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(内容紹介) 一九三〇年代のロシアを舞台にした悪夢のような四日間の物語 文芸誌編集長の轢死を予告した魔術師が引き起こす奇怪な事件の数々。 精神病院に収容されていた巨匠は愛人マルガリータに救出され、巨匠の書いたイエスの物語が、灰の中から甦る。映画化。 不条理、それでいて幻想的。 解釈が難しい…というより、それを無理に施そうとすることが無意味に感じられる。 悪魔たちがモスクワで引き起こす事件の数々に翻弄され、 キリストの受難、山上の説教を思わせる善と悪の対峙など 深遠な場面が挿入されるも、なんだか煙にまかれるよう。 主役である巨匠と、その愛人マルガリータが登場するのは物語も半ばを過ぎてから。 それまでは悪魔ヴォラントとその手下たちの人間界への介入に、 ただただ呆然とさせられてしまう。 この悪魔と、手下たちが妙に魅力的なんですよね…。 彼らに翻弄された揚句に精神を病み、崩壊させられる人間達は気の毒としかいいようがないけど それにしたって可哀想というよりも滑稽な感じで、やりたい放題の行為を憎むことが出来ないのです。 柊の一等好きな登場人物(?)は黒猫のベゲモート。二本足で歩き、言葉を話す猫。 悪魔ヴォラントの手下であり、人間にとってははた迷惑な事件を我先に引き起こす。 この不思議な世界観は読んで体験してみなければわからない。 あらすじを読んだだけでは、なにも汲み取れない。 感想を綴るのもやっかいな、これはそんな小説です。 悪魔…という響きに惹かれるという方は一読してみることをお薦めします。 「悪」というよりも「不条理」を身に纏っているかのようなヴォラントの美しい悪魔像は なかなか読み甲斐があります。 善を象徴する登場人物と対峙する場面があっても、ヴォラントの方がはるかに 悟っているかのようで迫力があり、ぞくぞくさせられます。 柊の読書メーターは→こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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