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先日来、「ダレン・シャン」シリーズを読み続けていました。 4~6は三冊で一つの物語となってます。 ここまで進んでくると「だんだん物語がでっかくなってきたなあ~」と感じます。 柊が持っている吸血鬼、ヴァンパイアのイメージとは離れてきたかも。 永遠に等しい時間を孤独に耐えて生き延びていく…という感じではないよね…。 そう思うと二巻目の「若きバンパイア」の辺りが柊は一番好きだったかも(笑) とはいえ、一人の少年の成長物語、冒険物として読むには充分面白いです。 「ダレン・シャン」の物語、吸血鬼像は従来の吸血鬼が持っている弱点等を ことごとく「伝説に過ぎない」「実際とは違う」と説明するところから始まってますよね。 十字架も、ニンニクも平気(笑)血液以外の食事も摂れる。 日光を浴びると死んでしまうけど、半バンパイアであるダレンにとってはそれすら平気。 柊にはちょっとずつ、そんな設定がひっかかってきました。 小中学生くらいの年齢の子供達が「面白い!」と夢中になって読んでるけれど その子供たちにとってはこの「ダレン・シャン」が吸血鬼の物語の原点になるのかな…と 思うとね…なんか引っ掛かってしまうのです。 ブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』とかレ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』とか。 はたまた萩尾望都さんの『ポーの一族』であるとか。 弱点も、矛盾もあるかもしれないけど、あくまで吸血鬼の物語の原点はこちらに 持っていて欲しい…なんて柊は考えてしまうのです。 「ダレン・シャン」の設定を否定するわけではないけれど、原点のその延長線上に この物語は作られているんだよ、ということは理解して欲しいなあなんて思う。 子供のまま吸血鬼にされてしまう…という設定はアン・ライスの『夜明けのヴァンパイア』にもありましたよね。 こちらは少女。彼女の場合は徹底して歳を取ることが出来ません。 体は子供のままなのに、精神は女性として成長していく矛盾と孤独感が貫かれてた。 ダレンの場合は5年に一歳は年齢を重ねて体も成長していくことが出来るわけで やっぱり「詰めが甘いんじゃないの」と感じてしまうんですよね(笑) 一部では「ダレン・シャン」にある残酷な描写の方に批判の声があったりするようなのですが 吸血鬼=ホラー物と思ってる柊には全然許容範囲だったりします(笑) ・・・物足りないとは決していいませんが^^; そんなことをつらつらと考えてたわけですが、吸血鬼の物語を子供向けに書き下ろすって やっぱり難しいことだし、これは画期的な挑戦だったのかもしれないなあと思います。 多くの子供たちに受け入れられている、というのがその一番の証拠なのかもしれない。 先日読んだ山口雅也さんの『ステーションの奥の奥』も吸血鬼&ミステリものでした。 『ダレン・シャン』ほどスケールは大きくないけれど、子供向けに書かれた吸血鬼物という 点に置いてはかなり完成度が高いお話だったと改めて思います。 『ダレン・シャン』を面白い!と感じた小中学生の皆さんには是非是非他の吸血鬼物語にも 接してみて欲しいなあ~(もう少し大きくなってから?)なんて望みます。 図書館からリクエストしていた本が入ったと連絡がありました。 楽しみにしていた有川浩さんの『図書館危機』と『クジラの彼』の二冊。 図書館本も山になってきたので「ダレン・シャン」シリーズは一時切りの良いところで中断です お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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