テーマ:映画館で観た映画(8516)
カテゴリ:読んで(観て)みました。
言葉少な、な印象が強いです。 余分な説明、装飾一切なく、本でたとえるなら行間を味わうというような。 原作は未読だけれど、文章以外のところにもきっと凛とした空気が漂っているんだろうなと想像してしまいます。 ほんとに静かな映画です。 三左エ門さんの人となりそのままを現わしているかのように 四季の風景も美しく。(東北の山、田園風景はやっぱりきれいだ!) 登場人物たちの所作もまた静謐で美しいです。 障子をあける、しめる。 立つ、座る。 何気ない動作の一つ一つがすごく丁寧で見入ってしまいました。 どんなに下の者が政治を愁いても、上に立つものが愚直だと何一つ報われない。 そんな諦観が映画の終盤までずっと耐えるように続くのだけど それをいっとき、切り開いてくれたのが「秘剣」だったのだと思います。 前宣伝にたがわず、終盤15分の殺陣の場面は素晴らしい緊張感でした。 それまでの静けさが一気に動へ傾いていく勢いには目を奪われます。 三左エ門という人物に豊川悦司さんはぴたりと重なっているし、 敵役となる吉川晃司さんも好印象な人物だけに観ている方はぐっときてしまいます。 この二人が剣でなく、言葉を交える機会があったなら別の結末が…なんて思わないでもない。 不条理…としかいいようのない中で、三左エ門が最後あがいて、あがいてみせる 場面は本当に哀しくて、それでいて妙に力強さを感じたりする場面でありました。 時代小説は司馬遼太郎さんか、宮部みゆきさんしか読んだことなかったのだけど 藤沢さんも読んでみようかな…って気になりました。 なんといっても、この「必死剣鳥刺し」が文章でどう表現されているのかとっても気になる! *映画の公式HPは→こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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