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ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦著 主人公のアオヤマ少年は、いったいどんな大人になるんだろう。 その成長編を読んでみたい気がしてきます。 柊はペンギンが大好きなので、このタイトルだけでも「やられたー!」という 感じがあるのですが、ペンギン=可愛い小説という前印象を越えて なかなか深いところに思考が潜り込んでいく不思議なファンタジーに仕上げられていて 読みごたえがありました。 アオヤマ少年の研究対象となるお姉さんはきっぱりしていて魅力的な人物だし、 アオヤマ少年の同級生たちも、なかなか一筋縄ではいかない根性の持ち主たちだし 何より普通とはちょっと違うペンギンたちも愛らしいし…。 これまでの小説より、ちょっと読みやすい感じの森見さんだと思います。 “世界の果て”について研究してみる夏…だなんて素敵じゃないですか。 道徳という名の少年 桜庭一樹著 その昔読んだ「残酷童話」みたいな味わいだな…と。 美しい顔を持っている人がやがて醜く太って醜悪な人物に。 完璧と思われるものが不完全に。 幸せと不幸せと。残酷さと…。 相反するもの、不道徳と思われるものでも語りの力によって得も言われぬ 甘美な雰囲気を醸し出す…というのは不思議なものですね。 もちろんその甘美さの裏側には嫌悪感もあって。 両極端なものがバランスを取りあっている、その間に立って観察しているような 視点が面白いのかもしれません。 柊の読書メーターは→こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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