カテゴリ:読んで(観て)みました。
近しい存在が、自殺という手段を選んだら傍にいる人間は誰だって 「どうして気付いてあげられなかったんだろう、何かしてあげられなかったんだろう…」って 自分を責めると思う。程度の差はあっても。 だけど一番責められるべきは自殺という手段を選んだ人間の方です。 死んでしまった人を責めることは、いけないことなのかもしれませんが 私ならそういうやり方で死んだ人を許す事は出来ません。 卑怯です。恨んで恨んで恨み返してやる。化けて出るなら出てきやがれだ。 …というわけで、普段そう思っている柊なので主人公がここまで罪悪感に陥った挙句 ころころと不幸の坂を転げ落ちるように中国の果てまで流されていってしまう過程が どうにも腑に落ちなかったです。 そもそも、主人公。 友人とも思っていなかった相手が自殺したからと言って そこまで改心するような人物には思えなかったんだけど。 確かに主人公は夏樹という人物を酷いやり方で傷つけたけど、 でもそれでも、死を選ぶほどのことじゃなかったと思う。 自殺という手段を選んだこと自体、自己中心的で嫌な人間だったことを証明しているようなものに思えます。 夏樹の親に恨まれようと、それをただ事実として受け止めればいいだけの話で 自分の未来まで滅茶苦茶にすることは何の意味もない…って柊なら思います。 変だなー変だなーと思って読んでたので、物語に入っていけませんでした。 中国が日本に対し反日感情を抱くのは致し方ない…と理解しているつもりではいても ここ最近の、中国という国に対する不信感は募る一方だったので 余計この作品に対して上手く入っていけなかったのかもしれません。 最後まで読んでしまったのはウイグル族の問題が題材として取り上げられていたから。 このお話はフィクションだけど、それでも小説の題材として取り上げられるような、 世界には柊が知らないいろんな問題が起きているんだな…と教えられて。 それを知らずに、平穏な日々を自分は過ごしているんだな…と改めて感じさせられた次第です。 大学生の広太は小さな悪意から親友を死なせてしまう。平凡な大学生活から一転、極寒の北京で日本人留学生の鵜野と出会い、広大な中国西部を旅することに…。終着地のウイグル自治区で、広太は生きる意味を見いだせるのか。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 柊の読書メーターは→こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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