カテゴリ:読んで(観て)みました。
『博士の愛した数式』や『ミーナの行進』で感じた穏やかな空気とは違う…。 むしろ不穏で湿り気を帯びた文章に始終そわそわさせられました。 「ああ、そういえばこういう作品も書かれる作家さんだった!」と思い出した感じです。 見覚えのない弟にとりつかれてしまう女性作家、夫への不信がぬぐえない 妻と幼子、失踪者についつい引き込まれていく私… 心に小さな空洞を抱える私たちの愛と再生の物語。 (bk1内容説明より) この本は連作短編集ですが、その中で印象に残ったのは 「失踪者たちの王国」と「盗作」です。 それぞれにちょっと変わったエピソードが添えられていたから。 一風変わったものを収集する伯母さんの存在であるとか、水泳選手の弟のことであるとか。 どちらもちょっと浮世離れというか、現実離れした雰囲気に惹かれました。 後半の二編「時計工場」と「蘇生」はむしろ怖い、と感じました。 主人公が小説家であるだけに、著者である小川さんご自身と重なって見えてしまい 言葉をつむぎだす様がやたらリアルに感じたのです。 言葉が生まれてくる場所…それが底なし沼のような、深い深い暗い場所に思えて 怖くなったんでした。 柴田淳さんの新しいCDアルバム購入しました。 DVD付きの初回版とどちらを買おうか迷った末に柊は通常版を買いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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