紹介文より) 世間一般では女の友情は脆いもの、と捉える男性諸君が多そうだけど この小説を読む限り男の友情も互いの仕事の成功度に偏りが生まれれば かなり揺れ動くものなのかも…なんて勘繰ってしまいます。 でもこの小説に登場する男性諸君は「友情…」と語っているけれど そもそもこの繋がりは“友情”と呼べるものだったのかも怪しい気がします。 一人の女性を介して、(今風にいえば)元彼氏同士が友情を結べるものなのか!? その辺は柊は男じゃないのでわからないですけど。 でも先ず友情が成り立っていたとして。 男の嫉妬心とはすさまじい。 自分の仕事への能力を過信する度合いに比例して醜さを増すようです。 間の悪さとか、つきとか、そんな偶然もあるのでしょうけど。 自分の仕事について語る部分などかなり自己陶酔しているように感じる部分があり そんな部分を読むと「ああ、男の人の書いている小説だ」という気がしました。 それをどうこう、問うつもりはないけれど…ただ、そう感じました。 それにしても「アムステルダム」というタイトルにこんな意味が隠されてるなんて 想像もしなかったなあ。察しの良い人はすぐに「あ、」と思うかも? 小説で読む分には退屈を感じましたが、映像化されたら結構面白いかも、 なんて想像して楽しみました。 イギリス流のブラックユーモアたっぷりに、癖のある男優三人の 演技合戦になったらかなり見応えありそうだな、と。 ちなみに柊は頭の中で クライヴ・リンリー → ジュード・ロウ ヴァーノン・ハリデイ → スタンリー・トゥッチ(「プラダを着た悪魔」「ラッキーナンバー7」) ジョージ・レイン → ジョン・マルコヴィッチ の配役イメージで読んでました。(笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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