カテゴリ:読んで(観て)みました。
近況です。 相変わらず読書のペースはとろとろ…。 「読書の秋」といいますが、巷の空気は秋を通り越して一気に冬めいてきたような。 昨日は灯油の移動販売車が家の前を通り過ぎてゆき、 「ひええ。」と慄いてしまいました。 朝早く起きるのも辛くなってきたりして。(眠くて眠くて) そんなわけで最近読み終えた本の感想を少々。 『エアーズ家の没落』(上下)サラ・ウォーターズ著 読後、「もう一度作品をはじめから読み返したら、そこにはまったく違った物語が広がっているんだろうな。」 …と思いましたが上下巻の長さと、結末のわり切れなさとが相まって、読み返す気力までは湧いてこなかったかも…。 作品全体に漂う雰囲気は好きです。 一番集中して、引き込まれて読んだのは上巻の終盤付近でしょうか。 合理的な説明がつくのか、つかないのかはっきりしないまま高まる恐怖感がなんとも言えず。 ただ、下巻以降の語り手と館に住む女性との恋愛のエピソードは ラストへの伏線になっているとはいえ、柊には物語への関心が殺がれてしまうことになってしまって しんどかったかも。 語り手の医師にも女性にも感情移入が出来なかったからかなあ…。 サラ・ウォーターズの初期の頃の作品が好きです。 『夜愁』あたりから作品の雰囲気が違ってきたように思うのですが気のせいかしら。 (じつは『夜愁』は上巻だけ読んで放置状態…汗) それでもこの著者の描く時代、その細密な描写はリアルにその空気を感じさせてくれるので (まるで映画でも観ているみたいに)その文章を味わうだけでも充分満足感を得られます。 『オーダーメイド殺人クラブ』辻村深月著 辻村さんの本にしては珍しく登場人物たちに感情移入出来ないまま読み進んだのですが、 なぜか、後半の展開にはとても共感できました。…ふ、不思議だ。 空を見てきれい、と思うことすら「イタい」ことだと、周りから外されるかもしれないと怯えなくちゃいけなくなるなんて…中学生って辛い年代だなあと思います。 年取ることで失うものもあるけれど、年を取ることで解放されることもあると思いました。 それに気づける大人になれるかどうかも大切だ、って。 タイトルはおっかないけど、読み終えたときにはすごく救済感があります。 この“救われる”感じ、完璧なハッピーエンドとは言えなくても、前に進んでいく感じは 辻村さんの作品ならではだと思います。 柊の読書メーターは→こちら 柊のつぶやき(Twitter)…… お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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