カテゴリ:読んで(観て)みました。
音楽について、身近な人について、宗教や信仰や自分を取り巻いているものなら、なんでも。 それについて考えや思いを巡らす事はすべて、自分と向き合う、自分を掘り下げていくことに繋がっている…と感じました。 主人公の鳴海くんは信仰や、オルガンを弾くこと、家族について、 ものすごくイライラを募らせて、不満を抱えて、孤立することを選んでいるように見えるけど 考えることからは逃げてない。 それって実はものすごく大変な、精神力のいることだと思う。 人によって興味を持つもの、好きなものは違うけれども 鳴海くんにとってのオルガン、音楽に共通する「なにか」を持っている人には 鳴海くんが考えることによって、どんどん自分という人間を理解しようと、 手掛かりを得ようとしていることが、感覚としてわかる…ような気がする。 それは自分が自分と1対1で向き合うことが出来る唯一、不可侵の場所で そこにはどんな親しい人であろうと、生身の人間が入り込むことのできない精神の世界で。 そこに到ろうと努力する人もいれば、つらくて考えることを放棄する人もいる。 偏見かもしれないけど、音楽や絵画などの芸術分野に関わる人の多くは 弾くことや描くことを通じて自分と対峙する、その手段を持っている人だと思う。 楽譜通りに弾くだけじゃなく、対象をそのまま描き写すのでもなく。 対象と向き合い、自分自身をそこに投影したり、話しかけたり、闘ったりした跡がそこに表れてこなければ「表現する」とはいえない…気がする。 柊は信仰心は持っていないけど、神様みたいなものを意識してしまう瞬間はあります。 信じてないのに、不思議だなと思うことはあります。。 信仰をもつことはいいことかもしれない…でも妄信してしまうことが怖いのです。 柊はキリスト教系の大学に通っていたことがあり、在学中は礼拝堂でパイプオルガンの前奏、後奏を聴くのを楽しみにしてました。 聖歌隊の讃美歌とか、クリスマスに聴くメサイアとか。 音楽を聴いていると信仰心などなくても、不思議なほど敬虔な気持ちになれたのを思い出しました。 メシアンの「神はわれらのうちに」を聴きながら読みたい…と思いましたが うちにはその曲のCDはないので、代わりにバッハを流しつつ。 なんだかとりとめのない感想になってしまいました。 この物語、感想書くの難しいよー。 中学生対象の課題図書でしょう? 中学生たちがこの本を読んでどんなことを感じるのか、考えるのか 応募される感想文を読んでみたい気持ちでいっぱいです。 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)…… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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